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旧・転生者はめぐりあう  作者: 佐藤醤油
第5章 10歳聖獣編
105/186

5.1 年末前夜

12月30日に王城に来てます。

年の最後は12月31日です。


1年は、前の世界と一緒で365日

通常30日で、1月、2月、3月が31日

間を空けて11月、12月が31日

冬の方が1日長くなってます。

うるう年は10月も31日です。


私は今日から1月3日まで王城に泊まりの予定です。


私以外の、王家の子供達と婚約している方も全員泊まりです。

ちなみに、私以外の婚約者は全員女です。


ルカ王子の婚約者は、アレクサンドロ公爵家の令嬢サフィーナ(15) 

ピンクの髪、右が赤、左が金。

母親が2妃様の妹、ハイルデン公爵家令嬢でもある。

なのでなんとなくスザンヌにも似てます。

両公爵からの血筋を持ち、恐らく国内でもっとも血筋が良い。

現状、国内で最高のお相手だ。

本人の意向がどうであったかは知らないが、貴族院での話し合いでも他の候補を足元にも寄せず、文句なしでルカ王子の相手候補となったらしい。

その場で、今代の 至宝 の称号を貰った 美人・才女です。


本人達は幼少の時からそう教えられていたようなので、別に当たり前だったのだろうか。

サフィーナ様は幼少時から王妃教育を受けているので、私と同じ10歳前から私以上に王城に通っていたそうです。


マクシミリアン王子の婚約者は、アナスタシア侯爵家令嬢。

青の髪に、両目が青。

こちらはお見合いで、マクシミリアンが決めたご令嬢です。

二人ともおっとりとした雰囲気のお似合いのカップルです。

もちろん、貴族院での最終承認も通り問題なし。


そして、最後の3人目が私ジルベール。


この3人が王城の客室に泊まりです。

当たり前ですが別の部屋ですよ。


二人にはアメリの結婚式や、スザンヌの誕生日会で会っていますがあまり話をした事は無かった。


明日の31日は王家の人と過ごすが30日から泊まりで呼ばれました。

そして夕食後になぜかこの3人だけが部屋で話をしている。

理由は良くわかりませんが元々こういうスケジュールと説明がありました。


王家の方はなにやら年末年始のいろいろな支度があるらしく、夜は別の部屋に分かれました。


そして私はお互いの婚約者もいない状態で、年上の女性二人とひと時を過ごせと。

これは、私にどうしろと?

まあ交流してちゃんと知り合いになっておけということなのでしょうけど。



アナスタシア様とは、夏も一緒にすごしていたので多少慣れてます。

まずはこちらと会話。

「アナスタシア様、夏以降、魔力操作は慣れましたか」

と質問したら

「だいぶ良いと思うのですが、見てもらえますか?」

と言って

魔力操作を始める。

サフィーナ様は

何でいきなり魔力操作と言った顔でこちらを眺めます。


魔力を可視化してみると、流れによどみがあるのでそこを指摘し、少し変えてもらう。

サフィーナ様が

「なに、魔力が見えるの?」

と聞いてきたので

「はい。私は魔力を目で直接見れます」

と答える。


「魔力が見える。それはすごい。初めて聞きました。私の魔力操作も見てください」

と言って、サフィーナ様も一緒に魔力操作を始めました。


サフィーナ様も魔力操作はなかなか綺麗だった。

さすがアレクサンドロ公爵家令嬢。

魔法が得意な家系ですからね。


でも、まだ魔力のよどみがありそこを指摘して変えてもらう。


しかし、指摘しても変わらない。

上手くできないようだったので、部分的に外部から強制的に流れを変えてみるとサフィーナ様が驚きの表情をする。


それで、すぐに理解したらしく正しい流れ方に出来るようになった。


2人とも、10分ほどで綺麗に流れたので良いですよと答える。


「ふああ、少し疲れましたわ。

で、これを繰り返すと魔法が強くなるの?

最近、ルカ王子もたまに魔力操作の練習をしているのを見ますが、理由を教えてもらえますか?」


「そうです。魔力操作を訓練すれば魔法を放つ時の無駄が無くなるので、威力は増えます。

 それだけではありません。

 魔力操作を繰り返し続けさらに全ての魔力を消費する事で、総魔力量が劇的に増えます」

と説明した。

そして鑑定で今の2人の総魔法量を教えてあげた。


現状整理

サフィーナ

総魔力量 420

体力 90 

力 80  

すばやさ 70

器用さ 150

知力 160  

魔法力 180

精神力 150


アナスタシア

総魔力量 600

体力 80 

力 100  

すばやさ 80

器用さ 110

知力 120

魔法力 120

精神力 120


夏から半年間やり続けたアナスタシア様は、総魔法量が600ほど。

これでも元から3倍ほどに増えています。


サフィーナ様は、さすがに左目が金眼なだけあり普通に400超えてます。

それを告げると

「アナスタシア様、600。宮廷魔道士よりも多いのですね。すごい。

私、うぬぼれていました。私が学園でトップだと思っていましたのに」

と言うので

「サフィーナ様も寝る前に1時間頑張れば、すぐに2倍、3倍に増えますよ。10倍までは補償します」

と私が言うと

「10倍て、総魔力量3000あったら伝説の聖女クラスじゃない。

マリア様が大人になるとそのぐらいあるかも知れませんけど、私がそんなになるとは思えないのですけど」


「マリアは、すでに3000超えてますよ。今で5000ぐらいだったかな。

私は、7歳の時は1万を超えてました」


「7歳で1万。あなた今幾つあるんですか?」とサフィーナ様が。


「うーん、今で10万は超えてますけど、まだ日々増えてますよ。

聖獣を完全体で召還するのに5万必要ですから、まだまだ足りないでね」


2人が口を開けたまま黙ってしまった。


場の流れを変えようと、マイボックスからゴルゴが作った水羊羹を取り出して侍女に渡した。

そして、緑茶を入れて貰った。


二人とも初めての黒いデザートに驚くも、何か解らずとも女子の感なのだろう、おいしそうとしっかりと味わっていた。

(侍女も欲しいそうだったので、残りは食べて良いよと言ってあります。)


サフィーナ様が気を取り直し、話題を変えてきた。

(サ)「そういえば、先日開演したミュージカルに行きましたのよ」

(ア)「3日間連続で公演があったんですよね。私も行きました。

     王子からチケットを頂いたので、お友達と行ったんです」


「王家には沢山チケットを配りましたからね。良かったですね」


(サ)「最初に見たのはアメリ様の結婚式でしたが、あれもジルベール様が企画されたと聞きましたがそうなのですか?」


「ええ、私のところにいた音楽家が是非にと言うので、出資しました」


(ア)「下世話(げせわ)なことですが、儲かるんですか?」

「3日間の公演だけならプラスですが、次の公演までの練習代などまだまだ軌道には乗ってないですね。

それにあれは儲けを全て次の世代の教育に使うようにしてるんです。

先日の収益は、我が家の領地内ですが、次の世代に向けたダンススタジオや音楽教室を作るのに全額投資しました」


(サ) 「え、そんな事でよいのですか?」

「短期的に考えるとダメでしょうね。単独事業で、こんな経営をしたらすぐに破綻します。

この事業は、元々、女性だけでやらせて、女性の地位や待遇の向上を狙っているものです。

それに、ああいった文化の育成は、長期的に考える必要があります。


例えば、今、私の作る魔道具は利益が沢山出ています。

だから、今の儲けは、私がいなくなっても大丈夫なように将来への投資をいろいろな形でやっているのです。

領民が暮らせてこその領主。

私が成人すると、今の領地からは離れることになっています。


私がいなければできない事業は新しい領地に持っていくしかありません。


残した魔道具だけで出来る商売は残せます。

それ以外に今は、ぬいぐるみや、食堂などの経営資産を残しているので、それらで幾分かは食べていけるでしょう。

でも、それだけでは続きません。以後はどうしますか?


領民が自分達で生きていける道筋が必要です。

多様性のある人材がいれば少しずつ産業が出来るかも知れない。

魔法に頼らない事業も必要です。

私は去る身にも関わらず、今の領民達は私のために色々と働いてくれます。

だから私は、領民の未来に投資するのです。

その為に平民の子供達も立ちも含めて文字を教え、計算もできるようにしています」


(ア) 「ジルベール様はそのお年でしっかりと未来を見ているのですね」


「ああでも大半は自分がやりたいからやってるだけですよ。

聖人君子ではありませんから。

それに儲けをそんなことにつぎ込むことが子供の証かも知れませんし」


(サ)「ルカ王子から聞いてましたが、スザンヌ様がお見合いで会ったジルベールに1日で惚れてメロメロになってしまったと。

ジルベール様はメルミーナ様からマリアと結婚させると言っていたから、スザンヌ様の説得行ったが、逆にジルベール様のすばらしさを1時間も聞かされ、説得し切れなかったと嘆いていた時があったんですよ」

「へー、そんなことが。恥ずかしいな」

(サ)「ええ、スザンヌは小さい時から良く知っているので。それまでは我がままを言うことも無くおしとやかな方でした。

以前自分は、私はきっと外国の王子と結婚するだと、あきらめていたことを言っていましたが、今回のわがままにはびっくりしました。

でも、あなたとお話すると納得もできます」


「え、それはどういう意味で?」


(サ)「スザンヌが一目ぼれするだけの器を持っていますね。

確かにチャンスがあるのなら逃がしたくはないかも。

あなたに王の器があるとは即答しませんが、よき指導者になることは間違いないと思います。

まあ、ルカ王子が一番ですけどね」


(ア) 「それを言うなら、マクシミリアン王子もかっこいいですよ。顔だけなら!」

とアナスタシア様が答えると

(サ) 「まあ、それは否定しません」とサフィーナ様があっさりうなづいた。


「え! それで良いの」

ルカ王子、残念。顔は2番目だったのか。


「ははははは」と3人で笑って。


(ア)「ジルベール様が大きくなったらたぶん一番ですよ。

きっと、学園ではおもてになるでしょう。

スザンヌ様とマリア様はやきもちを焼いて、心配なさるでしょうね」

と言ってくださいましたが、お世辞ですよね。

作り笑い。ははは。


その後も、私の知らない学園を話を説明して下さいました。

そんな感じの適当な話題で盛り上がった。


話の途中で、マジックバックの話がでた。

自分用にもらえたか聞いて見たら、当然の様に親(母親)が使ってると。

化粧品や、ドレス、靴を入れて出かけているそうです。

夜会や茶会でドレスがかぶっていると途中で着替えたり、化粧を変えたり、小物を変えたりと非常に便利らしい。



私のマイボックスにまだマジックバッグが残っていたので、その場でプレゼント。

量産品ですから、家紋は入ってませんよ。

え、良いのですか?

と聞かれたが王家の人には1人1個渡してるから、関係者だし大丈夫です。


それと、年明けのミュージルカルの公演チケットを2人に渡した。

「王家の方からも誘われると思いますが、お友達とも行きたいですよね。

それは王家に配った日とずれてますから、そちらで友達と行ってください」

と伝えるとそれはもう大変喜んでいた。


それからなぜか危うく私が、ポーズをとらされそうになり丁寧にお断りした。

それでも見たいなーと。

「じゃあチケットと交換でと言うと今ポーズしてしましょうか?」


「えー、それじゃ友達が見れないですね。

後で友達の前でもやってもらえるならチケットいらないかな」とサフィーナ様。

アナスタシア様もうんうんと。

「すいません、勘弁してください」と謝った。

ふー、大変危険な交換条件になりそうだった。


結局大変悩まれた結果チケットをキープにしてもらった。

助かった。


しかし近くにいた侍女からはとても残念な顔をされた。

なんでそんなに見たいのでしょうか。


いや、なんだか想像以上に危険な文化を広めてしまったかもしれない。


さて、そろそろ寝る頃になったので

「寝る前に魔力操作をして魔力も使いきった方が良いですよ」

と伝え、私の部屋に戻り寝ることにした。


それにしても、サフィーナ様は、15歳。

もう大人の魅力もバンバン。

子供の私の体が反応しそうになった。

いや、ならないけどね。

あれに、惚れない男はいないな。

ルカ王子の幸せ者。


まあ、原因はスーに似てるせいだな。

結局スーとマリアが一番。


さっきの部屋にいた侍女はそのまま私の世話係りでした。

シルビアです。


サラ、シルビア、スピアの3人でフィリップ王子の専属侍女となる教育を受けているそうだ。


そしてシルビアから3人の名前を聞いたときに

「サラって、あのサラ?」

と聞いたら


「その節はすいませんでした」と謝ってきました。

どうも、苛めにあっていたらしく、その後の侍女仲間で練習しあったときに、あかすりの勉強の時に力加減の感想に嘘を教えられていた事が解ったそうです。

ただその嘘を言った侍女は既に王城を辞めているし、証拠もないのでどうしようも無いのだとか。

侍女競争のいじめか大変だな。


ねぎらいも、含めて羊羹(ようかん)も渡しておいた。

王妃様には別に献上していたので仲間で分けて食べてねと言っておいた。


サラも喜ぶと思いますと言って、その後のお風呂はこっそり自分で洗わして貰った。


でもくさくないか、匂いをチェックされ髪の毛はやり直しだった。

エー、ダメなの。

「ジルベール様、手を抜きすぎです」としっかりと洗われた。

シルビアちゃんはサラちゃんと違って上手でした。

足も綺麗にしましょう荒れてますよ。

と言われ、足をごしごし、爪もきちんと切ってもらった。


この子は、気がきくな。

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