表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

登場人物紹介 ファーレーン王家

エアリス


 ファーレーンの第五王女にして女神アルフェミナの巫女。メインヒロインの一人。ギャルゲーならば春菜さんと同じぐらいの扱いでパッケージに描かれるであろう人物。物語開始時点で十歳。銀髪に青い瞳の少女。身長百五十センチちょっと。登場時点でBカップぐらいあって、宏と真琴を絶望の淵に叩き落としたワンコ属性。


 カタリナとその腹心であるバルドの手により護衛ともども命の危機に追い込まれ、宏と春菜に救出される。その時、お付きの人員は、ドーガとレイナを除き全滅している。また、宏達に救助された時に偽名としてエルという名前をつけられており、事件後もその呼び名はアズマ工房関係者からの愛称となっている。


 腹違いの姉で第四王女のカタリナに生まれた時から嫌われており、さまざまな嫌がらせを受けて育つ。特に侍女がすべてカタリナの息のかかった存在だったのが致命的で、エアリスの意思を無視してやりたい放題やった揚句に主の命として責任を押し付け続けたため、対外的には最悪の姫として悪名をほしいままにすることに。


 いくらなんでもおかしいと考えていた国王や王妃による調査が何度も入っており、状況自体は割と早い段階で押さえられていたのだが、いかに国王といえども迂闊に短期間で何人も侍女を切る事はできず、またあまりに目に余るものを解雇してもそれ自体がエアリスの悪評につながってしまうため、決定的な事が起こるまで孤立無援に近い状況に置かれざるを得なかった。


 カタリナの乱までは王宮にいるときは常に毒殺の危機にさらされ続け、そうでない日も侍女たちの悪意ある行動により量はともかく見た目と味はむちゃくちゃな食事を取らされ続け、ちゃんとしたものを食べられるのは王や兄達との食事の時か神殿にいるときだけという環境が長く続いていた。そのため、宏達に保護されるまでは食事に対して欠片も関心を持たなかった。


 割と早い段階で所属が神殿に移った事とアルフェミナの加護が無ければ、恐らく悪名にふさわしい性根に育っていたであろう酷い環境で育ったが、それらの経験が上手く作用してか、奇跡的に聖女と呼ぶにふさわしい人格に育ちつつある。ただし、基本的にほとんどわがままを言わないため、周囲の人間は少しやきもきしている部分はある。


 長い間楽しい雰囲気でまともな食事をしなかった反動か、宏に保護されて以降はとにかく食事にこだわるようになった。ただし、出されたものに文句を言う方向ではなく、どうやって美味しく食べるかに興味が集中している。また、豪華な料理よりも粗食やB級グルメを好む傾向があり、更にゲテモノと呼ばれそうな食材や妙な味付けの料理でも積極的に口にするようになってしまい、そっち方面でも関係者の頭痛のタネとなっている。十歳にしてワサビの良さを理解するとか、好みに渋い部分も。


 歴代の巫女の中で最高の資質を持ち、アルフェミナから溺愛されている。その可愛がりぶりは凄まじく、神様のはずなのに近所のお姉さんと大差ない間柄になっている。他の神の巫女も含む歴代の巫女の中で、最も頻繁に神をその身におろした人物でもある。


 ダール編にて宏の女性恐怖症に対するリハビリとして提唱した内容は、実の所こっそりアルフェミナをはじめとした神々と相談して、宏の現状などをちゃんと分析した上で口に出している。別に誰かれ構わず同じ方法で治療しようとしている訳ではないので要注意。むしろ、そうでなければ宏が受け入れる事はなかったであろう。


 余談ながら、アルフェミナの巫女はその資質を持つ者がファーレーン王室からしか現れず、また巫女になってからも王族としての活動をする事が多いため、他の神の巫女と違い姫巫女と呼ばれている。ただし、ファーレーン政府及び王室とアルフェミナ神殿は密接な関係はあるが、神殿は政治には一切口を挟まず、神官たちも立身出世よりも神の声を聞く事の方が大事なので、癒着して腐敗するという事態にはつながっていない。やはり、神が直接見ていると言うのは大きいのだろう。


 名前の由来は特になし。真琴さんと違い、某最終幻想の七作目で途中退場するヒロインとは一切関係なく、フィーリングで決定。





レイオット


 ファーレーン王国第二王子で王太子。銀髪に青い瞳の、作中一の美男子。本編開始時点で十五歳。初登場時点では身長百七十センチほどだったが、現在成長期ですくすく伸びている真っ最中。恐らく成長が止まる頃には百八十センチは超えているだろう。


 自他共に認める腹黒で、必要であればどんなえぐい事でも平気で行う。とは言え、良心や良識を持たない訳ではなく、えぐい真似をするのは容赦なく叩き潰していい種類の悪人や悪党に限られる。単に主義主張や手法の問題で敵対しただけの相手には、誰の迷惑にもならずかつ自身の良心が痛まない方法で可能な限り遺恨が残らないように対応し、納得ができるのであれば自説を曲げることもいとわない柔軟さもちゃんと持っている。


 また、やっている事のえぐさや腹黒さ、女性に対する冷たい態度などから誤解されがちだが、本質的にはファーレーン王家の人間らしく情に厚く、一度懐に入れた人間はとことんまで守ろうとする部分がある。単に、懐に入れるまでのハードルが、ファーレーン王家の人間としては高いだけである。


 その立場と性格から、宏達と出会うまでは同年代には友人と呼べるような相手はいなかった。また上流階級特有の病理により碌な女が寄って来なかったため、宏ほど極端ではないが女性嫌いではある。ただし、女性嫌いだからこそ判断基準は人格主体であり、まともな人間ならば女性であっても排斥したりはしない。


 地味に騎士団の副長クラスと互角の剣技を誇るほかさまざまな血統魔法も使いこなし、更にエクストラスキル「次元斬」を身につけているため戦闘能力は決して低くない。だが、よほどの事がない限り、レイオットが戦闘するというのは避けるべき状況であるため、次元斬と言う大技を身につけている事はほとんど知られていない。


 なんだかんだ言っても唯一裏を疑わずに済む宏の事を一番の友だと思っており、自身に出来る範囲で最大限便宜を図ろうとしている。宏から付けられた「レイっち」と言うあだ名を事の他気に入っているのも、宏の事を大切な友人だと思っている証左であろう。


 他に方法がなかったとはいえ、反乱を起こさせてカタリナを殺した事に関しては、褒められたやり方ではなかった事は分かっている。ただし、先代の手による改革で現行法に変わってから、現行犯でない限りはどれほど些細で明確な犯罪でも、完全に客観的でねつ造不可能な証拠を誰でも有罪と確信できるだけ揃えて提出しろ、と言う悪魔の証明に近い事を求められるようになっていたため、他に方法がなかったのが実情である。それを理解しているので、調子に乗って国益を害する連中を一掃するためには、褒められた手段ではない事を行って無能の烙印を押されても仕方がないと割り切っている。


 幼いころから非常に出来が良く、早い段階で長男であるはずのアヴィンがとっとと継承権の放棄を宣言し、それを誰も反対しないほどの実力を見せつけていた。おかげで変な女が異様に寄ってくることになり、色々とえらい目を見て女嫌いに。


 目下の悩みは、ファーレーンの王太子妃にふさわしい女性が、上流階級の中では壊滅している事。ファーレーン王室は基本的に身分にこだわらないが、市井の一般人にそれほど知り合いがいる訳でもなく、この人でなければと言うほど惚れ込んだ相手もいないレイオットの場合、必然的に上流階級から探す以外に相手を見つける手段がない。結果として、売約済み以外は驚くほど碌な女がいないという現実に、父親と一緒に頭を抱えている。


 子供が産める体で良識さえ持っていれば細かい事は言わないという条件で足きりに引っかかる女ばかりであるあたりに、上流階級の女性、それもレイオットと同年代の女性がどれだけ人材難なのかがうかがえる。同じ年頃の嫡男を抱えるまともな神経をした貴族達が、皆同じように頭を抱えているのはここだけの話。


 なお、最近では同年代以上から探すのは諦め、五歳以上下の年齢層からちゃんと育ちそうな娘のうち、婚約者がいない相手を選んで経過観察の上で適齢期まで待つ方針に切り替わりつつある。場合によってはアズマ工房の職員から一人口説き落とすことも視野に入れているあたり、王太子と言うのもつらい立場である。


 余談ながら、年上を最初から除外しているのは、まともなのは基本的に、全員結婚しているもしくは秒読み段階だから。人格的にまともで未婚の年上女性はエレーナのように何らかの事情を抱えている事が多く、子供が産める身体と言う条件の方に引っかかる人ばかりだったりする。


 名前の由来は特になし。ファーレーン王家の人物は、基本的に特別な由来は持っていない。





レグナス


 作中では基本ファーレーン王としか表記してもらえない国王様。身長は百八十センチほどあるが、それ以外は一般に王さまと聞いて想像するそのものずばりな外見をしている。本編開始時点で四十三歳。書籍版のイラストでは結構老けて見えるが、実はわざとそう見えるようにしている。


 祖父に当たる人物の乱心を直接は知らない世代だが、あちらこちらからしつこく言い聞かされているため、現行法がなぜそう簡単に変更できないほどガチガチにされているかはよく理解している。


 ある意味で祖父の乱心によるとばっちりを一番受けた人物。父親である先王のカリスマ頼りの統治により表面化しなかった問題が次々噴出し、更に先王に押さえつけられていた不満分子が法の隙間をついて好き放題やりだすという非常にやりづらい環境で統治を続ける羽目になる。


 即座に革命を起こされるほど権力基盤が弱い訳ではないが、ガチガチの法を無視してまでカタリナやバルドを処罰できるほどの強権も持っていないため、国内ではどうしても侮られがちだった。逆に、先代の手によって制定された極端な法律とその問題点を知る国からすれば、それだけのハンデを抱えながら外交で付け入る隙を与えなかった点により、タヌキ認定せざるを得ない人物。自身が苦労しているからか、なんだかんだで国家間のトラブルの調停役としては結構な手腕を見せる。


 あえて反乱を誘発させるという手段で売国奴を一掃した事については、レイオット同様かなり遺憾に思っている。また、カタリナを単なる愚物に育て、エアリスに不遇を強いる羽目になった事に関しては、親として死ぬほど情けない気持ちでいっぱいである。ただし、エアリスに関しては不運が積み重なった結果であり、カタリナに至っては親としてできる事は全てやってあの体たらくだったため、むしろレグナス王に関しては同情的な人物の方が多い。


 目下の悩みは、レイオットの嫁にふさわしい歳の釣り合うまともな女が見つからない事と、エアリスが宏に惚れてしまっている事。レイオットの方はもはや時間が解決することを期待する心境だが、エアリスの方は宏に不満があるのではなく、エアリスが宏を口説き落とせそうにない事の方が悩みの種である。なお、エレーナの身体については、宏がいずれどうにかしてくれると確信しているため、後遺症に苦しんでいる事には心を痛めていても、将来についてはそれほど悲観していない。


 最近は忙しい合間を縫って末っ子の双子やエアリスと親子の時間を過ごし、充実した毎日を送っている。


 名前の由来は特になし。





エレーナ


 ファーレーンの第二王女。正室の子供としては一番年上。本編開始当時で十九歳。身長百六十七センチ。顔に関する特徴はほぼエアリスと同じ。エアリスを大人にして、やや目つきをきつめにした容姿。作中では毒の後遺症のために体重がかなり落ちており、非常に痩せ衰えている。


 エアリスが生まれるまで、次代の姫巫女候補として育つ。資質としてはかなり高い方であったが、その資質の高さゆえにエアリスのとんでもない資質を見抜き、自ら姫巫女候補を下りる。以降、陰に日向にエアリスを支え、教え諭す立場に立つ。


 皮肉にも、その事がカタリナを刺激し、彼女が悪い方へ一気に転がり落ちる最後のひと押しになってしまったのだが、何もしなくてもアルフェミナがエアリスを巫女に指名したであろう事、またエレーナの行動自体は人として当然のことしかしていない事を考えると、その事を責めるのは酷であろう。


 エアリスを可愛がり始めた事でカタリナに逆恨みされ、毒を盛られてじわじわと死に追いやられる。レイオットが宏と接触した頃には、もはや余命いくばくもないところまで追い込まれており、間にあったのは奇跡の範疇である。


 今でもカタリナに対して方法はなかったのかと自問自答しており、自身の行動がカタリナを追い詰めた事に関しては色々と後悔している。カタリナが嫌いだった訳ではなく、バルドをはじめとした不穏な連中に付け込まれて堕ちていく過程を見てきたため、結局何もできなかった自分を情けないと思っている。


 他者との接し方は、王女という身分にも関わらずそれを鼻にかける事はなく、身分の高低に関係なく気さくに接しつつも線引きすべきところはきちっと線引きする。また、法に触れない限りはどんな仕事をしていても相手を侮ったり見下したりすることはなく、他者を食い物にしない形でちゃんと働いて生計を立てている人間を尊重する。その態度が国の内外問わず庶民に人気がある一方、身分というものを絶対視する人間には不興を買っている。


 余談ながら、宏がエレーナの治療にわざわざ専用の解毒剤を調合したのは、あの時点で調合できる万能薬では解毒不可能だったから。特殊な毒物だったために万能薬で解毒するには三級程度のものが必要で、材料がどうやっても調達できなかったのである。


 間にあったのが奇跡の範疇であったため、世界編まで重い後遺症に悩まされ続ける。材料不足で彼女の治療薬を作るのが遅れた事が、宏の「材料が無ければただの人」という限界を端的に示している。


 名前の由来は特になし。





アヴィン


 ファーレーン王国第一王子。側室第一妃の子供でレグナス王の子供としては一番年上。物語開始時点で二十二歳。身長百八十三センチでファーレーン人男性としてはほぼ標準。親しみやすいタイプの色男。


 ローレンのルーフェウス学院に留学し、そこでファルダニアの次期女王であるプレセア王女と出会い、相思相愛になる。母親である第一妃が現ファルダニア王の従妹にあたるため、血縁的にもほどよく離れつつファルダニア王家の血がちゃんと入っていると言う点で丁度いい事もあり、王配候補として両王家に歓迎されている。


 弟のレイオットを大層可愛がり、またその出来の良さを自慢に思ういいお兄ちゃん。弟が余りに出来が良いので、留学先でプレセアと出会ったこともあってとっとと継承権を放棄している。お家騒動回避と本人の恋愛感情、更に政略結婚なしで同盟を強化できる点も相まって、この判断には誰も異を唱えていない。


 当人もレイオットほど派手に能力を見せてはいないが、年齢や経験の問題でまだまだ未熟なところがある弟を裏で地味にフォローしつついろいろ経験を積ませている、なかなかできる人。諸般の事情であまり表に出せていないが、レイオットの方もその事実をちゃんと理解しており、この兄には心の底から感謝し尊敬している。


 カタリナに対しては、赤子であるエアリスを一方的に嫌うなど、人としてどうかという問題が目についていたため、できるだけ親身になって話を聞き、全否定しないよう注意しながら諭すという難しい対応を続けていた。結局その努力は実を結ばなかったが、エレーナが姫巫女候補を辞退するまでカタリナが決定的な行動に移らなかったのは、アヴィンの努力があったからなのは間違いない。


 エレーナの、身分に関係なくちゃんとした仕事をして生活を成り立たせている人間を尊敬し尊重する姿勢は、実の所アヴィンの影響が大きい。彼自身がそういうタイプであり、あちらこちらに出入りしては気さくに声をかけ、多数のシンパを作り上げている姿は兄弟全員に大きな影響を与えている。


 当人に自覚は薄いが、いろんな意味で弟や妹に影響を与えており、ファーレーン王室が基本的に仲が良く結束力が強いのは、アヴィンの手柄が大きい。


 名前の由来は特になし。





マーク


 ファーレーン王国第三王子。側室第二妃の息子。本編開始時点で十三歳。金髪が可愛らしいジャニーズ系。全身からいじりたくなるようなオーラを発散する癒し系。宏にマー君というあだ名をつけられ、それが身内での呼び名として定着している。


 この歳にして真面目で融通がきかない堅物で、とにかくルールを重んじる。ルールに不備があるならその不備を直してから行動すべし、というタイプで、それゆえに誰の目にも明らかな欠陥をまともに修正できないファーレーンの法体系に、歯がゆさを感じていた。


 可愛らしい容姿で融通がきかない堅物なものだから、年上でいたずらが好きな連中にはとことんいじられる。いじった時の反応の美味しさが更にいじりを加速させるのだが、本人はそれを自覚していない。結果として王やその三人の后、兄や姉に宏達はおろか、一部老臣達にまでからかわれいじられてしまう。オクトガルに至ってはマー君「で」扱いである。


 アヴィンとレイオットという偉大すぎる兄がいたため、色々とコンプレックスがある。ただし、あくまで経験が足りなく手玉に取られやすいだけで、そこまで能力が劣っている訳ではない。また、手玉に取られやすいという欠点に直結しがちではあるが、真面目で融通がきかずルールを重んじる部分についてはそれなりに評価されている。


 法の不備が大きかったこともあり、ファーレーンの王室や政府は誇大解釈や重箱の隅をつつくやり方で物事を解決する傾向が強く、油断すると実に奔放なやり方をしかねない部分が大きい。その奔放さをかなりの割合でマークが食いとめているのだが、本人はいじられまくっているせいかその自覚はない。


 カタリナに関しては、自分にはまともで優しい姉だったこともあり、エアリスに対する理不尽な態度がなおのこと目について許せなかった。目を覚ましてほしいと何度も正面からぶつかって行ったものの玉砕。最終的にはかわいさ余って憎さ百倍という風情になっていた。


 目下の悩みはオクトガル達、ではなく、物凄く忙しいのに人材がなかなかそろわない事。最近では宏やオクトガルにいじられることについては、完全に諦めている。


 名前の由来は特になし。





カタリナ


 ファーレーン編のボスの一人。ゴージャスな美少女で、自身の魅力をよく知りつくして磨き抜いていたものの、結局最後まで容姿で一番になることは無かった。享年十六歳。


 あの親から生まれあの兄弟の中で育って、なぜこういう育ち方をしたのか分からない、というほど歪んだ性格に育った人物。生まれつき共感能力に欠ける部分があり、物事を全て理屈で考えようとしていた。


 情に厚すぎるファーレーン王家において異質とも言える共感能力のなさだが、逆にそれが功を奏して情に流されやすいレグナス達のブレーキになっていた部分もあった。だが、大半においては一見合理的でいて、その実視点が片手落ちとしか言えない考え方と、自身が割と感情的なのに感情というものを軽視、というより無視した判断を下しがちであり、容姿以外の面ではあまり人気は無かった。


 エレーナ同様、歴代の姫巫女の中でも上から数えた方が早い程度の資質は持っていたが、エレーナと違い、エアリスの資質がどれほどとんでもないものかは理解できなかった。また、どういう訳か、赤子のエアリスを見た瞬間から、存在そのものを消し去りたいほどの憎悪を持っていた。


 この時に、赤子に対してそんな感情を持つことに悩んでいればまだ救いもあったのだが、自身が非常に感情に流されやすい癖に理屈っぽい彼女は、憎悪を抱くにはそれ相応の理由があり、自分は悪くないと早々に結論付けてしまう。


 これにより、家族から愛されているのに孤立するという妙な状況になり、そこをバルドにつけこまれて悪役の道を一直線となってしまう。


 最終的に、自分のよりどころとしていたもの全てを否定され、最後まで分かりあえず一方的に憎悪を向けていたエアリス以外、誰にも悼まれることなくその生涯をとじた。


 名前の由来は特になし。

バルドはどうしようか悩んだ末に外しました。

ドーガとレイナも、一般人枠で。


また、嫁いだ王女は嫁ぎ先の国の人物として紹介予定です。


なお、王妃様方と末の双子は、あまりに書く内容が無いために挫折しました。思いついたらそのうち追記します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ