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三つの課と、ひとつの箱

わたしは、ぺんぎんのこころん。

心を運ぶ郵便局「ココポス」の局長です。


ある朝、いつもより少し早く、局に来た日がありました。

まだ従業ぺんたちが揃う前、

受付台の上に、ひとつだけ箱が置かれていたのです。


「……あれ?」


見たことのない箱でした。

大きくもなく、小さくもない。

けれど、ふたがほんの少し、ふるふると震えています。



そのとき、奥の部屋から声がしました。


「時間、ちょっと変ぺん」


最初に出てきたのは、ときぺん。

時間課のリーダーで、時計の音にいちばん敏感なぺんぎんです。


ときぺんは箱に耳を当てて、首をかしげました。


「いまでもなく、あとでもなく……

でも、待てない気持ちがするぺん」



続いて、やくぺんが現れました。

役割課のリーダーで、背すじのぴんとしたぺんぎんです。


箱を持った瞬間、やくぺんの羽が少しだけ震えます。


「これは……

だれとして受け取るか、迷ってるぺん」



最後に、ようぺん。

状態課のリーダーで、箱の色や温度がわかるぺんぎん。


ようぺんは、そっと箱に触れて言いました。


「まだ準備ができてない心と、

それでも伝えたい心が、いっしょに入ってるぺん」


三匹は顔を見合わせました。


「……不思議な箱ぺんね」

「ぺん」

「ぺん」


こころんは、そっと箱を中央の台に置きます。


「じゃあ、ココポスのやり方でいこう」


それぞれの課が、箱を確認します。


時間課は、

“いつ”届けるのがいちばんやさしいかを。


役割課は、

“だれとして”受け取るのが正しいかを。


状態課は、

“どんな心のまま”渡すべきかを。


三つの答えが、ぴたりと重なったとき、

箱の震えが、すっと止まりました。


「決まったぺん」


三匹は声をそろえます。



「トライアングルアタック、ぺん!」



ぺん形で押印され、

箱は特急便のレーンへと運ばれていきました。



箱が見えなくなると、

局の中に、いつもの朝の音が戻ってきます。


「ぺんぺん」

「ぺぺぺん」


従業ぺんたちが集まり、

今日の業務が始まります。


こころんは、胸の前で羽を組みました。


心の箱は、

ただ運ぶだけじゃだめ。


いつ、

だれとして、

どんな心で――


それを考えるのが、ココポスの仕事です。


さて、

明日はどんな箱が届くでしょうか?


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