嵐の銃弾
「お前たち、揃ったな?」
「ボス!準備万端です」
「保安官が来ても良い訳は考えてある。とにかく練習だ!撃ちまくれ!!」
ズドドドドドド!!!
バン!バン!バン!
ダーン!!ダーン!!
街から離れた広い空き地にて酒臭い悪党共がグレゴリーの合図の元、射撃訓練を実施している。
戦時に備えて隠してあった機関銃や小銃その他を派手に撃ちまくっている。
遠くから保安官が馬で接近して来る。
その顔は険しい。
「新法制定は伝えた筈だ!何をしている!?」
下馬するなりグレゴリーに説教をする。
「これは、これは保安官殿。コイツを見てくださいよ」
白々しい態度で受け答えするグレゴリー。
その手には火薬のしけた銃弾が数発握られていた。
「せっかくの備えも無駄になりそうなんでね。今のうちに弾を消費しているんですよ。銃はあっても弾がなけりゃ使えませんからね」
「必ず年内に売るなりして処分しろ!予備弾倉や銃身も例外じゃないからな?」
「分かってますよケーリー保安官殿!」
やや納得のいかない顔で街に戻って行った‥
「あと3日で奴は去る‥祭りの時間だなぁ」
「ギヘヘヘ!ボス、何しても良いんですかい?」
「日頃の鬱憤を晴らせ‥その代わりワシの命令には必ず従え。いいな?」
「任せてくださいボス」
ククク‥
イヒャヒャヒャ!
ガハハ!
下衆な笑いと銃声が夕暮れまで続いた‥
3日後の朝‥
荷台に幌をつけた馬車数台が移住者宅近くをゆっくりと走っている。
モ〜ウ‥モ〜ウ‥
コケコッコ〜‥
家畜達が鳴き始めた頃、馬車が停まった。
バサっと幌を外した中から黒光りする銃口が光った!
ズドドドドドド!!!
シュババババ!シュピーン!!
「ギャ〜〜!!」
「何事だ!」
バリーン!!ガシャーン!!
凄まじい銃火に家中穴だらけになり、ガラスやカップが粉々になる。
コケッ!!コケッ!!
ムオ〜!!ムオ〜!!
家畜達も興奮して声を荒げる。
「よし次の家だ!ハイヤー!!ハイヤー!!」
ゴトゴトと音を上げて馬車は過ぎ去った‥
その日の内だけで4軒以上も同様の被害に遭った。
応戦しようとした者もいたが、機関銃だけでなく馬車の周りにも露払いの人員が居て手も足も出なかった‥
「ヒーハー!!‥ジョン!!ウッズ!!食いやがれ!」
とうとうこちらにも奴らのお出ましだ!
ズドドドドドド!!!
ピュン!ピュン!ピュン!
跳弾の音はまるで雀の合唱だ!
ダーン!ダーン!
よく聞くと機関銃以外に小銃の発砲音も聞こえる。
戦争でもしているみたいだ。
「ママ〜!怖い!!」
「顔上げちゃダメよ!」
「マリー!エリー!伏せてろ!!」
ジョンは匍匐しながらウッズのいる小屋まで来た。
「怪我ないか?」
「あぁ‥機関銃を黙らせなきゃな」
「家の天井にライフルを隠している。ウッズ‥援護してくれ!!」
「分かった。死ぬなよ‥」
ズドドドドドド!!!
ダーン!ダーン!
明らかにフォード家には時間をかけて攻撃している。
下らん面子に命をかけている奴らだ。
ウッズは小屋の隙間から幌目掛けてブラックホークを放つ。
ズバーン!ズバーン!
「豆鉄砲めが!効かぬわ!!」
ズドドドドドド!!!
小屋目掛けて集中砲火を浴びせる。
すかさず床に伏せてやり過ごす。
弾が止んだら発砲の繰り返しだ。
外の茂みを見るとジョンが馬車の死角に廻っていた。
すかさず援護射撃をする。
ジョンがライフルを伏せ撃ちで構えた!
ダーン!!
「うぐっ!」
機関銃手を倒した。
その間は周りの連中がジョンに小銃で攻撃している。
ウッズは素早く再装填をして小屋を飛び出す!
「こっちだ悪党共!!」
小銃を持った連中が一瞬止まる。
ズバーン!ズバーン!
得意の早撃ちで数人片付けた。
今回は胴体の真ん中を確実に狙った。
「クソが!ずらかるぞ!」
「ヒーハー!!ハイヤー!!ハイヤー!!」
馬車の連中は死体を置き去りにして逃げて行った‥
「ジョン!大丈夫か?」
「あぁ‥お陰様でな」
どうやらマリーとエリーも無事のようだ。




