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流れ者

青空に眩しい太陽。

足元は砂地と雑草が生い茂っている。



男が歩いている。

テンガロンハットにダスターコート。

左肩には馬の鞍と麻袋。

右腰にはガンベルトを提げている。

ブーツはどうも兵隊が履いているような物だ。


小川が流れている。

その先には放牧用の囲い柵が見える。

モウ‥モウ‥と鳴き声が聞こえる。


「誰か来たようだわ‥気をつけて!」


気づかれないように室内で母と娘が警戒する。

外にはお構い無しな表情で父が作業をしている。


「やぁ‥旅の者だが、ここを通っても良いか?」


「あぁ。それより井戸水でも飲まないか?」


男に対して父は親切に接する。

その様子を娘はじっと観察している。

母はもしもに備えて拳銃を握りしめている。


「街に行きたいんだが、この道で合ってるか?」


「そうだな。少し歩くが真っ直ぐだ」


男と父が会話している。

遠くから馬乗り達が下卑た声を上げて近付いてくる。


「早く隠れなさい!」

母が呼びかけるが娘はただじっと観察している。


「ヒーハー!!」

「グハハハ!!豚小屋に来てやったぞ!」


まるで動じずに父は呆れ顔になる。

だが怒りの矛先は横にいる男に向けられた。


近くに立てかけていた散弾銃をそっと構える父。


「お仲間が来たようだな?」


「は?」


「とぼけるな‥アイツらの手先だろ?水を飲んだら早く出ていけ」


「その前に銃をおろせ‥」


銃口は地面に向けたが、目線は切らない。

男は静かに立ち去ろうとした。


馬乗り達が目の前までやって来た。


「グハハ!用意が良いな旦那さんよ!」

手元の散弾銃を指差して笑っている。


「‥」

父は無言で睨みつける。


「ボスから伝言だ。みかじめ料を払うか、土地を渡せ。さもなくば皆殺しだ。分かったか?」


「誰が従うか!!」


「撃てるのか?豚野郎が!」


一触即発の危機に先程の男が現れた。


「なんだテメェ?」


男は堂々としながら答えた。

「彼の友人だ‥数は2人か‥容易いな」


「舐めやがって!」


馬上の2人が拳銃に手をかけた瞬間!


ズバン!!ズバン!!

見事な抜き撃ちで相手の腕を撃ち抜いた。


「痛っ〜!!」

「クソが!」


そのまま2人は馬でノロノロと逃げた。


「水をありがとう‥じゃあな」


「ちょっと待ってくれ!」


父は散弾銃の薬室を開放して見せた。


「弾なんか入れてない。悪かった‥俺はジョンだ」


右手を差し出して来た。


「俺の名は‥」


男は少し躊躇った。ふと散弾銃の刻印に目を向ける。

“ウッズランド商会”と記されている。


「ウッズ‥ウッズだ。よろしく頼む」


握手を交わした。


「ウッズ‥?ハハ!!会社みたいな名前だな!!」


辺りの緊張は解けた。

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