特別幕間「在りし日のバレンタイン」
バレンタインということで、
本来は本編更新の合間ではありますが、この時期らしい小さなエピソードを書きたくなり、特別な幕間を投稿することにしました。
いつもとは少し違う雰囲気のお話ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
二月十三日。
まだ寒さの芯が抜けきらない朝、俺はこたつに潜り込んでいた。
視線を落とすと、腹を枕にするように澄羽が転がっている。
当たり前みたいな顔で、ぴたりとくっついて。
「ねえ、お兄ちゃん」
「どうした?」
「明日は何の日でしょ~か?」
「バレンタインだろ」
即答すると、澄羽は不満そうに頬をふくらませた。
「もっとこう……ワクワクした感じで言ってよ」
「いや、事実だし」
「つまんな~い」
そう言いながらも、離れない。むしろ体重を預けてくる。
「でさ。どんなものが欲しい?」
「うーん……やっぱりこういう日だし、チョコが食べたくなるよな」
軽く答えると、澄羽はにやりと笑って、スマホの画面を俺の目の前に差し出した。
「はい、これ」
画面には、“贈るお菓子に込められた意味一覧”なんて記事が表示されている。
チョコレートは本命。
クッキーは友達。
マカロンは特別な人。
マフィンはあなたは特別。
「……ふーん」
「お兄ちゃんは私から本命チョコが欲しいってこと?」
澄羽はそう言って、俺の腹に頬を押しつける。
こたつの中で足まで絡めてきた。
「さあ、問題です。私はお兄ちゃんにどれを送るでしょうか?」
わざとらしく首をかしげる。
けれど、目だけはじっとこちらを見ている。
俺は少しだけ考えてから、肩をすくめた。
「澄羽が作ったやつなら、なんでもいいよ」
「あ! それ一番言っちゃダメなやつなんだから」
「なんでだよ」
「ちゃんと意味を考えてほしいのに!」
むくれながらも、頬は離さない。
「それだけ、毎年くれるのが美味しいってことだよ」
少し誤魔化すように、頭をぽん、と撫でる。
指先に、柔らかい髪の感触。
澄羽は一瞬だけ黙って、それから小さく息を吐いた。
「……まあ、そういうことだったら、いいけどね」
声は、思ったよりも嬉しそうだった。
澄羽が「うーん」とか「どうしよっかなぁ」とか唸っているのを横目に、俺はぼんやりとテレビを眺めていた。
次の瞬間、聞き覚えのある単語に、澄羽こたつから体を起こす。
映っていたのは、近所のデパートのニュース。
画面は赤やピンクで埋め尽くされ、大きく躍る文字。
――バレンタインフェア開催中。
「そういえばやってたなぁ……お、ここのお菓子美味しそう。チョコレートクッキーシュークリームか。これも良いなぁ」
正直、チョコ売り場なんて混雑する未来しか見えない。
でも、画面越しに映る艶のあるチョコや焼き菓子を見ていると――その面倒くささを上回る幸福感があるのも事実だった。
「……行きたいか?」
何気なく聞いたつもりだった。
その瞬間、澄羽の目がきらりと光る。
「うん。それにこれ、明日までだよ」
「ほんとだ……ってか、二月十四日までかよ。バレンタイン終わったら即終了って、なんか寂しいな」
「そうだね。気づけてよかった~。じゃあ明日は一緒にお出かけだね」
もう決定事項らしい。
そのとき、横のこたつに入っていた父が、恐る恐る声をかける。
「あのー……澄羽? お父さんには……?」
ちらり、と澄羽が父を見る。
「お父さんは甘いもの、そんなに好きじゃないでしょ。チョコのお酒でも買ってきてあげる」
澄羽は悪びれもせずに言って、こたつ布団の端を指でつまんでくるくると弄った。
言い方はそっけないのに、父の好みをちゃんと覚えているところが、いかにも澄羽らしい。
「手作りが良かったな……」
父は情けない声を出して、肩を落とす。
そのしょんぼりした背中だけがやけに目立った。
「わがまま言わないの」
澄羽の即答は、冬の空気みたいにきっぱりしていた。
父はそこで、さらに深く沈む。
「弥羽とは何が違うっていうんだ……」
ぼやきがこたつの天板に落ちて、ぺしゃりと潰れる。
それを見て、澄羽はふん、と鼻を鳴らした。
――小さな勝ち誇りと、少しだけ照れが混じったみたいな音。
「お兄ちゃんは、私があげないと誰からももらえないんだから」
自信満々に言い切る。
こたつの中で、俺の足に寄せた澄羽の足が、じわりと温かい。
「いや、もらえるけど」
反射的に返した瞬間、澄羽の視線がすっと細くなる。
その目だけで、「へぇ?」って言ってる。
「……何それ。誰にもらってるの? 私、知らないんだけど」
声は落ち着いているのに、問いの刃だけが妙に鋭い。
「いや、普通に会社の人とか。友達とか、大学でお世話になった先輩とかからだけど」
言い終わったあと、なんとなく喉が渇いた。
澄羽の目が、まだ細いままだったから。
「でもそれって、義理チョコでしょ?」
「そりゃあそうだろ」
澄羽は一拍置いて、結論を出すみたいに頷く。
「じゃあ、いいかな」
許可が出た。
空気が少しだけ緩む。
「私からのが一番、愛がこもってるからね」
言い切ってから、澄羽はわざとらしく胸を張る。
そのくせ耳の先がほんのり赤いのが、髪の隙間から見える。
「私に次ぐのは……みーちゃんくらいだよ」
その名前が出た瞬間、こたつの中の温度が、ほんのわずかだけ別のものに変わった。
甘い話の隙間に、冷たい影が一筋だけ混ざる。
「というか、昔はあいつと澄羽のせいで、周りから少し距離置かれてた感はあるからな」
冗談めかして言ったつもりだった。
でも、澄羽は否定しなかった。
「しかたないよ」
澄羽は小さく息を吐いた。
「みーちゃんの溺愛っぷりには、私も面食らうときがあったから」
ぽつり、と続ける。
「時々、私たちのためなら、本当に人を殺しそうな雰囲気、あったもん」
冗談みたいな言い方なのに、思い出の輪郭だけがやけに鮮明で。
人の輪から、ほんの半歩だけ外れた位置にいる子だった。
混ざれないんじゃない。あえて混ざらない。そんな距離を、自然に保っていた。
澄羽を怒らせて。
俺を呆れさせて。
それをどこか満足そうに眺めている。
でも――本気で俺たちを傷つけることだけは、絶対にしなかった。
意地悪で。
面倒で。
厄介で。
それでも、俺たちの隣にいるときだけは、世界を掌に載せたみたいな顔で、静かに笑っていた。
「ああ……あったな……」
俺がそう返すと、澄羽は一瞬だけ黙って、俺の服の裾をつまむ。
引っ張るでもなく、離すでもなく。
ただそこに、いることを確かめるみたいに。
「じゃあ今年も」
澄羽が、努めて明るい声を作る。
「みーちゃんの分も含めて、二倍の愛を贈るね」
胸の奥が、きゅっと縮んで、それからほどけた。
その言い方が、澄羽なりの優しさだと分かるから。
「楽しみにしてるよ」
そう言うと、澄羽は満足げに目を細めた。
こたつの中で、俺の腹に押しつけられた頬が、少しだけ強くなった。
◆
駅前のデパートは、遠目からでも分かるくらい浮かれていた。
入口のアーチは赤とピンクの装飾で埋め尽くされ、ガラス越しに見える特設会場は人で溢れている。
手を引かれたまま、俺は人混みに足を踏み入れる。
「はぐれないでね」
澄羽が、当然みたいに俺の手を握る。ただ自然に。
「迷子になるのは澄羽のほうだろ」
「え~? 私、お兄ちゃんより方向感覚あるよ?」
「初詣で逆方向歩いたの誰だよ」
「あれは屋台の匂いが悪い」
なんてもっともらしい顔で言い訳をしながら、澄羽はショーケースに顔を寄せる。
艶のあるチョコレートが整然と並んでいる。照明を受けて、まるで宝石みたいだ。
「これ可愛くない? 見て、この小さいハート」
「ああ、綺麗だな。でもさ、こういうこと言うのはダメなのは分かってるんだけど……正直、味の違いそこまでわからないよな。
食べ比べしようにも、一粒あたりの値段がな……」
値札を見て、思わず現実に引き戻される。
「だからこその今日なんだよ」
澄羽は胸を張る。
「今日なら“イベントだから”って言い訳できるでしょ?」
「なるほど。言い訳前提か」
「人生は言い訳の積み重ねだよ」
「どこでそんな知恵をつけたんだよ……」
くすくす笑いながら、澄羽は一粒入りの小箱を手に取り購入した。
試食の案内を見つけると、澄羽はすかさず列に並んだ。
「お兄ちゃん、あれ。ビター系だって」
「俺は甘い方がいいな」
「甘いのもあるよ。両方もらお。私と半分こね」
そうして受け取った小さなチョコを、澄羽は当然みたいに真ん中で割る。
澄羽からもらったチョコは、指先が触れて、ほんの少しだけ体温が移っていた。
一口。
カカオの香りが先に広がり、遅れて甘さが追いかけてくる。
舌の上でゆっくり溶けていく感覚が、じわっと心地いい。
「どう?」
「……美味しい」
「でしょ?」
澄羽は満足げに笑う。
「お兄ちゃん、プリンとかケーキとか、最後の一口ぜったいゆっくり味わって食べるよね」
「観察しすぎだろ」
「大事な人のことはちゃんと見てるの」
さらっと言い捨てて、隣の試食へ向かう。
こっちはその一言の余韻に、少し遅れてついていくしかない。
今度は俺がチョコを受け取り、慎重に二つに割る。
「はい、澄羽の分」
差し出そうとした瞬間、澄羽が一歩近づいた。
「あーん。半分こなんだから、ちゃんとね?」
いつものことだと思いつつ、指でつまんだ欠片を口元へ運ぶ。
「はいはい。ほら、あーん」
ぱく、と。
柔らかい感触と、温度。
わざとか偶然か分からない絶妙な距離で、唇が指先を包み込む。
「……お前」
澄羽はもぐもぐと咀嚼しながら、悪びれもなく言う。
「うん、おいしい」
にやにやしている。絶対わざとだ。
「……指ごと食べるな」
「お兄ちゃんの指、チョコで汚れてたから掃除してあげたんだよ。
バレンタインだもん。甘いのはちゃんと最後まで味わわないと」
「お前な……」
呆れ半分、でも怒れない。
指先に残る熱が、やけに長く残っている。
澄羽はくすっと笑って、今度は俺の腕に絡みついた。
「ちゃんと一緒に味わってるでしょ? 半分こなんだから」
そのまま、試食をつまみながら売り場を回る。
甘い香りと人の熱気が混ざって、フロアは少しだけ浮ついていた。
「お兄ちゃんってさ」
「うん」
「甘いもの好きなのに、自分から買わないよね」
「一人でチョコ売り場はハードル高い。こういう大義名分がないと買えない」
「意外と繊細だよね」
「ほっとけ」
澄羽は楽しそうに笑って、さらに腕を抱き寄せる。
「だから、私がいるんでしょ」
当然みたいに言う。
迷いも照れもなくて、むしろこっちが困る。
「でもなぁ。澄羽がいると出費が増えるからなぁ」
「でも、なんやかんや言って買ってくれるくせに。出費は二倍でも、幸せも二倍でしょ」
その言葉に、反論はできなかった。
「ほら、これも見て。限定フレーバーらしいよ」
「澄羽って、“限定”って言葉に弱いよな」
「お兄ちゃんもね」
「否定できない」
袋が少しずつ増えていく。
財布は軽くなるけど、確かに、心は満たされていった。
途中で、少し高級なブースの前で足が止まる。
ガラスケースの中、深い艶のチョコレートが整然と並んでいる。
「……高っ」
「でも綺麗だよ」
「ここまでくると芸術品だよな」
「芸術品は食べるためにあるんだよ」
「でも、食べたら消えるだろ」
「消えるから、今が大事なんだよ」
さらっと言うから、言い返す言葉が遅れた。
「ねえ、お兄ちゃん。もし今年、私がバレンタインあげなかったらどうする?」
「どうもしない」
「え」
「澄羽ならくれるだろ」
ぽかん、と口を開けて。次の瞬間、耳まで赤くなる。
「え~、信頼が厚いなぁ~。私困っちゃうよ~」
なんて、照れ隠しみたいに大げさに言う。
「今年はちゃんと、すごいの作るから。期待しててね!」
「去年もすごかったぞ」
「去年を超えるもの作るから。今年はね、去年の百二十%増し!」
ふんす、と鼻息が聞こえるような顔で宣言した。
「いや、それだと二倍以上だけど……」
澄羽は俺の小言を聞き流して、次は材料コーナーへ突撃する。
カカオ、バター、粉糖、ナッツ、型、飾りのチョコペン。
慣れた手つきで籠に放り込みながら、楽しそうに鼻歌まで歌っていた。
そうして俺たちは、袋を抱えてバレンタインフェアを後にした。
◆
帰宅後。
当然のように澄羽の後ろについてキッチンへ向かった俺は――
「立入禁止で~す」
ぴしゃり、と目の前で扉を閉められた。
「え、手伝うけど」
「ダメ」
「味見くらいは」
「もっとダメ」
取り付く島もない。
「サプライズって大事なんだから。お兄ちゃんはリビングで大人しくしてて」
「……晩御飯どうするんだよ」
「今日は特別。キッチンは澄羽王国です」
内側から鍵のかかる音まで聞こえた気がした。
ほどなくして、かちゃかちゃとボウルや泡立て器の音が響きはじめる。
砂糖を混ぜる音。オーブンの予熱の音。
ときどき「あっ」とか「うわ」とか聞こえてきて、そのたびに様子を見に行こうとすると、
「来たらお父さんのバレンタインがなくなるからね」
と謎に父のバレンタインが人質にされた。
仕方なく、ソファに沈む。
テレビはついているが、内容はほとんど頭に入らない。
甘い匂いだけが、家の中をゆっくり満たしていく。
溶けたチョコの香り。焼ける生地の匂い。
それだけで、胸の奥がくすぐったくなる。
ときどき、足音が近づいてくる。
扉の前で止まり、気配だけがこちらをうかがう。
「……なに」
「ちゃんと待ってるかなって確認」
「犬じゃないんだけど」
「いい子いい子」
ひょい、と扉を少しだけ開けて、頭をぽんと撫でると、またすぐ閉める。
その繰り返しだった。
◆
二月十四日。
その日は家中に満ちる甘い匂いで目が覚めた。
砂糖が溶ける匂い。カカオの少しほろ苦い香りが、朝の空気に溶け込んでいる。
まだ少し眠たい目をこすりながら、体を起こして横を見た瞬間。
「え……?」
声が、間の抜けた音になった。
部屋のど真ん中。
明らかに部屋のサイズと合っていない巨大な箱が、どーんと鎮座している。
しかも無駄に綺麗にラッピングされている。
赤いリボン付き。
「……十中八九、澄羽だよな……。
去年の百二十%増しって、嘘じゃないのかよ……」
ぼやきながら、恐る恐るリボンをほどき、蓋を持ち上げる。
――ぱかっ。
「ハッピーバレンタイン!」
勢いよく飛び出した声に、心臓が跳ねた。
「私よりお兄ちゃんへ! 愛をこめて、澄羽のプレゼントで~す!」
箱の中。
そこに入っていたのは――当然のように、澄羽本人だった。
服の上から、赤いリボンがぐるぐると巻かれている。
胸元には小さな包み。手作りチョコらしい。
そして、両手で綺麗なハートマーク。
ポーズは完璧。
でも――
耳はほんのり赤く染まっていて、得意げな顔をしているくせに、明らかに照れている。
そのアンバランスさが可笑しくて。
気づけば、ふっと笑いが漏れていた。
「……何してんだよ、お前」
「さ、サプライズだけど?」
「方向性がおかしいだろ」
「でも、でも、去年よりパワーアップしたでしょ?」
どや顔。
でも目はちょっと泳いでいる。
たぶん、朝早くからこれを準備して、箱の中で息を潜めて、俺が起きるの待ってたんだろう。
そう思ったら――
なんかもう、怒る気も呆れる気も失せて。
ただ、胸の奥が、やけにあったかくなった。
「……風邪ひくぞ。とりあえず出てこい」
「先に受け取って!」
「ほら」
笑いながら手を差し伸べると、澄羽は少しだけ安心したみたいに、その手をぎゅっと掴んだ。
箱から出てきた澄羽は、リボンをほどかれながらも、どこか誇らしげだった。
「はい。改めまして」
胸元に置いていた小箱を、両手で差し出す。
「澄羽特製、生チョコタルト。去年の百二十%増量版」
「増量って、何がだよ」
「愛情と手間と材料費」
「最後いらないだろ」
受け取った箱は、思ったよりずっしりしていた。
蓋を開けると、艶のある小ぶりの生チョコタルトがいくつも並び、上には薄くココアパウダーがかかっている。
「おぉ……美味しそう」
「でしょ~」
澄羽は腕を組んで胸を張る。
けれど視線は、ちらちらと俺の顔をうかがっていた。
ひとつ摘まむ。
口に入れた瞬間、柔らかくほどけて、カカオの香りがふわりと広がった。
甘さはしっかりあるのに、くどくない。ちゃんと計算して作った味だ。
「どう?」
「……美味しい」
「ほんとに?」
「去年より美味しいよ。ありがとうな」
そう言って、澄羽の頭を撫でる。
次の瞬間、澄羽の顔がぱあっと明るくなった。
「えへへ……」
そのまま二人でリビングへ移動する。
廊下の冷えた空気が、キッチンから流れてくる甘い匂いで少しだけやわらいでいた。
澄羽は両手で大事そうに箱を抱え、やけに慎重な足取りで歩いている。
その背中を見ながら、俺は少しだけ笑った。
テーブルに箱を置き、澄羽は少し照れた顔で、俺の隣に座った。
テレビはついているけれど、内容はほとんど耳に入らない。
代わりに、箱から立ちのぼるカカオの甘い匂いと、隣の体温だけがはっきりと分かった。
「じゃあ、一緒に食べるか」
そう言うと、澄羽は一瞬きょとんとした顔をしてから、少しだけ唇を尖らせた。
「え、全部あげるつもりだったのに」
言いながらも、声はどこか嬉しそうだ。
「半分こ。昨日言ってただろ。幸せは二倍だって」
澄羽の目が、ゆっくり丸くなる。
それから、ふわっとほどけるように笑った。
「……うん!」
ああ。
――やっぱり俺は、この時間が、たまらなく好きなんだな。
バレンタインなんて、ただの口実だ。
俺にとっては。澄羽と、甘いものを半分こできる日。
こうして隣で笑っている時間そのものなんだろう。
それだけで、十分だった。




