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初めてのお仕事㊻

 結局、全員に特製ポーションを渡すと、最初は恐々と、しかし一旦美味しさに気付くと、ほとんど一気に飲んでしまった。

 もちろん、また俺の時のように、若返ってしまった時の為にと、いつでもタイムゴーズバイも撃てる用意をしていたのだが、既に若いせいだろうか、外見については特に変化は見られなかった。

 しかし他人事ながらも、ピロリーン、ピロリーンとレベルアップやらスキル獲得のチャイムが鳴り止まなかったので、さぞかしステータスも大変な事になってるのだろうと察せられた。やはりコレは、迂闊に飲ませちゃアカンやつだったのだろう。今後は気をつける事にしよう・・・


「なんか、身体の内側から、力と魔力が溢れ出すみたい!」

 ティナの言葉に皆が頷く、じっとしてられずに、槍を突いたり盾を構えたり。


 一方、少なからぬ畏怖を帯びた目でタカハシを見つめ、深刻な顔で何やら考え込んでいる様子のリーダーは、簡単にレベルを底上げしてしまう、得体の知れない男の力を、このまま安易に甘受して良いものかどうかと悩んでいるところであった。

 ほとんど瀕死だったティナを助けてくれたかと思えば、今も訳の分からない魔法で、3年掛かって学んだ以上の指導をしてくれるからには、当然、それなりの対価も要求して来る筈だ、俺はその時、仲間たちの事を、守ってやる事が出来るのだろうか?

 ゴブリンイヤーの余波で、ダダ漏れするリーダーの本心を聞いたタカハシは、その高潔な精神に感動しながらも、やはりあまりの勘違いに苦笑いしてしまうのだった。

 子供相手に俺が〈対価〉って・・・好青年改め、ここまで来るともはや、面倒くさい男なんじゃなかろうか?


 何はともあれ、ルナのステータスだけは確認しとかなくちゃな、さっきの音と光は、あからさまなフラグっぽかったし。どれ、鑑定!


【魔力の泉】!

【ホーリーシャワー】!!


おお〜、ルナっち大当たりだよ、一気に2つもポケモ・・・いや、スキルゲットだぜ、サトシもビックリ、しかも何と一個は、攻撃魔法のサプライズだよ。ホント?と目に見えて喜ぶルナ、これまで後衛で思う所もあったのだろう、戦いに参加出来るというのが、よほど嬉しいらしい。よし、追い打ち(?)を掛けて喜ばしてやるか! 名前からして神聖魔法っぽいから、ゾンビに悪魔にスケルトン、それこそアンデッドの群れの真ん中にでもブチ撃ち込めば、すぐにレベルだってカンストしちゃうんじゃないの?


 すると、はしゃいでいるルナを横目に見ながら、ツツツとタカハシに近寄って来る人影、ティナである。小声で、

ちょ、ちょっと良いかしら?

なんだい、ティナさん?

さっきナンか、アタシに纏めて『ゴソッ』と飛んでったとか云ってなかった?

・・・う、う〜ん、あ〜、はいハイ! そうゆう事ね。ティナが怪訝な顔で、

「その、『ゴソッ』と飛んでったのって・・・?」

「うん、そのままゴソッとティナの・・・って、冗談、ジョーダン!」あまりのティナの深刻な顔に、さすがの俺も軽口を慎んだ、「心配ないよ、悪くなった魔力カスは俺が寸前で吸い込んで、その後スタッフ一同で美味しく頂いたから! だいたい魔法使いだったら、感覚で分かんだろ? 最後の魔力譲渡は、届かなかったって」

「そ、そりゃ〜、確かに・・・フンッ、確かめて置きたかっただけよ!」とツンデレな負け惜しみ。さあ、誤解も解けた事だし・・・

「じゃあ、今度こそ間違いなく魔物に撃ってみようか、」俺は恨みがましく頭頂部をさすりながら、「〈間違いなく〉、ね!」

 俺はそう念を押すと、ルナに新しい呪文を教えて、ティナにはどうぞお好きにと、そしてーーさん、ハイ、解除!

【ホーリーシャワー!】

 よし、聖なる光で弱体化させて、

【サンダー!】

 俺の結界をも脅かした、ヤバい電気屋さんかと見紛うばかりの、かわEくない雷攻撃!

 無線LANばりに便利なコンボだな、さっき杖で叩かれなかったら、コレが待ってたかも知れないのか・・・危ないところだ。

 魔物が消滅すると、魔石と一緒に、ドロップアイテムが現れた。神々しいまでの純白の杖だ、それを見て男性陣からは、あ〜とため息、女性陣は大はしゃぎ、しかし、一本だけなんだよな〜・・・

【鑑定】

 賢者の杖、と、ティナがガックシ、反応から見てルナにしか装備出来ないようだ。

 しかし、付与の効果が《経験値2倍》に、《魔法強化》って・・・更には先ほどの【魔力の泉】で、永久にMP切れの心配もなくなっちゃったし!

 こりゃマジで、ルナっち最強説あるかもな。

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