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初めてのお仕事㊵

よし、じゃあ次は黒服の魔女っ娘と白服の坊さんだ。

ティナです、と魔女っ娘。

坊さんじゃなくて、神官なのに・・・。分かった分かった、分かったから泣かないで! 『少女』に『坊さん』って、〈何ハラ〉だ? タク、年頃の娘というのも、扱いがヤッカイだ。

これから魔・・・ティナさんが魔法を使うで、坊・・・神官さんはMPの補給をヨロシクね。

分かりました。

 さ〜て、どんな魔法を見せてくれるやら。

じゃあ、停止を解くから、コイツを攻撃してみてくれる? スリー、ツー、いち、はい、

【アクション!】って違った、【解除!】

「行くわよ〜、見てなさい」お、何か気合い入ってるね〜。杖を構えて、「アリスッ!」ガク!

パリーン! その薄氷は、イカれ帽子屋の心よりも脆く、容易く魔物に破られてしまった。だろうね、〈アリス〉だモン。

「・・・ティナ、MP、オッケー」ボソボソっと、ちゃんとメシは食ってるのか神官さん。

「サンキュ、今度こそ仕留めてやるんだから! ナンダーッ!」なな、何だナンだッ!?

パチパチパチ・・・まるで小学校の理科室で、ジャイアントバットの頭に生えている産毛を、下敷きの静電気で逆立たせる実験のようだ。だろうね、〈ナンダー〉だモン。

「ティナ、MP・・・!」

「うぇ〜い、待て待て、ちょっと待て〜いッ!」さすがに見てられなくなった俺は、取り敢えず魔物に、

【ストッピング!】

 あ〜、ツッコミどころが多過ぎて、何から話して良いものやら・・・とにかく、『ナンダー』って何だ?

「アラ、先生は知らないの?」っていつから俺は先生に?「ナンダーって云ったら、雷魔法の基本でしょ!」何で得意気なんだ?

「そ、その呪文だけどさ、ひょっとして通りすがりの人からでも教わったのかな?」

「バカ云わないで、そんなのあるワケ無いじゃない!」そうですよね〜、って、なんか当たりが強くなってない?「ちゃんと魔法学校で習った、正式な呪文です!」心外だと云うように、「発音だって、綺麗だって褒められたんだから!」こうなると逆に、褒めたって奴に興味が湧いて来たぞ。

 ともあれ、魔力量はそこそこ多いから、連続で発射する事も出来るのだろうが、何と云っても威力が弱すぎる。他の冒険者もこの呪文を使っているのだとしたら、ひょっとして体質的に向き不向きという法則でも働いているんじゃないかと疑いたくもなる。

 そこで俺は、商人のロミオさんに試した事を、ここでも再現してみる事にした。

よし、それじゃとにかく、新しい呪文を試してみようか。

え、先生が教えてくれるの? ヤッター! はしゃいだ顔に、不覚にもドギマギしてしまう、マズい、心のどこかで声掛け案件、『お巡りさ〜ん、この人で〜す!』のフレーズが聞こえて来そうだ。

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