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非常事態⑦

でだ、官房長官はテレビを消すと、対面の総理へと向き直り、昨日の映像と、一昨日の映像、2つを見て、何か気付いた事はなかったかね?

気付いたと云われましても・・・岸谷総理は眉間にシワを寄せると、まあ、還暦にもなって、平日の昼間から公園で酒を飲んだり、果ては子供みたいに何でも力任せなところから見て、このタカハシっていう男は、随分といい加減と云うか、元来が幼稚な人間なんでしょう。

まあ、それは間違いないだろうがな、だが、俺が云ってるのは奴の表情の事だ、最初、穴に引きずりこまれそうになった時の、奴の表情を覚えてるか?

ええ、必死でしたね。

そうだ、どう見ても10万トンの建築物を、中の人間ごと200キロも飛ばした悪魔には見えねえだろう? ところが、たった1日開けただけの昨日の表情ときたらどうだ! 顔こそは同じで貧相なままだが、デイダラボッチやパトカーを持ち上げる顔は、それこそ自信と確信に満ちた顔をしていたじゃねえか!

それって・・・?

ああ、奴は自信を付けたんだ、それも・・・たった1日で、バケモンみてえなデタラメな自信をな!

だとしたら、彼にいったい、何があったと云うんでしょう?

俺も古い人間だし、きょう日の流行りには疎いからな、だから若い進次郎を捕まえて訊いてみたのさ、タカハシが公園で消えた、さっきの映像を見せてやってな、そしたら進次郎の奴め、何の躊躇いもなく答えるじゃねえか、『これは勇者召喚です!』って。

勇者?・・・召喚?

ああ、何でも七光りの奴の云うには、どこぞには俺らの国とは全く違った文化を持つ別の世界が在って、その国が危機に陥ると、迷惑にも魔法を使って、コッチの人間を攫っていっちまうんだそうだ。

そんな話を、まさか信じるんですか?

オメーだって、ほんの1時間前までは、超能力なんか信じてなかったろ? おりゃ〜頭は硬いが、それが事実だっら、どんな突飛な事だろうと信じるようにしてるんだ。

だからこの際、全ての常識を度外視して、あらゆる要素も考えなきゃならん、バカ息子が云うには、召喚された人間は、その時点で自動的に、神や悪魔にも等しい力を授かるそうだが、その力を振るえるのは行った先の異世界限定で、更には行った人間は片道きっぷで、二度と元の世界には戻って来れないというのが定石らしい。

まあ、そんなバケモンみたいな奴に、帰って来られても困りますしね・・・アッ!?

そうだ、帰って来ちまったんだよ、ヤツは! しかも向こうで貰った力を、返さないまま、再びコッチに帰って来やがったんだ!

そんな・・・じゃあコレは、序章に過ぎないと?

ああ、行ってからたった1日で帰って来れたんだ、2度目が無いと考える方が不自然だろう、呑気な地震予想のように、とても俺らが消える30年先まで、待ってくれるとは思えないしな。森官房長官は席を立つと、

次にタカハシが現れた時の為に、早急に新しい省庁を設けて、何らかの対抗手段を練らねばならない、俺たちには2度目は無いんだからな!

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