表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/248

初めてのお仕事⑱

 さて、あと30分で笛が鳴るというのに、未だに採れた薬草はと云えば、ショウちゃんが見つけた1本きりである。

 地道に続けていれば必ず何とかなると、盲滅法な努力を続けていたタカハシにも限界が来た。

【ウルトラサーチッ!】

 桜林で妖精たちから貰ったポーション草をイメージして、それらしい呪文を唱えると、たちまち隠れていた薬草たちが姿を表した。それは白いキャンパスに点々と墨を落としたような、実に分かり易いナビ画面であった。

 しかし現場へと向かうと問題発生、薬草たちは鋭い棘を持つ茨の群れに守られていたのだ。もしやと他の場所も当たってみると、やはり同じように小癪な城壁で守られているではないか、なるほどな、真珠欲しけりゃ、深い底まで潜らにゃならない、という事か・・・


「なんでわざわざ、こんな厄介なとこを探さなくちゃなんねえだい?」

 ここが怪しいと、タカハシが皆を呼ぶと、さっそくトミちゃんが文句を云ってきた。指で茨をツンツンしながら、ヒッと云って、慌てて指を引っ込める、大げさな。

「厄介だからこそ、だよ!」と俺、「俺たちはもう結構なエリアを探したろ? なのに収穫はショウちゃんの1本だけだ、だけど、1本だけ生えてるってのも、何か不自然だと思わないかい?」

「まあ、近くに同じように生えてると思うのが自然かな」と分かってらっしゃるクリちゃんさん。

「そう! そこでだ、ショウちゃんが見つけた場所を中心にして、俺はこんなカンジの怪しい場所を、何と4つも発見したんだ!」

 そう云うとタカハシは、ビシッビシッと目星を付けた場所を順々に指差してゆく。そこには同じような形をした、茨に覆われたドームが。

「誰か、今指した場所を探した人は居るかい?」

「・・・」すると全員が黙り込んでしまった、まあ無理も無い、出来れば誰だって、そんな厄介な所は避けて通りたいだろう。タカハシの感知能力を使うまでもなく、皆が薄々気付いていた事ではなかったか?と、ここで、

「わたしは行かないわよ、」まるで先手を打つように、「云ったでしょ、わたしには仕事なんて、帰りの時間までの無駄な時間だって。だからわたしの事は気にせずに、どうか4人で進めてちょうだい」

 すると、堪忍袋の緒が切れたトミちゃんが、

「おい、とっつぁん、やっぱコイツ、ぎゃふんと締め上げてくれよ、こんな跳ねっ返り、おりゃ見た事もねえだ、こんなナマイキなあまっこにゃあ、一度痛い目見せてやった方が良いんだべ!」

 しかしシノちゃんはフフンと鼻で笑うと、

「怖いからそんな事云ってるんでしょ? そんな意気地なしの底辺の人間に何を云われたって、気にもならないわ、怖いなら止めれば良いでしょ、そして年下のリーダーに殴られて、泣きながら帰れば良いんだわ!」

 俺とクリちゃんが説得するよりも、シノちゃんの挑発は恐らく100倍の効果があった。

「こ、こ、こ・・・この、あまっこがーっ! たまたま良い職業が当たったからって、あんま無職を、ナメんじゃねえぞーッ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ