表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/248

初めてのお仕事⑤

「いったいなんの騒ぎだ!?」

 門衛たちが爆発音と煙に驚いて、持ち場を離れて集まって来た、当の魔女っ子は、何が起きたのだと訊かれても、わんわんと泣くばかりで埒が明かない、おい、しっかりしろ、お前は冒険者だろ!? 焦れた門衛に肩を捕まれ、身体を乱暴に揺すぶられると、ようやく顔を上げ、恨みがましい目で遠くを睨む、そして見つけた、ただ一点だけを確信を持って指差す、俺がそそ〜っと横にスライドすると、魔女っ子の小さな指も、それと一緒にそそ〜っと移動した、それを二三回繰り返すと、不審に思った一人の門衛がコチラへとやって来て、俺の顔を見るなり、ヒャッと小さな悲鳴を上げた。

 門衛の男は明らかに俺を意識しながら、しかし決して目を合わせようとはせずに、おい、この派遣会社のリーダーは誰だ?と訊いて来る。はいはい、俺ですけど、とナベちゃん、どうかされましたか?

「・・・行っていい」

「え!?」

「通っていいぞ」

「でも、まだ、点呼も荷物検査も・・・」

「そんなものは、どうだっていいんだ、さっさと行けっ!」兵士はじれったいと云わんばかりに声を荒げた。

「は、ハイ、すみませんでした、」ナベちゃんは訳が分からないままに皆を振り返ると、「おい、お前らぐずぐずすんな、行くぞっ!」

 順番を無視して先に行く俺らに、回りの派遣から不満の声が上がった、しかし門衛は腰の剣を引き抜くと、文句のあるヤツは、前に出ろ!と男らしい声で云ったので、騒いでいた連中は度肝を抜かれて、続きの声を飲み込んだのだ。そして俺に近付くと耳元で、あの魔法使いの小娘が粗相をしたのでしょう?と決め付けて、ギルドに報告して、然るべき処分を下しますので、今日のところは何卒ご容赦下さい!

「あ、ああ、」俺は云って、「ひょっとして、昨日の晩の・・・見てたのね?」

「はい、」神妙な顔で、「初めから、終いまで!」初めも気になるし、だからと云って、終いもというのも気になるのだから狂おしい。そして、「全てこちらで処理しますので、どうかミノス様に宜しく」

 どうやら俺のポジションは、そうゆう事(?)になってるらしい、これが兵士たちの間でどこまで広まっているかは知る由もないが、とにかくこの門衛に限っては、どうゆう勘違いからか、モフ耳団長と俺が親密な関係であると信じているらしいのだ。人目を憚らずに、団長のモフ耳をモフモフさせて貰った事と関係があるのだろうか?

 しかし、モフ耳団長の影響力たるや、絶大なものだな、知り合いっぽいっていうだけで、王都の出入りもフリーパスなんだから! ウン、やっぱ敵に回さなくて良かった良かった♪


 あれだけ泣いていた魔女っ子は、今はケロッとした表情で、何やら門衛や兵士たちに事情を説明していた、その会話の途中で何度も何度も俺を指差すものだから、俺は女の執念深さに、ほとほと困惑するばかりであった。

 だいたい、先に仕掛けたのは魔女っ子の方ではないか、前世の憧れもあって、ただただ無邪気な思いから見つめたこの俺を、何も聞かずに殺すってのは、万国共通で間違ってはいないかい? そりゃあ、光速で飛んで来た石は怖かったろうケド、君が僕らにしようとした事だとて、似たりよったり、なんならもっと酷い事だったのだよ、この機会に人の痛みも知って、やがては立派な魔女っ娘、否、一人前の美魔女になろうじゃないか!


 そして期待を込めて振り返ると、やはり魔女っ子は、今度は呪うような目つきでタカハシを睨みつけていたのである・・・ちょっとユ〜ウツ♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ