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初めてのお仕事④

 タカハシの心配をよそに、成人男性7日分の塩分を、剥き残した殻もそのままに、一気に腹へと摂取したトミちゃんは、いんや、コリャ最高だわ〜、と水をガブ飲みしながら、至福の表情を見せている、まあ、本人が喜んでいるのだから、きっと問題もないのだろう、恐らくこの世界の住人は、軟弱な異世界人が驚くほどに、丈夫に出来てるんだろうと片付ける。


 その間に幾つかのグループが門から排出され、ようやくウチらの順番も近付いて来た、すると、お前らはここで待ってろ、と云い残して、ナベちゃんとカナタは2人だけで詰め所の方へと歩いて行った。リーダーのプライドで、門衛にへつらわねばならない幾つかの段取りを、離れた場所で済ませてしまおうという考えだ、魚心に水心、それを納得している門衛もまた、何らかの心付けを受け取っている筈だ。まあ、ありがちっちゃーありがちな、悲しい派遣アルアルである。


 さて、そんなワーキングプアの混乱をよそに、通常の大門ではなく、その脇に設けられた小さな門から、悠々と出てゆくグループもある。気になって、トミちゃん、アレはなんなの?と訊くと、ああ、ヤツらはギルドの冒険者だっぺ、身分証やギルドカード持ってる奴らは、ああやって優先してもらえんだ、って、ファストパスかよ! え、ギルドって事は・・・じゃあアレって、冒険者のパーティー? ああ、俺らと違って、ギルドからの正式な依頼を受けてる連中だ、そう云ったトミちゃんの声には、羨望とも憎しみともつかない響きがあった。でも待てよ、パーティーって云ったら・・・

「! あ、やっぱ魔女っ子も居るじゃん!」

「バカ、とっつぁん、指を差すなって!」とコリャまたトミちゃんらしからぬ、マジメな言動だ。

「え、どうして? こんだけ人が居るんだから、分かりゃしないって!」

「とっつぁん、魔法使いをナメたらアカン、連中は視線に敏感だべ!」

「はは、何その、敏感肌みたいな言い訳・・・って、あ!」

「どしたよ?」

「見てる」

「え?」

「コッチを見ている・・・」

 瞬間、魔女っ子の足元から何かが浮いて、ヒュッとコチラに飛んで来た、マジかよ、石を飛ばしやがった、俺は平気だが、隣のトミちゃんが巻き添えを喰うだろう、そして回りの人間も・・・クソ、どうしてコチラの住人は、こうも後先考えずに動くんだ? 俺は風魔法で【ストッピング!】そのまま結界で包むよう、石を【コーティング!】仕上げに光魔法、【光速ピッチングーッ!】で魔女っ子のとんがりボウシの上に、光の速さで返して上げた。

 固い石を組んだ、5メートル幅の城壁に、直径2メートルほどのキレイな風穴が開くと、門番はもう本来の仕事どころではなくなってしまった。

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