『清和天皇即位を予言するわらべ歌の速記』速記談1003
清和天皇が立太子あそばされたのは、誕生からわずか九カ月のときであった。これに先だって、童歌がはやった。「大樹の枝を越え、走り越え、踊り越え、私の田でタニシを食うシギよ」というような内容の歌で、時の文徳天皇の四人の皇子のうち、三人の兄を越えて、第四皇子が位に就くという意味だろうとうわさされたが、それもこれも、この歌が速記で書きとめられていたからである。
教訓:第一皇子である惟喬親王は、母が紀氏であったことから、藤原良房の娘の子である第四皇子に抜かれる結果になったとされる。在原業平は、惟喬親王の臣として知られる。