第九十二話
まずい、寝ちまってたな…
ってかここどこだ?
周りを見回せば、白い天井、明るすぎる蛍光灯が目に入る。
あ、穹が横にいる。
寝ちまってんじゃん。
なんでここにいんだろ。
「穹ー。起きてよ。」
「うーん黒羽…黒羽!起きたの?」
なんでそんなに泣きながら抱きついてくるんだよ。
「大丈夫?何かあったの?てか今何時?」
「4時だよ!」
「4時って…16時のじゃなくて?」
「ちょっと待っててね黒羽。医者呼んでくる!」
俺は、学校の準備をしようとした状態で、寝落ちしてしまい、そこからまた、20時間近く寝ていたらしい。
「おー、起きたのか!」
「はい。」
「そこの彼女さんすごい心配してたんだからね。後で構ってあげなよ?」
横を向けばふいと顔をそらされた。
「で、なんで俺はそんなに寝てたんですか?」
「それなんだけど、君の脳すごいね。常人ならもうとっくに焼ききれてるような情報量のものを1日4時間だけとは言えど使えてるんだよ。」
「その副作用としてずっと寝てるってことですか?」
「うん、そうだね。で、相談なんだけど、君は多分このままだとこんな生活を送ることになる。で、そこなんだけど、ゲームの中では寝なくていいでしょ?」
「だから、できるだけそっちで過ごしてってことですか?」
「うん。今はまだ耐えてるけどいつ君の脳が焼き切れるとも限らない。」
「わかりました。」