第二話
「宿題はやりなさいよ。あんたの場合地頭は化け物なんだから…。」
家で穹が話しかけてくる。
用事があるって説教かい。
「別に成績はいいしだめなの?」
「そうじゃないんだなー。」
ちゃんと入試はトップ入学で今まで全てのテスト満点だし。
完全記憶。
これが俺の頭の良さの種で、今までに体験した全てを正確にトレースすることが出来る。
それは嫌なこともであり困る時もあるけど。
「で、説教するために呼び出したの?」
「あぁごめん。本題は別のことでさ。私ゲームやってるんだけどそのパーティーの人が抜けちゃってさ。代わりにやってくんないと思って。」
「わかったよ。いいけどさ、どんなゲーム?」
「ディープシティ」
そう一言穹はつぶやく。
VRゲームとは違うのかもしんないけど最近はやりの、自分で体感できるタイプのやつね。
「で、どんな職業の人が抜けたの?」
「アタッカー。」
そりゃ補填がいるわ。
「で、今のそのチームの状況教えてくれない?」
「私が詠唱者で、回復とか大きい魔法かな。で盾使いが1人、中距離の銃使いが1人って感じかな。」
「で、そのチームはいまどのくらいの順位なの?」
「トップ。」
「よし、ちょっと辞退しようかn…」
『わかったよ。いいけどさ…』
この人怖い。
「で、もう1回聞こうか。」
「わかったよ。入ればいいんでしょ。けど俺絶対そんな強くないよ。」
「大丈夫、黒羽なら絶対上手くいくから。」
普段ならその信頼嬉しいんですけどね…。