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天の子  作者: 夢樹明
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塩を作って見よう

 天文18年 (1549年) 6月初旬


 朝起きて、ご飯を食べた。天文屋に来て良かったことは、ご飯が、美味しいことだ。ここで、料理を作っているのは、キム‥‥じゃなくて、金太さんという人が、作っているからだ。

 金太さんは、秘密だが、お婆と一緒に、大陸から来たと、言われている。

 金太さんの元では、料理を学ぶために、多くの人が働いていて、何人かは、天文屋の系列の飯屋や屋台で、働いている。


 金太さんも、日の本に来て、調味料に苦労しているらしい。


 まぁ、当たり前だけど、城持ちの三郎兄上でも、良く食べるのが、玄米の湯漬と漬物がほとんど、たまに出る魚は、焼くか、煮るか、蒸すかの、どれかになる。

 城で、腕を振るう料理人は、流派とか、秘伝とかもある、格式高いものになっているのだが、三郎兄上は、ただただ、旨いものを食べたいだけだから、わざわざ天文屋系列の食事処に通うようになっている現状がある。


 城で、金太さんの弟子を雇えば、という話しもあったのだが、城の厨房を任されている親方が、そんなことになれば、腹を切るという騒ぎになり、話しは立ち消えになった。


 だが、諦めの悪い三郎兄上は、家臣の三男四男の内、やる気のある者を何人か、金太さんの厨房に送り込んで来た。

 だが、料理に関して空気を読まない金太さんは、働きに来た者は、最初は、下働きから始めるので、幾人かは、すぐに止めてしまった。

 三郎兄上は、金太さんのやりたいようにと、珍しく静観しているようだ。それだけ金太さんを認めているのだろう。

 まぁ、最初に金太さんを引き抜こうとして、揉めることになって最後には、父上の信秀様に諌められて、なんとか収まったんだけどね。


 生姜、ニンニク、大葉(シソ)、山椒、唐辛子等、入手できる物を使って美味しい物を作ってくれる金太さんの為にも、協力は惜しまない。


 ということで、塩を作ります。塩なんて、海水蒸発させたらできるだろう!


 と、安易に考えてる人もいると思うけど、これが以外に難しい。


 まずは、ある程度の広さの砂浜、これは、満潮になっても水没しない、させないように周りを囲ったりした場所に、海水を汲んで来て、柄杓で砂の上に海水を撒いていく。そして、乾いたら、また撒いてを繰り返し、その撒いた砂の表面を樽ような入れ物に入れてから海水を注ぎこみ、砂を濾して、塩辛い水を作ってから、それを煮たてて、やっと塩が出来上がる。


 だけど、この時代、海の近くの住民は、塩を買ったりしない。

 なぜなら、海水を煮て、少量の塩を作っていたからだ。

 

 だからこそ、大量の塩を売る為には商人たちが必要で、塩は、戦略物資でもあった為、領主の許可も、必要になるのだ。


 確かに、米を作るより儲けることはできるけど、塩作りは、重労働だし、良いところは、領主と商人に持って行かれるので、塩と言うのは、いつでも足りない状態が続いているのだ。


 都と言われる京都でも、海が遠く離れた場所なので、濃い味ではなく、風味を大事にした料理が発展した理由の一つなのかも知れない。


 

 とにかく、もっと簡単に、疲れない塩作りを始めよう。


 預かり場、出身の何人かに、浜辺に作ってもらった物は、簡単に言うと、少し斜めの馬防策、それに竹の枝を上から下に幾重にも並べた壁です。


 見た目、竹箒をズラリと、並べたような感じかな、竹の枝は、地面に付かないようにスペースを開けて、そこにタライのような桶を置いて、準備が出来た。


 そして、海から海水を汲んで来て、柄杓で、竹枝にぶっかける。かかった海水は、枝を滴り落ちていく。どんどん海水をかけていき、タライに落ちた水も、ある程度溜まったら、桶に移して、またかけて、海から汲んで来た海水も続けてかけて、

 そう、竹の枝に海水が、かかって、流れ落ちていくことで、水分が少しずつ蒸発して、塩分を濃くしているのです。

 

 濃くなった海水は、煮ると塩の結晶ができてくる。できた塩の固まりは、ザルですくって乾かせば、塩の完成です。


 水分を完全に飛ばさないのは、残った水が、苦汁になる。

 苦汁は、豆腐を作るのに使うし、肥料にもなるから、そちらも別に貯めて置く。


 お爺に報告したら、目を剥いていた。


 でも、すぐに立ち直って、本格的な運用を考えいた。お爺は、流石だ。


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― 新着の感想 ―
[気になる点]   [一言] 山椒より山葵のほうが刺身にも使えていいのではないでしょうか? 鉄の円筒に刃立てして井戸を堀り手押しポンプ作ったら 塩つくりにもつかえると思います。
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