古渡城再建 ~の許しをもらう
天文18年 7月中旬
こんにちは、天丸です。
明るい未来とのんびり生活の為に、一歩として、古渡城の入手を決意。
半三には、念のため信秀父上周辺を調べてもらう。
そんなに大袈裟なことではなく、ちょっとした噂を集め、欲しい物とか、機嫌がいいかとか、足りない物はないかとか、細かく調べる。
三郎五郎信広兄上は、最前線の為に、兵量に酒や武器、資材の調達、支援なんかを柱に話しを進める。
三郎兄上は、わかり易く、甘いもの好きで、新しい物好き、ついでに、お爺とも仲がいい。
土田御前や女衆ことは、お婆にお願いしてと、万全の態勢で、望んだところ、これが以外にも、あっさりと許可されました。
現在、僕は、末森城で、かかさまと久しぶりに、まったり過ごしています。子供全開で、甘えています。
三河、安城城を任されている。信広兄上は、兵量と資材の調達で、納得してくれたそうで、戦のときの支援も約束し来たそうで、戦に干渉する口実にも使えるし、グッジョブ!
三郎信長兄上は、クッキーを甘焼き菓子、更に鉄砲、玉と火薬つきを献上することで、一発で承諾してくれた。
そして、本命の父、信秀は、さすがに甘くなく、献上品と、年間500貫で、借りることができました。
もう一つ、条件として、僕の名前を使うこと。
織田弾正忠家による再建開発として、力を示す意味合いもあるので、都合がいいのだろう。
もちろん、何らかの手柄を立てれば、改めて褒美として賜りることもできるとのこと。ただ、他の者の褒美にかも知れない。
だから、そうそうに手柄を立てる必要もある。
土田御前は、難色を示すが、お婆が事前に話しを通していたことで、押さえることができた。
さすがに、お婆は、偉大だ。
信勝兄上には、大和の刀を献上した。
鉄砲や刀については、半三の伝手を使って手に入れることができた。結構高くついたのではないかと思っていたが、砂糖の壺のいくつかで、手に入ったそうだ。
まだ、一月もたって無いけれど、砂糖と塩は、かなり売れ筋で、儲けも飛んでもないことになっている。
西は、堺、東は、駿河、小田原へと、人気の商品になる。
特に砂糖は、黒糖と違い、淡い色合いから、黄金糖と呼ばれて、更なる高値を呼んでいる。
ただ、一方的に売って帰ることも出来ないので、銭の他に、穀物やその地方の産物、鉱石、鉄なんかも交換して来て、熱田は、更なる好景気になっている。
古渡城については、お爺たちに、ほぼ、丸投げして、かか様と、まったりしている。
土田御前からは、何も言って来てない。まぁ普通は、数え4つの童に文句も言えないと思うけど、かか様のように、身分は低いけど、若い側室は、八つ当たりしそうなものだ。
けど、お婆のお陰で、それもない。
若い、かか様が、僕を産んで、次がいないのに、一回り程違う土田御前が、市、続けて、犬を産んだ。
これは、お婆の淑女のたしなみの成果だろう。
なぜか、かか様は、知らないみたいだ。親心なのか、謎である。
と言うことで、久しぶりに、かか様に甘えて、まったりと、のんびりしていたら、お爺に呼び出されてしまった。
かか様は、僕を離したく無いと、反対するのかと思っていたら、甘焼き菓子と木綿の反物、針と糸、読み物本と大量の藁半紙をもらって、あらあらと、笑顔で僕をお爺に渡した。
ちょっと落ち込みながらも、お爺から、古渡城の様子を聞く。
廃城になったり、城下町が、壊滅的打撃を与えられても、人が、まったく住んでいない訳ではないようなのだ。
実際には、末森城下に、多くの人が移って行った。
だが、全ての人々が、移れた訳ではない。酷いケガをした者、老いている者、親を無くした子供たちが、身を寄せ合い暮らしている。
当然のことだが、追い出したりしない。人手は、足りてないのだ。
最初は、儲け抜きに開発を進めていく。仕事をしたら、飯を食わせる方針で進める。
瓦礫の片ずけから始める。
力仕事の厳しい者には、そうでない仕事を、俵や草鞋も、縄にしてもいくらあっても足りない、飯を作る者、細かい仕事も沢山あって、しばらくなくなることはないだろう。
子供たちについては、預かり場に移動してもらって、読み書きくらいは、覚えてくれたら、都合がいい。
僕に取って、都合がいいだけ何だけど、育って味方になって欲しいと思います。
古渡城下は、天文屋の関係で、徐々に働きに来ている人足が、増えて来ている。
普請の話しは、徐々に近隣に、広がって来ている。
僕としては、今、上手くいってると思う。まだまだ、足りないこともあるけれども、将来的に、のんびりできるように、ちょいちょい、思いついたことを試してみよう。