ご飯と城取り
朝ごはんが、美味しい天丸です。
玄米か雑穀、豆腐、納豆、魚の干物、漬物に、根菜の煮物、味噌汁、そして、魚の骨揚げ。
僕の一押しは、骨揚げです。三枚に卸した魚の骨を、少ないけど、油で揚げて、塩をふる。もちろん二度揚げです。バリバリいけます。
ただ問題は、数え4つのお腹には、そんなにいっぱい食べらないこと、それを抜きにしても、
金太さんには、本当に感謝です。
お爺も、骨揚げを気に入ってバリバリ食べている。
もともと、ただ捨てるだけのものを、高価だが、少ない量の油で揚げて、塩をふっただけのもの、これを好きな者も多く、お婆の店のまかないに、預かり場のおやつに、酒の肴に、もちろん、魚の身の方は、料理に、干物に、無駄なく使い切っている。
海では、新しい網を使い始めました。小魚は、海水で煮て、干して、煮干しを作ってます。
アジ、サバ、さんま、季節の魚を食べ、加工して、商材にしていく。イワシは、食べるし、干鰯として、肥料にもしていく。
それだけではない、貝の加工も当然している。お爺も、干貨を知っているから、そこら辺は、問題ない。昔、中国では、干したアワビなんかを、貨幣替わりにしたこともある、高級食材を干貨と言う。
それに、忘れていけないのが、鰐だ。と言ってもこの時代、フカ、サメのことだ。サメは、もちろん、フカヒレを取って、ポイではない。サメの肉は、アンモニアが含まれているので、かなり腐らずに持つのだ。
お爺には、信楽に行くときのお土産に進めておいた。半三も、伊賀に行くときは、持たせようと思う。半三には、最初、殿を付けていたけど、家臣に、敬称など不要と、固辞されて、呼び捨てになる。
そんなこんなで、今、熱田の周辺は、徐々に好景気に湧いていて、常に人手不足に陥っている。
お爺から、真剣に相談があると、呼び出される。
奥の部屋に、お爺、お婆、半三の3人が、待っていた。
四つ葉が、お茶を置いて部屋を出てから、お爺が、前置き無しに話し始める。
「困っている。砂糖を作るに、今以上は、秘匿できんだろう。今でさえ、怪しまれ始めておる。どこかに、秘匿できる、大きな作業場を手に入れるしかないが、そう上手い場所もなくてな」
お婆「いっそ、近くの島にでも行くかい」
お爺「だが、原料を運び込まねばならん目立つだけだ」
半三「警備に、人を増やすのも手ですが、余計に目立つことになりませぬか」
「「「う~ん」」」
天丸「それは、広くて、作業をしても目立たずに、秘密を守るに容易い場所。街道沿いで、更には、人足の住みかを建てる土地や原料の畑も近い方が、直良し」
お爺「確かに、それだけそろえば、言うことも無いな」
お婆や半三も、頷いている。
天丸「そして、なにより熱田に近い場所」
お爺「そんな場所、検討もつかんな」
3人とも、首をかしげている。
天丸「古渡城はどうかと」
皆、虚を突かれたように、動きを止めている。
皆、確かに、古渡城ならば、言うことはない。
だが、古渡城を手にすることは、できるのか?
答えは、織田信秀、信長を納得させれば、可能となるだろう。
そもそも、古渡城が、廃城となったのは、主に2つの理由がある。
1つ目は、末森城を築城していたこと。これなよって、古渡城よりも、今川への備えを迅速に行えること。
2つ目は、城下町が、灰塵に帰したこと。これにより、古渡城下の経済基盤が、崩壊したこと。
つまり、利用価値が、著しく低下したことである。
落城は、しなかったが、城も、かなりの損傷を受けていて、修繕するよりも、使える資材を末森城の拡張に使うという、合理的な考え方ができる、織田弾正忠信秀と言う稀有な人物だからこその、廃城という判断なのだろう。
つまらない面子を気にする人物なら、城や城下町の再建をして、自らの首を絞めることになっただろう。
とはいえ、そう簡単に、廃城したのだからと使わせてもらうことは、難しいだろう。
だから、根回しの為に動く必要がある。少なくとも、父である、信秀、更に、兄、信長には話しを通して置かなければならない。
確実に進めるなら、土田御前と織田信勝や織田三郎五郎信広にも必要だろう。
これは是非とも成功させたいので、お爺たちと、対策を相談しょう。