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プロローグ~学園都市の片隅で~

はじめまして。初めて、こういったジャンルの小説に挑戦します。なにぶん拙い描写力ゆえに、もどかしい思いをさせてしまうかもしれませんし、更新も極めて遅くなります。気長にお付き合いいただけると幸いです。特別、残酷な描写も、過激な描写も無い、安全な小説を目指しています。

風が冷たくなってきた。

9月も下旬となれば、北海道はあっという間に秋になる。


特に、内陸部にある僕の住む町はその傾向がはっきりしていて、今朝の最低気温も、きっと本州に住んでいる人から言えば考えられないくらいに寒い。


息が、白く空気中に浮いている.

そんな感じ。


僕の住む町、雪凪市は人口8万人くらいの小規模な町だ。ただ、JRを使えば、1時間もかからずに人口100万人の北海道で一番の大都市、札幌に出られることもあり、生活全般に不便を感じることもない。


そもそも、高校生の僕にとって、札幌は、臨時収入や、長期休暇中のアルバイトでもしなければなかなか行かない場所だし、この街にも中規模程度のショッピングセンターもあれば、映画館やカラオケボックスにゲームセンターぐらいは揃っている。


だから、この街は適度な住みやすさもあり、北海道でも人口増加率が衰えていない町として知られている。


そして、もうひとつの特徴。


僕が生まれたころから、誘致活動を行っていた国立の大規模な学園構想計画の誘致が、僕が小学3年生のときに決定し、市内中心部から15分ほどの丘陵地帯に学校施設が造成され始めた。


丘陵地帯は、北海道では珍しくもない自然林で、さまざまな野生動物が生息していて、さまざまな種類の草花が自生していたこともあり、建設計画の段階から、それらの自然と近代的な学術施設の融合をどのように図っていくかが主要課題とされていた。


その課題は、さまざまな紆余曲折の結果、建築工学の粋を集めてクリアできたそうだけど、今の僕には、まだ理解できない。


ただ、毎日のように、丘陵地帯に施されたレンガ敷きの通学路をゆっくりと歩いていると、きっと、大変な予算をかけて作られたんだろうなぁと言うことだけは、理解できる。


歩きながら、歩道をアーチ上に飾るミズナラの隙間から空を見上げたら、そこには雲のひとかけらも無くて、空はどこまでも澄み渡っていて。


少し、立ち止まって、空を見上げていたら、冷たい清冽な空気と風の中に、柔らかな甘い香りが混じってきていた。


「どうしたの、蒼夜そうや?今日も、空を見つめているんだね。」

少し掠れた感じの、おっとりした、柔らかい声。

音色にたとえたら、古い木管楽器の中音域のような、そんな感じ。

甘さや優しさや、寂しさを蓄えたような、どちらかといえば、熟成されて芳香を放つような、そんな声。


背後から感じる気配には、バニラ系の柔らかな甘い香りが混じっている。

聞こえた声の位置は、僕の身長が178センチだから、ちょうど、肩甲骨の辺り。


そして、、、


、、、キュッ、、、


背後から、伸びる柔らかな両腕が、僕の、心臓あたりで結ばれる。


「うん。空を見てた。愛真えまに会うために。」


僕は、彼女の名前を呼ぶ。


まわされた、彼女の手のひらに、僕の手のひらを重ね、彼女に温もりを分け与えながら。


いつもの、通学路。

でも、いつも、同じ風景は見せない、通学路。


学校生活、、、というよりも、日常生活の中で、彼女の存在が日増しに大きくなってきていることを、毎日のように気がつかせられる瞬間。


さぁ、今日も一日が始まる。








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