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事件の結末

「誠に申し訳なかった」


 ギオンは深く頭を下げた。


「いえいえ、お構いなく。私も反撃をしたので」


 ベッドに座るナルは、手を振りながら言う。


「本当に大丈夫ですから。頭を上げてください」


 そう言ったのは、六回目の謝罪だからだ。

 騎士の部隊長、騎士団の団長、暴行をした騎士二人、助けず見ていただけのニア。

 ナルは今回も困り顔だった。


「そう言ってもらえると有り難い」


 ギオンは珍しく酒を持っていない。そして髭や髪を整え、服装も新品のようだ。

 イケおじの姿に「おー」と声を漏らしていた。


「今日はお酒を持っておられないのですか?」

「ん? あー、そうだな。流石に謝罪に持って来れないだろう?」

「ンフフ。確かに」


 ギオンは会話が終わり、沈黙が気まずかった。


「……俺は騎士科を卒業して、国に戻った」

「ん? はい」


 すると昔話を語りだした。


「主席だったこともあり、王女付きの騎士に抜擢された。まあ色々あって、王女は殺された」

「っ!?」


 声のトーンが変わらず、突然の出来事に驚く。


「それがトラウマでな。騎士の癖に、戦うことに怯えている。酒なんかは現実逃避の材料。

 長い、悪い、夢を見ているようだ」

「…………」


 ナルは、何を言ってを良いのか分からず、口を閉ざす。


「何が言いたいかというと、お前と王女が重なった」

「重なった?」

「似てるんだ。特に鋼のように、強い心とかな。

 最近は特に多い。そのせいか、頭痛が酷い」

「あー、すみません」

「ンハハハ! せめて笑ってくれ」


 ギオンは天井を見上げて笑う。


「まあ昔話しさ。

 それでは、色んな奴らが待ってる。スターやジア、ニアたちがな。早く良くなってくれ」

「はい。ありがとうございました」


 そうしてギオンは去っていった。



「失礼します。ナル様、職員の皆様がーー」


 すると部屋に、数十人が流れ込んで来た。


「ナル様!」

「す、凄い傷だわ」

「何をやっておるんだ騎士どもはっ」


 全員が重症のナルを見て、怒りをつのらせていた。


「皆さん、ありがとうございます。

 ですが大丈夫ですよ。顔に傷はないですからね。

 ンフフ」

「そう言ってナル様はっ」

「ご自身がどれだけ危険なことをーー」


 怒りの方向は、ナルの失言へと向かう。


「皆さん言ってやってください。この人は、自分のことを適当にしているのです」


 レノも腕を組み、珍しく怒りを見せていた。


「あれー、こんなことになるとは……」


「精霊様。本当にこれで良かったのですか?」


 ハーレムちゃんの部屋。

 机には大量の記録書類。


「んん? 何が? ナルちゃんが怪我したこと?

 それとも第三皇女テラシアの暴走を止めなかったこと?」

「全部です」

「大丈夫よ。獲物はかかったわ。後は釣るだけよ。

 大月後の建国祭、用意は出来ているわね?」

「はい。どれ……服とメイク道具も用意出来ております。

 そしてオルデラン様から、例の物も用意頂きました」

「うんうん。それじゃあ、問題ないわね」


 レノは顔を曇らせる。


「大丈夫よ。任せて頂戴」

「……御衣」

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