表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

レオ

相も変わらず稚拙な文章で申し訳ございません。

寝る前に少し書きたくなってちょちょいと思い付きで書いた話ですので誤字脱字等ご容赦くださいませ。

レオが泣いた。


その衝撃は一瞬で全校に駆け巡った。

僕らのクラス5年2組では、いつもお調子者の勇太がバタバタと足音を立て全速力で教室に飛び込んできて大声で叫んだのだ。


レオは僕と同じクラスの幼馴染みで物心着く頃から仲良くしている親友だ。


レオは身体が大きく昔から誰よりも強かった。柔道をしており自分からは決して手を出さずいつも弱い方を守るように行動する奴だった。

そのため上級生から目をつけられることも多く、よく6年生と喧嘩しては返り討ちにしていた。


僕の小学校ではレオの無敗神話を知らない者などいなかった。


そんなレオが泣いたとなると全校に走った衝撃はとんでもないものだった。

一体何があったのか。なぜレオは泣いたのか。誰が倒したのか。皆興味津々だった。

僕もレオが泣いた所なんて見たことがなかったため何があったのか気になった。


昼休みが終わって5限目が始まってもレオは教室には戻ってこなかった。


まだ皆はレオがなぜ泣いたのかという話題で盛り上がっていたが、僕は流石になかなか戻ってこないレオが心配になっていた。

レオは大丈夫なのだろうか、大きな怪我でもしたのだろうか、そんな心配をしながらそわそわしていると6限目が始まる直前にレオが戻ってきた。


教室が一瞬ワッと沸き立ったのがわかった。


僕はホッと胸を撫で下ろしたがよく見るとレオの頭に大きなコブが出来ているのがわかった。

皆は一斉にレオの周りに集まり何があったのか聴いていた。まるで事情聴取のようだったがレオは丁寧に答えていた。


レオの話によると6年生の悪がきが4年生の子を虐めていたためレオが止めに入ったところ揉み合いになりバランスを崩して倒れた方向に運悪く鉄棒があり頭を強打してしまったそうだ。

聞く限り大怪我になりかねない事故のように思うがコブくらいですんだのは流石レオと言うべきだろうか。

兎にも角にも大事に至らずに済んで本当によかったと、その時も、そして今でも思う。

レオが泣いたところを見たのは後にも先にもその1度きりだった。


そして今、レオが泣いた。


僕が知る限り人生で2度目のレオの涙だ。


小学生の頃と同じようにお調子者の勇太が叫んだ。


「レオが泣いた!」


あの頃のクラスのように会場がドッと沸き立った。

しかしあの頃のような衝撃ではなく、笑いによるものだった。

今回は僕もレオの心配ではなく、心から笑顔になれた。



純白のタキシードを身に纏い、愛する人と永遠の愛を誓い合ったレオの目に浮かんだ2度目の涙は僕が今まで見てきたどんな涙よりも美しかった。


【レオ】も【僕】も【勇太】も幸せになれますように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ