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役立たず
結局、スキルは見つからなかった。
「まあ、こういう事もあるんだ。」
スキル審問官は落胆した様子でボクを励ました。とりあえず、役立たず候補生のボクは清潔だけど粗末な部屋を与えられて配属先が決まるまでそこに居て良いとのことだった。また、スキルについても諦めずにもう少し調べるとの事だ。ボクが転生したということは元の世界の僕は死んだということだろう。あまり考えたくはないが、さほど未練も無い。多分、ボクは混乱しているのだろうが、その混乱を紛らわせる方法はいくらでもある気がした。とにかくこの魔法の石版だ。何だこれは。ボクはこの街に図書館があるという話は聞いていたので魔法の石版について調べることにした。