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第764話「お~い! マチアス・バタイユ! わざわざ俺の方から出向いてやったぞ!」

さくさくさくっ!と、行動不能にした蠅団(ムーシェ)全員を、

収納の腕輪――亜空間へ放り込んでしまったリオネル。


これで、尾行の20人強は「お掃除」完了。

ちなみに、放り込んだ……つまり搬入した奴らは仮死状態となりほぼ眠った状態。

再度、外部へ搬出し、大気に触れたら約30分で目を覚ますという次第。


と、いう事で、よし! と頷いたリオネルは、

控えていたヒルデガルドとミリアン、ブライムとしばし話した後……

3人と別れ、たったひとり、王都の街中を歩いていた。


そう! リオネルは蠅団(ムーシェ)の本部へ向かっていた。


立てた作戦に基づき、ナタリーの件の解決に向け、一気に話を進める為に、だ。


ヒルデガルド達3人には、事前に話していた作戦の実行を了承して貰い、

リオネルが転移魔法を行使。


先に戻って貰うべく、アンセルムの宿屋の裏庭へ送った。


そしてブライムへは宿屋において、

女子ふたりの護衛を務めるよう命じたのである。


ここまではじっくりと様子見であったが……


いよいよ!

リオネルの『逆襲』が始まったのだ。


これから行う作戦とは、ちまちま、つきまとう団員を尋問するのではなく、

狙いはピンポイントに奴らのボスのみ。


単身、蠅団(ムーシェ)のアジトへ乗り込み、

デスタン伯爵の三男、ガエルが命じたという、

言質を始めとした『証拠』を取る為、奴らのボスと対峙し、直接尋問するのだ。


いつでも、どこでもつきまとう、うざい奴らを、

いいかげん、シャットアウトする意味もある。


また、今後リオネルが王都内で行うビジネスに対し、

変なちょっかいを出させないようにする為にも、

びしっ!と、締めておかねばならない。


さてさて!

逃げた奴らを追跡させた従士ジャンの報告から、王都のとある場所に位置する、

蠅団(ムーシェ)のアジトの位置を、リオネルは既に確認し特定していた。


なので、最短距離で迷い無く進んで行く。


すると、アジトに近付くにつれ、リオネルへの鋭い視線が増えて来た。

蠅団(ムーシェ)所属の団員どもの、

殺意がこもった、ねめつけるような視線である。


多分、リオネルの似顔絵、特徴等々を記載した人相書きか何かを渡し、

「俺達の仕事を邪魔する敵であるこいつを見張れ」

などと、ボスは団員達へ周知したのだろう。


「おいおい! 俺は指名手配犯かよ?」と苦笑しながらリオネルは歩く。


そして、冒険者ギルド内にも奴らの一員である冒険者が居る可能性がある。

で、あればギルド顧問たる自分の情報が流れるのが早くなるのも納得出来る。


但し、ギルド内で事を起こす可能性は極めて低いとリオネルは想定していた。


いくらガエルが金払いの良い貴族の客だったとしても、

ギルド内で事を起こすのはリスクが大き過ぎる。


通報されて、衛兵沙汰となり、一切がバレ、懲役刑でも喰らえば、

下手をすると組織の存亡にかかわる大事件となるからだ。


そんな事をつらつらと考えているうちに……

数人、数十人と、リオネルを取り囲むようにして、

蠅団(ムーシェ)どもが、どんどん群がって来た。


団名通り、まるでぶんぶん! と擬音が出そうなくらい、

しつこくまとわりつく、うざい蠅どもである。


「おお! てめえ! もしや、リオネル・ロートレックか!」

「丁度いい! てめえを探してた!」

「生意気な、くそガキやろーめ!」


などと、うるさい、うるさい。


しかし、これ幸いとリオネルは、にやり。


素直に名乗り、用事も伝える事にした。


「ああ、間違いなく俺はリオネル・ロートレックだ。これからお前らのアジトへ行き、ボスに会いたい。お前ら、俺に付き従い案内しろよ」


当然、蠅団(ムーシェ)の奴らはリオネルの言う事など聞くはずもない。


激高し、ふざけるなあ!! 一気に片を付けろ!!

とばかりに、往来にもかかわらず雄叫びをあげ、襲い掛かって来た。


しかし!


ぎん! ぎん! ぎん! ぎん! ぎん!


と、気絶までには至らない、超軽度の威圧をリオネルが連発して放つと、

襲い掛かろうとした数十人全員が硬直。


まあ、超軽度とは言っても、

魔物の最上位クラスたるドラゴンが『ひとにらみ』するくらいの効果があり、

蠅団(ムーシェ)どもはリオネルに対する恐怖で心が縛られ、

立ったまま行動不能となった。


「ははは、これでまあ正当防衛だな」


リオネルの実力だと、好き勝手に堂々と無双するわけにはいかない。


過剰防衛になる怖れがあるからだ。


にやりと、再び笑ったリオネル。


すかさず特異スキル『リブート』――再起動、レベル補正プラス60を行使、

リオネルへの恐怖に心が(とら)われたまま、

蠅団(ムーシェ)どもを、何とか、歩けるようには、したのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


威圧のスキルで恐怖心を与え、行動不能とし、無傷で降伏させる。

これは今までにもやった事があった。


今回は更に、無傷で降伏させた者を従え、命令し、意のままに動かす……


どこにでもつきまとう、蠅団(ムーシェ)どもを退けるべく、

ナタリーの問題解決を兼ねた、リオネルの新たな試み、修行の一環である。


「さあ、お前らのアジトまで俺を案内して貰おうか」


「は……い……」

「かしこまり……ました……」

「仰せの……通りに……リオネル様……」


笑顔のリオネルに命じられ……

まるでゾンビのように無気力な返事をし、ゾンビのようにふらふらと歩き出した、心を(とら)われた蠅団(ムーシェ)ども。


蛇に睨まれた蛙ではなく、

ドラゴンに、睨まれた人間だと想像すれば、それを自分に置き換えれば、

誰もが「成る程」と納得するだろう。


蠅団(ムーシェ)どもは、心に刻まれた恐怖により、

命と安全への懸念から身体がすくみ、リオネルに対して、

(あらが)う事が出来ないのだ。


リオネルはそこまで認識していなかったが、

装着した至宝『ゼバオトの指輪』も、この『支配』に力を加えていた。


真ん中で微笑むリオネルを守るように、

心を(とら)われた蠅団(ムーシェ)どもは、忠実な?『配下』と化し、

ゆっくりと自分達のアジトへ向かい、進んで行く。


この能力、悪用すれば、世界を支配可能な魔王にも容易になれるが、

リオネルに、そんな邪悪な野望が無い事は幸いである。


ただ、愛する想い人や仲間を害する者へは絶対に容赦しない!

というリオネルの『強い意思』の表れでもあった。


さてさて!

愚連隊に囲まれた笑顔の冒険者の青年という、結構シュールな光景であるが、

しばらく進むと……新手の蠅団(ムーシェ)どもが現れ、びっくり仰天。


無理もない。


兄弟分の誓いを交わした仲間達が、まるで夢遊病者のように歩いているのだから。


「お、おい! お、お前ら!? い、一体! ど、どうしたっ!?」

「だ、大丈夫かあっ!」

「め、目の焦点が全然合ってねえ! し、しっかりしろ~っ!」


声を張り上げて近寄るが……仲間同様、びくっと身体が強張り、直立不動。


リオネルの威圧が炸裂したのだ。


そして特異スキル『リブート』――再起動、レベル補正プラス60を行使され、

やはり、ふらふらと歩き出し、新たな『配下』として、加わって行く。


こうして……蠅団(ムーシェ)のアジトに到着した際には、

リオネルに付き従う?団員どもは、100人を楽に超えていた。


アジトの出入り口には、蠅団(ムーシェ)の中でも、

とびきり屈強な男どもが10人近く『門番』として、にらみを利かせていたが……


やはりというか、リオネルの威圧には敵わず、速攻で抗えない『配下』と化す。


「リオネル様……」

「どうぞ、我が本部へ……お入りください」

「大歓迎……致します」


新たな『配下』とした門番どもへ、リオネルは相変わらず笑顔で問いかける。


「おう! お前ら、これは不法侵入ではなく、あくまでも平和的な訪問だな?」


「「「はい! その……通りです!」」」


「ああ、邪魔するぞ!」


そう、言い放つと、ずかずか、入り、ずんずん進むリオネル。


途中、当然ながら団員どもが襲い掛かって来るが、

威圧でそのまま行動不能とし、転がしておく。


先日、気絶させた兄貴と呼ばれた奴も居たから、再び恐怖を教えてやった。


更に進んで、階段を上がり、

まとわりつく団員どもを威圧で黙らせ、配下にしつつ……


遂にリオネルはアジトの最奥、最上階の団長室前に到着した。


頑丈そうな木製扉には団長室と書かれたプレートが付けられている。


リオネルは笑顔のまま、声を張り上げる。


配下?にした団員どもの心を読み、更に肉声でも問いかけ、

奴らのボスのプロフは既に確認済みだ。


「お~い! マチアス・バタイユ! わざわざ俺の方から出向いてやったぞ!」


そして、間を置かず、扉へ蹴りを一発!


どっごおおおおおんんん!!!


轟音が響き、頑丈で分厚い木製の扉は、粉々に破壊された。


これで部屋が見通せるようになった。


リオネルが改めて中を見れば、

団長室――マチアスの部屋は結構な広さで高価そうな調度品が数多置いてある。


そして突き当りには、これまた高価そうな机があり、その後ろには、

信じられない!!??という顔付きで、

40代前半と(おぼ)しき、筋骨隆々な中年男が、

大きく目を見開き、呆然として立っていたのである。

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