第763話「果たして、リオネル達はどうするのか?」
各所での必要な買い物を済ませ、
元同級生女子ふたりのとんでもない罵倒、
&しつっこい、つきまといを撃退したリオネル達一行。
……なんやかんやで、もうお昼。
既にランチの時間である。
王都に到着後、即、アンセルムから、王都における、もろもろの情報を収集。
その中のひとつが、美味しい料理店。
どうせなら、王都で一番美味しい店に行きたいと、
以前から、ヒルデガルドとミリアンに、せがまれていたリオネル。
更に万事抜かりは無く、事前に店へ直接赴き、場所を確認すると共に、
炎の魔人たる従士ブライムを入れた4名分を予約済み。
……という事で、その店へやって来た。
但し、王都で一番美味しい店と言っても、
価格に比例した、高級料理を提供する店ではない。
あくまでもアンセルムの個人的な判断、個人的な好み、という前提であり、
彼に教えて貰った、コスパに優れている庶民的、
かつフレンドリーなソヴァール王国郷土料理の店である。
ちなみに、この店は厨房が客席から見えるオープンキッチン形式で、
料理人の作業もカウンター越しに間近で見る事が可能なのだ。
元々、超が付く料理好き。
それゆえ、料理人達の技術に興味津々のリオネル。
4人はお願いし、案内して貰ったカウンター席に横並びで座り、
果汁飲料、数種類の料理をオーダーした後は、
じ~っと厨房の様子に見入っていた。
特にリオネルは記憶力抜群な上、
有する超レアチートスキル『見よう見まね』の効果もあり、
見ただけで、各種料理のレシピを始め、数多の新技術を記憶&習得。
ただでさえ、シェフレベルと言われた抜群な料理の腕前が、
更に更に著しく上がったのは言うまでもなかった。
また使われている食材、調味料も新たな知識として加わったのである。
さてさて!
まずは、果汁飲料で乾杯。
ちなみに、エール、ワインなどの酒類にしなかったのは、
ナタリーの護衛中という理由で自重したもの。
……やがて料理が運ばれて来て、リオネルが4人分を取り分け、
ヒルデガルドとミリアンは、ひと口頬張り、「超美味しい!」と両名とも笑顔。
夢中になって食べ始める。
ちなみに……リオネルは万が一を考え、
料理人達、スタッフ達の心の波動を読んでいたから、
自分達の飲み物食べ物に、毒等の細工がされていないのは確認済みだ。
……そんなこんなで、しばし経ち、口を開いたのはブライム。
限定念話で、リオネルだけに話しかけているようである。
『少し、宜しいですか、リオネル様』
『ああ、何だい? ブライム』
『はい! 既にお気づきになっておられるでしょうが、蠅団とやらに属するであろう不逞の輩どもが我々の尾行を行い、この店に客として20人以上紛れ込んでおります』
『ああ、だな』
ブライムの問いかけに対し、リオネルは同意し、短く答えた。
そして、指摘された通り、索敵には、
蠅団に所属する者達の波動が、数多捉えられていた。
ブライムは更に話を続ける。
『はい! ナタリー様をお守りするリオネル様が奴らにマークされ、奴らに通じている店の者が密かに我々の所在を報せたと思われます。いかが致しましょう? ご指示をお願い致します』
『ああ、とりあえず、今は放置しよう』
『ふむ……とりあえず、今は放置、ですか?』
『ああ、このような第三者の目が数多ある場所、そしてこのタイミングで、奴らは動かない。さすがに100%だと断言はしないがね』
『と申しますと?』
『ああ、そもそも俺達は奴らに対し、表向きは何もしていない。あくまでも無関係な存在だ。確かに威圧で少し懲らしめはしたが、傍から見れば、一瞥しただけだからな。本人達も何をされたのか、訳が分からないという表情だったよ』
『ふむ、確かにそうですね』
『なのに、この店でさしたる理由も無しに俺達へ言いがかりをつけ、騒ぎを起こしたり、更には強引に力に訴えでもしたら、犯罪という扱いで、すぐに店が通報。呼ばれた衛兵が奴らを速攻で捕縛。容赦なくかつ、厳しく処罰される』
『成る程!』
『万が一、内通者が居て、それがスタッフではなく、責任者の店長だったとして、見て見ぬふりをされても、そのままにならない。俺とお前が奴らの相手をし、時間を稼ぐ間に、関係の無い第三者的な一般客の誰かが通報するから、衛兵はすぐに来るだろう』
『成る程! お見事な推察です!』
『いやいや、万が一、衛兵が来ない場合は、威圧で奴らを行動不能にしよう。俺とお前ならば容易いはずだ』
『御意!』
『ただ、そんな下手を打ち、大騒ぎの大事になるのを、奴らのボスは望んではいないだろう。目立たないように俺達をさらい、アジトへ連れて来いとか、いざとなれば、秘密裏に闇から闇へ葬れとか、そういう命令を下しているはずだ。よって、99%今すぐここで行動を起こしたりはしない』
『ふむ、もろもろ納得し、理解しました。で、あれば我々が食事を終え、退店すると同時に、奴らは行動を起こすと』
『ああ、そういう事だ。多分、店を出た俺達について来て、タイミングをはかり、動くと思う。その時にどうするかも、もう考えてある』
『ですか!』
『ああ、俺も散々つきまとわれて、もういいかげん、うざくなって来たしな。こちらから反撃するという事で、奴らへ対処しよう。ヒルデガルドさんとミリアンにも作戦を話すよ。何かあれば、お前も意見してくれ』
リオネルはそう言うと、
『さあ、折角だから食事を続けよう』とブライムを促したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
約1時間後……
食事を終えたリオネル一行。
アンセルムが言っていた通り、高レベルの味で4人は大満足である。
先にリオネルとブライムが話していた蠅団どもの件も、
食事がひと段落したタイミングで、リオネルが念話を行使、
ヒルデガルドとミリアンへは丁寧に説明し、納得して貰っていた。
そしてリオネルが所属登録証カードで全員分の支払いを済ませ、店を出る事に。
と、立ち上がったリオネル達を認め、
包囲し、見張っていたであろう、
20人余りの蠅団どもも一斉に立ち上がった。
リオネルの予想通り、である。
だが、他の一般客は何事か!?とびっくり。
無理もない。
20人以上の、殺気だった『こわもて荒くれ男ども』が一斉に、
ばばばっ!と立ち上がる。
その様は、はっきり言って異様であるし、怖ろしい。
という事で、リオネル達が会計の為、移動すれば……
蠅団どもは、その周囲を取り囲んだ。
関係の無い第三者から見ても、『こわもて荒くれ男ども』の狙いは、
リオネル達である事は一目瞭然。
入店時から、ヒルデガルドとミリアンの美しさは際立っていたから、
このような状態になると、殊更目立つ。
リオネルとブライムはどうでも良くとも、絶世の美女ふたりに何かあったら、
大変だ!という心配の眼差しが、一般客達から一斉に注がれた。
そんな中、リオネルとブライムは勿論、
ヒルデガルドとミリアンも泰然自若。
全く動じず、落ち着き払っている。
一方、取り囲んだ蠅団どもも、
さすがにここで事を起こしたりはせず、
おとなしく並んで、順次、会計を済ませていた。
やがて、リオネル達の番となり……
カードシステムの為、速攻で支払いが終わり、リオネル達は店外へ。
待ち伏せしているであろうの、予想通り、店の周囲には、
先に会計を済ませた蠅団どもが、手持ち無沙汰にたむろしていた。
店外へ出て来たリオネル達へ鋭い視線を投げ掛ける。
発する心の波動から、全員が格闘技の心得がある、
自信に満ち、喧嘩慣れした荒くれどもだ。
リオネル達の後に会計を済ませた者も、微妙な距離を取りつつ、控えていた。
完全にリオネル達を「ロックオン!」している。
顔を見合わせ、苦笑したリオネル達。
今回は少しフォーメーションを変更。
先頭にリオネル、その左右にヒルデガルドとミリアン。
背後を固めるのがブライム。
4人は、すっ、すっと足取りも軽く、歩き出す。
その後をぴったり尾行する20人強の蠅団ども。
リオネル達は当然ながら、真っすぐ帰宅し、
アンセルムの宿へ『案内』などはしない。
かといって、ナタリーが仕事中の冒険者ギルドへ逃げ込んで、
助けを求める事もしない。
果たして、リオネル達はどうするのか?
リオネル達が向かったのは……通行人の往来が殆ど無い、
人気の無い、とある街路。
行き先が人気の無い事を、
蠅団どもも知っているらしく、
しめた! 罠にかかった! とばかりに嫌らしく笑う。
しかし!
罠にかかったのは、蠅団どもの方であった。
街路をしばし歩き、リオネル達は、
人気の無い事を改めて確かめると、いきなり回れ右!
「おい、あんたら、俺達に何か用か?」
と、問いかけた。
すると、リーダー格らしき男が、
「ああ、てめえが、あのリオネル・ロートレックだな」
と、確認するように問いかけて来た。
対して、リオネルは肯定。
「ああ、俺がそのリオネル・ロートレックだが、俺達に何の用だ?」
「は! 舐めんじゃねえぞ! 英雄気取りのクソガキ! 俺達蠅団の邪魔をするお前らをよ、滅茶苦茶、痛い目に合わせてやる!」
とせせら笑う男。
リオネルも、ふっと笑い、
「ほう、滅茶苦茶、痛い目? ノー・サンキューだな、そんな用事なら、御免蒙る」
と言った瞬間。
リオネルとブライムは、蠅団どもを、にらみつけ、
がんがんがん! と威圧スキルを炸裂させた。
ふたりから放たれた恐怖の波動が、蠅団どもを包み込み、
ぎゃ! ぐえ! あう! ぐわ! ひい!
と短い悲鳴を発し、ばたばたばたっ!と倒れる。
そして、リオネルは、さくさくさくっ!と、
行動不能にした全員を、自身の収納の腕輪へと放り込んでしまったのである。
いつもご愛読頂きありがとうございます。
※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。
宜しければ、下方にあるブックマーク及び、
☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。
東導号の各作品を宜しくお願い致します。
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!
《紙版、電子版、ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》
(ホビージャパン様HJノベルス)
※第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
既刊第1巻~5巻大好評発売中!
《紙版、電子版》
何卒宜しくお願い致します。
コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!
皆様のおかげです。ありがとうございます。
今後とも宜しくお願い致します。
また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。
コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。
WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。
マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が購読可能です。
お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。
最後に、
⛤『冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!』《完結済み》
⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》
⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのあ
る王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》
⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』《完結》
も何卒宜しくお願い致します。




