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第720話「ここでダニエラが教育的指導」

打合せ終了後、笑顔に満ちた大工達の見送りを受け、

リオネル達は帰路についた。


打合せに結構時間がかかったので、山猫亭へ戻った時には、

時刻が午後4時を過ぎている。


山猫亭では、午後6時から宿泊客へ夕食を出す。

そして午後8時半くらいまでが夕食タイム。


しかし普段調理役を担うダニエラとブレンダが外出していたので、

まだ完全に支度は出来ていない。


イルヴァとモニカは料理上手ではあるのだが、

まだ厨房を全面的に任せられるほどではないのだ。


ただ仕込みは外出前に済ませていたし、指示をしていた通り、

イルヴァとモニカが下準備以上のケアもしてくれていたので、早速調理にかかる。


ダニエラ、ブレンダは勿論だが、

料理に関しては、プロ級レベルのリオネルも率先して働く。


であれば! 作業は極めてスムーズ。

午後6時の夕食開始には楽勝で間に合った。


更にはイェレミアスとボトヴィッド、アートス、

そしてハンスも加わり、配膳を手伝う。


そんなこんなで、全ての宿泊客が夕食を終え、その後片付けをすると、

やっと全員で夕食。


いつもの山猫亭スタッフの日常である。


夕食を摂りながら、本日の結果、

商業ギルド、及び大工達と打合せして来た内容を確認し、全員で情報を共有する。


商業ギルドにおいて、リオネルが出資した山猫亭の共同経営者としての届け出、

レストラン山猫亭新規オープンの届け出は無事に受理された事。

調理、接客担当従業員の新規募集の相談に関しても、

商業ギルドのネットワークをフルに使い、紹介または仲介もしてくれた事。


ギルドマスターがソヴァール王国建国の開祖アリスティド・ソヴァールの大ファンであり、同じくアリスティドファンのサブマスターを担当者として据える事。

ちなみにサブマスターは無償でコンサルタント協力してもくれると。


そして、大工達との打合せも上手く行った事も伝える。


後継者の息子、弟子達とともに、喜んで話を聞き、増改築を快諾してくれた事。

手付金の金貨200枚を支払い、設計図を作成して貰い、こちらが了解したら、

前金の半金を支払い、着工する事も決定した事。


もろもろ話を聞いたイルヴァとモニカ、ハンスのカディオ一家は大喜び。

リオネルの提案が本当に『現実のもの』となって来たから、

更に更に労働意欲をアップした。


またイェレミアスとボトヴィッドもリオネルの段取りと交渉術に感服。

今回の山猫亭プロジェクトが、イエーラにも活かされると語り合った。


そして明日以降の予定だが、今度は商業ギルドのサブマスターが、

日程を調整し、山猫亭へ出向いてくれ、打合せをする事に。


また大工チームも山猫亭と旧レストランを下見し、

設計図へ反映したいとしたいと申し入れがあり、こちらも近日中には訪れるという。


話は更に盛り上がったが、気が付けば時刻は既に午後10時30分を回っていた。


急いで自分達の夕食の後片付けをし、朝食の仕込みをし、

ブローム一家を帰宅させなければならない。


打合せはまた改めて、という事で、全員で協力。


作業を全て終わらせた後、

ブライムとルベルが、カディオ一家を自宅へと送ったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


今更だが、宿屋の仕事は重労働。

そして様々なスキルも必要。

新規の人材を入れるにあたっては、先輩スタッフが指導をする必要が出て来る。


ブレンダがイエーラへ旅立った後、指導役はオーナーのダニエラだけではなく、

先輩スタッフとして、イルヴァとモニカも務めなければならない。


なので大事な業務のひとつ、朝の仕入れをしっかり覚えて貰う為、

今朝も午前4時、リオネル達一行はロバに荷車を曳かせ、市場へ。


メンバーは、リオネルとブレンダ、イルヴァとモニカの4名。

ダニエラと護衛役兼務のルベルは朝食の支度等で山猫亭へ残った。


今日は昨日のモニカ同行に引き続き、

母のイルヴァにも仕入れを習得して貰おうと連れて来たのだ。


母娘ふたりの指導役は叔母、従妹たる身内ブレンダである。


仕入れの方針は昨日と同じ。

パンは外部の店舗と自家製が半々、で様々な種類を購入。

肉と牛乳は購入する店が決まっている。

野菜は旬のものに(こだわ)る。


予定した献立に沿って、様々な食材を購入する際も、

コストとの兼ね合いも含め、より品質の良いものを選ぶべく、

目利きのスキルを鍛えるのだ。


ブレンダだけではなく、娘のモニカも母イルヴァへ、

これはこう、あれはこうと真剣にかつ一生懸命、話をするから、

買い出しはスムーズに行われた。


まだまだ経験が必要ではあるが、この調子ならば、

イルヴァとモニカのみで仕入れに行く日もそう遠くないであろう。


山猫亭へ戻り、食材を魔導冷蔵庫と倉庫へ納めると、

昨夜の夕食同様、朝食の支度を行う。


ダニエラ、ブレンダ、リオネルの手際を見学し、

明日の朝食は、イルヴァとモニカのみで作る事になった。


そんなこんなで、イェレミアスとボトヴィッド、そしてハンスも加わり、

配膳を手伝い、宿泊客へ朝食を出す。


朝食を終了した後は、『とある事情』があって朝食は無し。

その事情とは後程、判明する。


片付けの後は、宿泊客のチェックアウト、部屋の清掃と仕事は目白押し。


宿泊客が増えているのは、リオネルの噂を聞いた者が、

少しずつだが、来ているからである。


ひと段落すると、今日1日は料理研修の日。


山猫亭で出すアクィラ王国料理の習得は勿論だが、

リオネルの故郷であるソヴァール王国料理、

更にはイェレミアスお勧めのアールヴ料理もレクチャーする。


いずれは併設するレストラン山猫亭の名物メニュー『3か国料理』とするべく、

まずは宿屋山猫亭で宿泊客へ出して、「美味い!」と言って貰えるよう、

存分に腕を磨くのだ。


ダニエラ、ブレンダ、リオネル、3人の調理担当の中でも、

ひときわ目を引くのはやはりリオネルだ。


軽快な包丁さばき。


とんとんとんとん! とんとんとんとん!


大きな鉄製フライパンも軽々と使う。


じゃじゃじゃっ! じゃじゃじゃっ!


じゅ~ううう! じゅ~ううう!


じゅわわわぁ! じゅわわわぁ!


「………………………………」


一流シェフさながらの手際の良さ。

いつもながら全員が見惚れ、無言となってしまった。


ちなみに、リオネルの頭の中には、

トータル1,000以上の各国料理、デザートのレシピがインプットされている。


改めて実感する。

魔法同様、自分は料理が大好き、作るのも食べるのも、と。


しかし魔法やスキル同様、発展途上で、

まだまだ新たな料理やデザートを習得したいと願い、

更には、『自分の店』を出すのもあり、だと考えている。


そんなこんなで、テーブル上にはアクィラ王国の王道的な料理を6種類、

そして山猫亭においては今回初めて調理されたソヴァール王国3種類、

アールヴ料理が3種類の計12皿が並べられた。


内訳は、ダニエラとブレンダが手慣れたアクィラ王国料理を3皿ずつ作り、

リオネルがソヴァール王国とアールヴ料理を3皿ずつ、作りの計12皿。


そう!

『とある事情』とは、先を見据えた朝食昼食兼用の『大試食会』であったのだ!


上手い料理が食べられると、

ハンスなどは仕事を弟子達に任せて休み、参加する入れ込みようだ。


ここでダニエラが教育的指導。


「皆、がっついて食べないで! よ~く味わって食べてね! 感想を書いて貰うから」


いわゆる『食レポ』である。


更にブレンダも、


「ええ! 母さんの言う通りですよ。こういうデータの収集が、山猫亭は勿論、レストラン山猫亭のメニューにつながりますからね!」


としっかり釘を刺す。


そして気になるお味の方は……


「「「「美味い!!!!!」」」」」


という第一声が、山猫亭の食堂に響き渡ったのである。

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