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第719話「いずれ山猫亭とレストラン山猫亭はリオネル様ゆかりの店という事が周知されるでしょう」

今度の外出メンバーは、リオネルとブレンダ、ダニエラとルベル。


「では、行って来ます。後を宜しくお願い致します」


「「行ってらっしゃい!」」


留守番をするイルヴァとモニカの声を背に受け、4人は歩き出した。


ここで驚いたのはダニエラである。


「えええ!?」


リオネルとブレンダが手をつなぎ、寄り添い、仲睦まじく歩いているから。


自分の愛娘が本当に『リオネルの妻』となった事を実感したのだ。


ちなみに、リオネルがブレンダと手をつなぐのは他にも大きな意味がある。

そう、ナンパ防止の為だ。


プラチナブロンドの髪は肩辺りまで伸び、目は切れ長で瞳はグレー。

鼻筋が通っていて、唇が小さい。


端麗な顔立ちで健康的かつスタイル抜群、アクィラ王国の正統的な美女、

大輪の花のようなブレンダの麗しさは、フォルミーカの街中でとても人目をひく。


それゆえ、数多の男子が何かにつけ、声をかけ、

どうにかして親しくなろうとする。


しかし、自身がイメージした理想の男子一筋のブレンダは目もくれず、

数多のナンパを華麗にスルー。


しかし、それが超ヒートアップし、道を外した外道ナンパ男子どもが大暴発!

20人の無法冒険者に襲われそうになる大事件が起こってしまった。


だが、ブレンダの拉致は未遂に終わる。


何故なら、たまたま一緒に居たリオネルが、

襲いかかろうとする無法冒険者どもを、ひとにらみしただけで一蹴したのだ。


その様子の一部始終を目撃したブレンダの衝撃は計り知れない。

彼女の人生最大の衝撃と言っても過言ではない。


そう!

遂に遂に! ブレンダの前に、『彼女の理想とする男子』が現れたのだから。


当然、ブレンダはひとめぼれ、以降はリオネルにぞっこん!


そんなリオネルと親しげに手をつなぎ、寄り添って歩くのは、

ブレンダが『売約済み』となった事が一目瞭然である。


実際、リオネルと手をつなぐようになってからは、『ナンパ』が著しく減った。


ただリオネルは、いまだ容姿が知れ渡っていない。


なので、手をつなぐリオネルを『若輩のさえない男』だと侮り、

ブレンダへ声をかけて来る厚顔無恥なナンパ男はたまに居る。


当然無視するのだが、しつこい場合はリオネルの威圧スキルが炸裂。


外道なナンパ男は負け犬のようにあっさりと逃げて行く……


しかし、いずれ誰もが知る存在になるだろう。


リオネルが長きにわたりアクィラ王国を苦しめた、

邪悪な竜どもをあっさり倒した勇者レベルの『超レジェンド』だという事を。


とんでもない勘違いをした『無敵の男』を除き、

大抵の男は声をかけなくなるに違いない。


そんなこんなで、4人は無事、商業ギルドへ到着する。


目の前には、商館風、5階建ての建物がそびえていた。


補足しよう。


商業ギルドは冒険者ギルド同様、ワールドワイドな組織で、

世界各国に支部があり、このフォルミーカにあるのも支部である。


冒険者ギルドが冒険者の為のギルドであるように、

商業ギルドは商人の為のギルドであり、相互扶助が基本精神。


商人の基礎からの育成、成長、独立の為に様々なフォローを行い、

講座開講、各手続きの受付、資金の貸し付け、

回収代行、開店、経営のコンサルティング、

また人材の斡旋、仲介、店舗の斡旋、仲介、などなど、数多の業務を担っている。


本日の要件は、リオネルが出資した山猫亭の共同経営者としての届け出、

レストラン山猫亭新規オープンの届け出、

調理、接客担当従業員の新規募集の相談、などである。


ちなみに、ダニエラ、ブレンダは山猫亭の経営者として、

既に商業ギルドに登録済み、所属登録証を所持していた。


今回の案件により、リオネルも登録する事となる。


という事で、ダニエラが業務カウンターへ所属登録証を提示し、

全員の名を告げ、いろいろな相談があると告げれば、職員がすぐ反応。


即座に連絡が行き、何と何と! 

4人は支部の長たるギルドマスター専用応接室へ通された。


驚いたのはダニエラ、ブレンダ母娘である。


「お、お母さん! な、何これ!? どういう事なの!?」


「わ、私にも分からないわよ! ギルドマスターなんて、雲の上の方、お会いした事も無いわ!」


と混乱状態に陥ったが、こうなった理由はすぐに分かった。


応接室へ、フォルミーカ支部のギルドマスターとサブマスター、

幹部職員が全員出て来て……


ギルドマスターが深くお辞儀をし、


「ドラゴンスレイヤーたるレジェンド! リオネル・ロートレック様! ようこそ! この商業ギルドフォルミーカ支部へいらっしゃいました!」


と熱く熱く出迎えた。


更にギルドマスターは、


「グレーゲル・ブラード町長閣下から、リオネル様より、もしも何かご依頼があれば、商業ギルドは全面的にバックアップするようにと、お話がありましたので!」


と笑顔で言い、


「たとえ町長閣下からのお話が無くとも、我がアクィラ王国を救った英雄たるリオネル様ならば、無条件でご協力しようと決めておりました!」


と、きっぱり言い切ったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


商業ギルドフォルミーカ支部のギルドマスター達は終始、

リオネル達へ好意的であった。


申請し、相談し、お願いした事は、全てあっさりとOK。


調理、接客担当従業員の新規募集に関しても、

リオネル側が望む資質、労働条件を伝えたところ、

商業ギルドのネットワークをフルに使い、紹介または仲介もしてくれるそうだ。


何故、ここまで? と感じたリオネル達であったが、


雑談も交え、ギルドマスターは話してくれた。


……ギルドマスターはアクィラ王国人ではあったが、

そもそもソヴァール王国の開祖たるレジェンド、

英雄アリスティド・ソヴァールの大ファンであり、

隣国のソヴァール王国に深く親しみを感じていた事。


ソヴァール王国人であるリオネルが、アールヴ族の国イエーラのソウェルとともに、

長きにわたり故国を苦しめた凶悪なドラゴンを討伐した事に、

限りないロマンを感じるという。


「リオネル・ロートレック様! ドラゴンスレイヤーたる貴方様は、まさに勇者! アリスティド様の再来! いやそれ以上の方ですよ!」


とベタぼめである。


そして、同じくアリスティドファンのサブマスターを担当者として据える事、

ちなみにサブマスターは無償でコンサルタント協力してもくれるという。


いえいえ、そこまではと固辞したリオネル達であったが、

ギルドマスターは更に言う。


「いずれ山猫亭とレストラン山猫亭はリオネル様ゆかりの店という事が周知されるでしょう。で、あれば! 宿泊客と飲食の客が殺到し、結果、フォルミーカの観光価値はますます上がります。であれば、無償のコンサルティングなどお安い御用です!」


といかにも商人らしい計算も見せた。


リオネルの商業ギルド所属登録証も即座に発行され、

そんなこんなで、打合せは終了。


ぜひ! 一緒に昼食を! と懇願されたリオネル達はギルドマスター達と会食。


その後、商業ギルドを出たリオネル達は、かつて山猫亭を建築した大工を訪ねた。


事前にアポイントを取っていたので、大工は在宅していた。


結構な老齢の大工ではあったが、かくしゃくとして意気軒高。

後継者の息子、弟子達とともに、喜んで話を聞き、増改築を快諾してくれた。


中には商業ギルド同様、リオネルのファンも。

ぜひ工事に参加したい! と熱望する者も居た。


対して、リオネル達は、大まかな構想を伝え、簡単な見取り図を渡した。


総工費予算は、山猫亭、レストラン山猫亭合わせて、

金貨2万枚(2億円)、予算増は内容次第。

手付金としてとりあえず金貨200枚(200万円)を渡す。


これから何度かやりとりし、設計図を製作して貰い、更に検討、確定する事となる。


それから、見積もり金額の半金を前金を渡した上で、施工へ入るのだ。


「ご発注ありがとうございます! 誠心誠意! 心を込めて作業させて頂きます!」


打合せ終了後、笑顔に満ちた大工達の見送りを受け、

リオネル達は帰路についたのである。

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