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第694話「全てにおいて、規格外のリオネルらしいといえば、リオネルらしい」

読者様へ。


いつもお世話になっております。


新作の連載を開始しました。


⛤『無能と呼ばれた俺が思いもよらず超覚醒!異能冒険者達と組み、成り上がる話!』


中世西洋風異世界を舞台にした冒険ファンタジーです。


既存作同様に、ご愛読、応援を何卒宜しくお願い致します。

自分の隣に座って、しばし経ち、落ち着いたヒルデガルドへ、

ティエラは改めて話し始めた。


見守っていたリオネルとヒルデガルドの将来へのやり取りを異界で聞いて、

ティエラの心境が変わり……考え抜いた末、やはりリオネルと結ばれ、妻となり、

尽くし、添い遂げたいと決意した事。


しかし自分ひとりでリオネルの妻となるのではなく……

一夫多妻制を取り、ヒルデガルドも、リオネルの妻となるべく、

ティエラがフォローする事。


そして種族の寿命の違いから先に逝くリオネルの死後、

伴侶を失ったヒルデガルドも、ティエラが責任をもってフォローする事。


その際のフォローとは、リオネルが英霊となるべくティエラが尽力。

英霊となったリオネルをティエラが召喚し、ヒルデガルドの下へ赴かせ、

慰め、励まし、アドバイスをする事で寂しさを緩和させる事。


そしてヒルデガルドは生前に徳を積み、死後、英霊となれば、

ティエラ、リオネルと同じ異界の領域にて、再び一緒に暮らせる事。

英霊となった死後の生活は修行を継続しつつ、

現世の人々を時には助け、時には戒める事。


これらのフォローには、迷いなくリオネルを一途に愛するという前提条件がある事。


そして、リオネルを愛する人間族の女子達にも、

ヒルデガルドと同じ条件でチャンスを与える事。


……ティエラの話――提案を聞いたヒルデガルドは、

果たしてどのような反応をし、どのような答えを戻すのか。


しばしの沈黙の後……

ヒルデガルドは目をキラキラさせ、まるで子供のような笑顔となる。


『ティエラ様!!』


『なあに、ヒルデガルド』


『失礼な物言いをして誠に申し訳ございませんが、そのお話は本当でございますかっ!』


『ええ、冗談とかじゃないわ、本当に本当よ』


『であれば!! 答えは決まっております!! 私は大賛成ですっ!! とてもとても良き名案だと思いますわ!!』


大声を張り上げるヒルデガルドの反応を見て、言葉を聞いてティエラは笑顔。


『うふふ、そうお? そう言って貰えると凄く嬉しいわ』


『はいっ! 私ヒルデガルドにとって、ティエラ様のご提案は、願ったり(かな)ったりのお話ですわ! 純血主義もそうですが、アールヴ族と人間族の寿命の問題だけは、全知全能たる創世神様の御領域。如何(いかん)ともしがたいですからっ!』


ヒルデガルドは、きっぱりと言い切った。

リオネル同様、寿命の問題に関し、思い悩んでいたらしい。


『だよね! 分かる、私も分かるわ、ヒルデガルド、貴女の気持ちがね!』


『はい! ティエラ様! ず~っと、ず~っと、私は悩みに悩んでいました。リオネル様とご一緒に居られる、ご存命中の最長100年はあっという間ですもの』


『そうよね。精霊の私とアールヴ族のヒルデガルドには100年という時間は、たったとか僅かという感覚、すぐ経ってしまうよね』


『はい! いくら考えても問題解決の妙案は浮かびませんでした。ですから、リオネル様と死別した後の私の人生は、一体どうなるのかと、これまた考えておりました。その間はとてもとても苦しかった……リオネル様と出会った事で……生まれて初めて、人生をともにしたいパートナーと巡り合い、愛し慈しむ事はとても喜ばしいと知りましたが……その別れは何倍も何十倍も何百倍も、いえ! それ以上に辛く苦しいとも知りました!』


『だよね、凄く凄く分かるわ、その気持ち!』


『ご理解頂き、ありがとうございます! リオネル様は私にとって唯一無二の方でございます! そもそも! 私はリオネル様以外の男性を愛するなど、イメージするのは勿論、考えさえも出来ません! 絶対に!!』


『そうなの?』


『はい、それゆえ、既に結論は出ておりました』


『結論は出ていたのね』


『はい! 100年後にリオネル様がご逝去されたら、私は仕事ひとすじに生きる! アールヴ族を導き、イエーラを平和で豊かにするソウェルとして、課せられた職務を全うする事のみに集中し、ひたすら邁進していたと思います』


『成る程。死別したリオネルに二度と会えない寂しさを耐える為に、ヒルデガルド、貴女は仕事で紛らわそうと決めていたのね』


『はい! おっしゃる通りです! しかし! ティエラ様のご提案で、その未来は、なくなりました』


『うふふ、所詮、予定は未定って事ね』


『はい! 固く閉ざされていた開かずの門がようやく開き、私は遂に前へ進める! 開かれた門の先にある新たな希望の道を歩む事が出来る! そんな気分ですわ!』


『うふふ、希望の道へ、貴女は前へ進めるのね』


『はい! 私ヒルデガルド・エテラヴオリが歩む道は、今はっきりと示されました! ティエラ様のご提案を受け入れれば、ご逝去後、英霊となったリオネル・ロートレック様と再会出来る。その上、亡くなった私も英霊となり、リオネル様とずっと一緒に居られるなんて! 凄く凄く! 喜ばしいですっ!!』


話が盛り上がりに盛り上がるふたり。


ヒルデガルドは、ティエラの提案に大賛成のようだ。


しかし、ここからティエラが『注意事項』も述べて行く。


『うふふ、でもヒルデガルド、大喜びするのはまだ早いかも』


『と、おっしゃいますと?』


『この提案だとね、精霊の私が正妻の第一夫人で、英霊となるであろう貴女は側室、第二夫人以下だよ』


『いえ! そんな些細な事、何の問題もありませんっ! そもそも、ティエラ様のお力ありきの、とんでもなく、ありがたいお話なのですからっ!』


『でも、ぬか喜びは本当に禁物。念の為言うけれど、生前に相当の徳を積まないと、貴女は英霊にはなれない。このまま真面目に生きれば魂が普通に昇天し、天国へは行けると思うけど、下手をすればリオへの未練から昇天せず、魂が現世に縛られた単なる亡霊と化すわ』


『はい! 覚悟の上です! 死別が永遠の別離なのだと諦めていた状況から一転し、リオネル様と永遠に一緒に居られるという超が付く特大チャンスですから! 英霊となる為に、私、一生懸命頑張ります!』


『そう、気合は充分のようね』


『はい! 座して何もしなければ、リオネル様と離れ離れとなってしまいますから!』


『それと、これも念の為。ヒルデガルド、貴女がリオの死後、心変わりして違う相手と恋に落ちたり、再婚したら、私はあっさりと(たもと)を分かつ! その場合、まず新たなパートナーを尊重すべきだし、リオと私の縁は切れてしまうって事だから』


『当然でしょう、ティエラ様。まあそんな事は300%、いえ1億%絶対にありえませんっ!!』


『うふふ、1億%か、ヒルデガルドったら大きく出たわね。意思は揺るがないようだけど、これも言っておくわ』


『はいっ! 何でもおっしゃってくださいっ!』


『念の為、先ほどの話の続き……他のパートナーと愛し合う事を選んだヒルデガルドには全く別の道がしるされる。貴女が歩む別の道は、私達が歩む道とは決して交わらない。だからもし徳を積んで英霊となってもリオとの再会は(かな)わない』


『それはそうでしょう。でも私は別の道など絶対に歩みません!』


『宜しい! それと最後に……これも念押しで言っておくわ。人間族の女子達の事よ』


『人間族の女子達の事……はい! お願い致します!』


『ヒルデガルド、貴女はソヴァール王国キャナール村で暮らし、リオを真っすぐに慕う彼の妹のような冒険者ミリアン、そしてアクィラ王国フォルミーカ在住で、リオに一途に恋焦がれる宿屋の娘ブレンダの事を聞いたでしょう?』


『はい! リオネル様からお聞き致しましたっ!』


『ミリアンとブレンダに関しては、貴女同様、私はしっかりと見守ってきたの。だから申し訳ないけれど、ライバルになるであろう人間族の女子達にも公平に、という事で、同条件で私は手を差し伸べる。それは理解し、了解してね!』


『はい! 全て理解し、了解致しました! ミリアンさん、ブレンダさんの経緯と真摯な想いもお聞きしましたし、私はリオネル様の妻となり、同じく妻となった彼女達とはお互いに助け合いながらも、正々堂々と競い合いたいです。それゆえ! 迷う事なく、ティエラ様のご提案を受け入れますわっ!!』


『よっし! 分かった! その意気や良し! ヒルデガルドが、ず~っと一途にリオを想うのであれば、そして英霊になるべくまじめに励めば、貴女が亡くなるまで、そして死後も、私ティエラが責任を持ってフォローする事を約束する!』


『あ、ありがとうございますっ!! ティエラ様!! と、とても心強いですっ!!』


思わず、すっくと立ちあがり、直立不動で、深々と頭を下げるヒルデガルド。


そしてティエラはリオネルに向き直り、


『……という事で、ヒルデガルドとの話はまとまったけれど、リオのファイナルアンサーはどう?』


ヒルデガルドが納得するどころか、こんなに喜んでくれるのであれば、

リオネルも嬉しい。


悩んでいた懸念も解消され、返事も完全にひとつだ。


『はい、おふたりのやりとりを聞きつつ、考え、決断しました。俺はティエラ様のご提案を受け入れます』


『そう、ありがと!! 大好き!! 愛してるわ、リオ!!』

『あ、ありがとうございます!! 愛しておりますわ!! リオネル様っ!!』


無言の了解で、リオネルとティエラも立ち上がる。


姿勢を正し、リオネルは言い放つ。


ひしひしと感じる。


実家を追い出され、冒険者となった時同様、

今、この瞬間も自分の人生のターニングポイントだと。


『ありがとうございます。ではおふたりに申し上げます。ティエラ様』


『はい!』


『ヒルデガルド・エテラヴオリさん』


『はい!』


『俺と……リオネル・ロートレックと結婚してください! 一生、そして死後も愛し、必ず大切にし、幸せにするよう精一杯努力します! 何卒宜しくお願い致します!』


『うふふ、シンプルでストレート。素敵なダブルプロポーズね! ティエラは謹んでお受けするわ!』

『ヒルデガルドもです! リオネル様のプロポーズ、心よりお受け致します!』


『重ね重ね、おふたりとも、ありがとうございます。ちなみに婚約指輪、結婚指輪、結婚式は改めてでお願いします』


『了解!』

『はい! いろいろと、ご相談致しましょう!』


ふたりの女子の声は、嬉しさと幸せに満ちていた。


これで、リオネルは人生の一大イベント『結婚』をする事となった。

それも異種族のふたり、地の最高位精霊、アールヴ族の長ソウェルと。


そして夢の中でのダブルプロポーズ。


全てにおいて、規格外のリオネルらしいといえば、リオネルらしい。


こうして……再び草原に座った3人は、

今後の事を時間の許す限り、熱く熱く話し合った。


……更に就寝中のイェレミアスも夢に呼び出すと、


おお!と夢魔法にびっくりしたイェレミアスも交え、

今回の経緯と結果も伝え……更に更に驚かせたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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今後とも宜しくお願い致します。


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お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、


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⛤『冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!』《完結済み》


⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》

⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのあ

る王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》

⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』《完結》

も何卒宜しくお願い致します。

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