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第682話「やはり、ティエラを怒らせない方が良さそうだ」

リオネル達クラン、本日の『課題』はドラゴン討伐。

地下121階層から149階層を探索し、倒したドラゴンの死骸を数多回収し、

『資源化』をするのだ。


……という事で、表向きの最下層150階層経由で121階層へ転移。

張り巡らせたリオネルの索敵により、転移した地点から約1km離れた先に、

餌を求めて徘徊する巨大なノーマルドラゴン3体を発見。


再度、リオネルが近距離転移魔法を発動。


制御は完璧。

ノーマルドラゴン達からわずか100m離れた場所へ突如現れたリオネル達クラン。


ここから接近戦を挑む。


ただ接近戦とはいえ、どこかの脳キンのように無策でやみくもに突っ込みはしない。

当然ながら事前に作戦を立ててある。


まずはリオネルとイェレミアスの魔法とスキルで、ドラゴンどもを行動不能とし、

無抵抗状態とした上で、ティエラとアリスティドがピンポイントで急所を殴打、

資源となる死骸へ余計なダメージを与えない形で、息の根を止める。

後は、状況によって臨機応変に。


そもそも、この4名とも、

ノーマルドラゴンとは、1対1のさしで渡り合い、問題なく勝てる猛者。

なので、ノーマルドラゴンを無抵抗状態の上、殴殺するのは、

「石橋を叩いて渡る作戦」と言っても過言ではない。


だが、この作戦で行くのは、リオネルがイェレミアスの護衛役となったのと、

同じ理由でもある。

そう、リスクを極力なくし、万全を期すべく事を行うのだ。


『イェレミアスさん、まず俺達がノーマルドラゴンどもの動きを止めます。最初の1体へ、凍結系水属性魔法をお願いしますね』


『うむ、リオネル様、了解しましたぞ!』


イェレミアスの魔法発動は極めて迅速かつ正確だ。

短い言霊と最小限のアクションで、対象へ間違いなく効果を発揮させる。

また有効射程距離も1㎞に及び、さすがソウェルたる実力者だ。

100mの距離から巨大なドラゴンへ凍結系水属性魔法を当てるなど、児戯に等しい。


短い言霊の後、はっ!と発した、短い気合とともに、

イェレミアスから放たれた魔法は、すぐに効果を発揮。


びしびしびし! と大気が凍る音とともに、

ノーマルドラゴン1体は凍り付き、動かなくなる。


じっと、イェレミアスの魔法行使を観察していたリオネルは、

柔らかく微笑む。


『さすがです! いつもながらお見事な手際ですね』


『いやいや、無詠唱、神速で発動するリオネル様に比べれば、大したことはありません』


高貴なる水界王アリトンの加護を受け、

水属性魔法を完璧に使いこなすリオネル。

だが、他の高位術者の発動はとても興味深く参考にもなった。


というか、今やチートスキル『見よう見まね』が常時発動状態。

視認した術やスキルは、絶え間ない向上心からリオネルの能力を底上げし、

更にはどんどん進化させている。


ちなみに再現性にも優れたリオネルは、イェレミアスの行使した魔法をそのまま、

もしくはそれ以上に発動する事も可能。


しかし、イェレミアスの魔法行使直後にそれをやるのは、

嫌味以外の何でもなく、愚の骨頂。

万事に控えめなリオネルは、さすがに、そんな馬鹿な真似はしない。


『いえいえ、では2体目のノーマルドラゴンは、俺の威圧スキルで行動不能にしますね』


補足しよう。


……リオネルの威圧スキルは、最大レベルで魔王級。

対象を恐怖で硬直、気絶させるのは勿論、相手によっては石化すらしてしまう。


この威圧は、チートスキル『エヴォリューシオ』の効果により、

習得済みのギフトスキル『ゴブリンハンター』の所持効果、

『ゴブリン威圧』から派生、ガンガン進化し……行使対象が万能化。

合わせて万能スキル『威圧』レベル補正プラス25を習得し、

更にレベルアップして、補正がプラス50となったもの。


ご存じの通り、現在リオネルのレベルは50。

つまり補正がプラス50でレベル99までの敵を威圧可能。

ノーマルドラゴンのレベルは、60から70前後だから、

かる~く、戦闘不能に出来るのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ふう、と軽く息を吐いたリオネルは、無言のまま、じっ!とドラゴンを見据える。


すると!

放たれた威圧効果のある強魔力がノーマルドラゴンを包み込み……

白目をむいたノーマルドラゴンは「がくん」と脱力し、そのまま気絶。

どう!と地へ伏してしまう。


『お、お見事!! ほ、本当に!! ひとにらみですなっ!!』


感嘆以上に感動するイェレミアス。


対してリオネルは柔らかく微笑み、告げる。


『はい、上手く行きました。そしてこのまま3体目も俺が行動不能にします。ティエラ様がいらっしゃるので、ご敬意を表し、地属性最上級魔法のひとつ大地の束縛を行使しますね』


念の為、補足しよう。

大地の束縛は、聖なる地の魔力で対象を大地へ縛り付け、行動不能とする魔法だ。


『おお! 地属性最上級魔法大地の束縛ですか! ヒルデガルドから聞きましたぞ! アクィラ王国のドラゴン退治でもお使いになったとか!』


『です! ということでティエラ様、授けて頂いた大地の束縛を使います!』


『うふふ、GO! GO! 遠慮せず、どんどん使って!』


『了解です! では行きます!』


3体目のノーマルドラゴンを見据え、

リオネルは改めて体内魔力を上げ始める。


すると即、体内魔力が上がり、リオネルは無詠唱で『大地の束縛』を発動。

ぶううん!!!と空間から凄まじい異音が発せられ、大気が振動。

ノーマルドラゴンの身体は、見えない力により、

がっつりと大地に固定されてしまう。


ぐああああああっっっっ!!!???


「動かない~!!!???」と無言の悲鳴をあげたノーマルドラゴンは慌てて巨体を必死にゆすり、もがこうとするが、強い魔法の力はゆるまず、びくともしない。


これでノーマルドラゴン3体が行動不能。

リオネルとイェレミアスの『仕事』は終了である。


ここから先は、ティエラとアリスティドの『仕事』だ。


遂行は、クランリーダーたるリオネルがGOを出すだけ。


『では、ティエラ様は2体、その後でアリスティド様は残りの1体へ、急所へのピンポイント殴打攻撃お願い致します。但し、万が一の場合もありますから、油断は決してしないでください』


『了解! 注意するわ! リオ! ちなみに1体目はビンタ! 2体目はグーパンで行くわよお!』


そんなティエラの言葉を受け、アリスティドが、


『うむ、ティエラ様が2体倒し終わったら、我が最後の1体を倒すとしましょう』


『了解! じゃあ! アリスティド、おっさきい!』


手を振ったティエラは叫ぶと、ぶわわ~っと、凄まじい速さで飛翔。


1体目のノーマルドラゴンへ近付くと、ぱああああんん!!!


と凄まじい音でノーマルドラゴンの頬を張り、

ぐぎっ!と首が逆方向に曲がったノーマルドラゴンはあっさり絶命。


『よし! 次!』


ぶわっと、再度飛翔。

2体目のノーマルドラゴンへ近付き、小さく可愛い拳を、鋭く急所へと打ち込む。


どうぐおっ!!!


肉を打つ重い音が響き、ノーマルドラゴンは、がくっと、これまたあっさり絶命。


繰り出したビンタとグーパンが、

ノーマルドラゴンを1発で瞬殺!


……相手が無抵抗とはいえ、凄まじい破壊力。

これぞ大地の力!


まもなく地母神になる実力は、計り知れない。

やはり、ティエラを怒らせない方が良さそうだ。


ノーマルドラゴンどもが絶命したのを見届けたティエラは、ぶわ~っと、飛翔し、

リオネル達の下へ戻って来た。


『は~い、2丁あがり~、じゃあ、アリスティド、バトンタッチよ!』


『は、はいっ! い、行って参ります!』


可憐で華奢な容姿に似合わないティエラの圧倒的なパワーに、

気圧されたようになったアリスティドであったが、


気を取り直して、だん!と地を蹴り、猛ダッシュ。

最後のノーマルドラゴンへ近付くと、


どごお!と急所へワンパンチ!

これまたあっさりと、瞬殺していたのである。

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