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第658話「この偉業を成し遂げた事を、誰もが深く深く感謝し、リスペクトしていた」

ドラゴンどもを倒したリオネルとヒルデガルド。

見守り見届け役のアルヴァー・ベルマン侯爵と100名の騎士達とともに、

無事王都リーベルタースへ帰還。

アルヴァーは、アクィラ王国宰相ベルンハルド・アクィラへ凱旋報告を行った。


大喜びした宰相ベルンハルドは兄である国王ヨルゲン・アクィラへ報告をするべく準備に入り、リオネルとヒルデガルドは一旦ホテルへ戻ったのだ。


このタイミングで、リオネルは冒険者ギルドリーベルタース支部マスターである、

マウリシオ・アロンソへ一報を入れた。


今回リオネルの雇用先はアクィラ王国王家。

だが、書類上は冒険者ギルドを窓口として介し手続して、

依頼を発注して貰っている。


それゆえ報奨金を直接リオネル達へ支払うのは冒険者ギルドだし、

リオネルはギルドに対し、依頼完遂報告の義務があるのだ。


……という事で筋を通すべくリオネルから、

「ドラゴンどもを討伐し、先ほど帰還致しました。全員怪我無く無事です。凱旋してからの流れでアルヴァー・ベルマン侯爵閣下とともに王宮へ赴き、先に宰相ベルンハルド・アクィラ閣下へご報告致しました。事後報告となり申し訳ありませんが、冒険者ギルドへもご報告に伺いますのでスケジュールをご連絡をください」

という魔法鳩便の一報を受けたマウリシオ。


マウリシオは、リオネルが凱旋帰還したという報告をギルド職員から受けており、

リオネルの置かれた状況も理解、早速返事を戻して来る。


「とんでもない! 当ギルドへお気遣い頂きありがとうございます! 先に王宮へ討伐をご報告するのは当然でしょう! ヒルデガルド様ともども、お疲れでしょうから、こちらからホテルへ伺います!」


マウリシオの返答&提案を受けたリオネルは、しばし考えたが……

国賓であるヒルデガルドの立場もあるし、

今回はマウリシオの心遣いを受ける事にした。


「こちらこそ、お気遣い頂きありがとうございます。では明日以降で、午前10時から午後4時の間において、お早めにお時間を頂戴出来たらと存じます」


と戻したのである。


そんなやりとりをし、スケジュールを調整。

……結局、翌日の午前11時に、

マウリシオは、サブマスターのエベリナ、レミヒオを伴い、ホテルへやって来た。


事前にホテル支配人へ話を通しておいたので、

会議等に使用する一室が用意され、報告は行われたのである。


いつものようにリオネルが簡潔に説明し、

ヒルデガルドがフォローする形で、話は展開した。


報告を聞いたマウリシオは、


「……成る程。分かりやすくご説明して頂きありがとうございます。本当にお疲れ様でございました。おふたりも、侯爵閣下達も、お怪我もなく無事にドラゴン一体、ワイバーン10体を討伐されたという事ですね」


「はい、討伐した証拠はドラゴンどもの死骸ですが、国王陛下へご報告する際、お見せする形になると思います。なので、その時か、その後で、ギルドへはお見せする事になると思います」


リオネルはそう言ったが、マウリシオは笑顔で応える。


「ははは、大丈夫ですよ。ギルドの討伐データベースには、ヒルデガルド様が倒されたワイバーン、リオネル殿が倒した、ワイバーン、ドラゴンの記録がはっきりと残っておりますから、報奨金支払いの準備をしておきます」


「ありがとうございます、ギルドマスター。宰相閣下が国王陛下へご報告後、こちらへは呼び出しがあると思います。お支払いは全てが終わってからで結構ですよ」


「了解しました、リオネル殿。いつもだと宰相閣下のご連絡は私へ来るのですが、今回はリオネル殿と私へそれぞれ直接来ると思います」


「成る程」


「宰相閣下からご連絡があったら、そのままリオネル殿がご対応して頂いて構いません」


「分かりました、ありがとうございます。それと、討伐がスムーズに終わりましたから、今回の討伐用にご提供頂いた物資が結構残っていますが、ご返却しますね」


「いえいえ、それは差し支えなければ、そのままお持ちください」


「了解です、もろもろ、ありがとうございます」


……これでギルドへの報告は完了。


マウリシオ達が辞去した後、

リオネルとヒルデガルドはホテルでゆっくりと、くつろいだのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


マウリシオへ報告した翌日の午前……


「ヨルゲン・アクィラ国王陛下との会見準備が整った」


と、宰相ベルンハルドから、ホテルへ連絡が来た。

マウリシオが予想した通りである。


直接やりとりして構わないと言われたが、

念の為、リオネルはマウリシオ宛へ一報を入れておく。

宰相閣下からご連絡を頂いたので王立闘技場へ向かうと。


ちなみに『国王陛下に会見』となるのは、初めてベルンハルドに会った時同様、

国賓のヒルデガルドがメインとなるから。


正式には冒険者として受けた依頼ではあるが、

イエーラの主であるヒルデガルドと、

その政治顧問リオネルが受けた『特別な仕事』でもあるのだ。


「冒険者としての立場で今回のご依頼を受ける形になりますが、長きにわたり難儀している国難に対し、第三者たるイエーラの者が立ち向かい、解決するという事実を重く見て頂きたい」


「第三者たるイエーラの者が立ち向かい、解決するという事実を重く見る……」


「はい! 我々がドラゴンどもを討伐した(あかつき)には、閣下のご誠意が発揮され、両国の友好を深めると、ヒルデガルド様と自分は信じておりますので」


この会話を受け、ベルンハルドは単なる冒険者としてではなく、

イエーラが、アクィラ王国の危機を救った事を強く意識したと言えよう。


兄の国王ヨルゲンも弟ベルンハルドの『提案』を喜んで受け入れた。

ベルンハルドの提案とは、ヒルデガルドとリオネルを称え、報奨金を支払い、

英雄たる国賓として大歓迎し、多少譲歩してもイエーラとの交易にも前向きに取り組むというもの。


暗愚な王でなければ、ベルンハルドの提案を受けるのは当然だろう。


長きにわたり苦しんだドラゴンどもは討伐され、国難が解決されただけではなく、

ず~っと鎖国をして来た隣国イエーラが一部とはいえ門戸を開き、平和的友好的に交易を行いたいと申し入れて来たのだから。


一挙両得、渡りに船の気分に違いない。


さてさて!

『お招き』を受けたヒルデガルド、そしてリオネルは、アールヴ族の正礼装をし、

迎えに寄こされた馬車で、王立闘技場へ向かった。


会見するのが王宮ではなく王立闘技場なのは、

討伐し、収納の腕輪に保管しているドラゴンどもの死骸を国王陛下以下に見せ、

確認して貰い、引き渡す為である。


王宮だと、そこまでのスペースがないのと、

保安上などいろいろと問題があるから、

ベルンハルドの判断で当該の場所となったのだろう。


闘技場の正門へ到着すると……

やがて宰相ベルンハルドと侯爵アルヴァーが、ふたり揃って出迎え役とし、現れた。


アールヴ族の豪奢なローヴをまとうリオネルとヒルデガルドに、

誰もが目を見張り、一瞬の間を置いて、大きな拍手が浴びせられる。


拍手をしているのは、召集されたアクィラ王国の貴族達と、

護衛の騎士達に王国軍の兵士達。


まずはベルンハルドが貴族達へ召集をかけ、

討伐の際、見届け役となったアルヴァーと騎士達が、

リオネルとヒルデガルドの『偉業』を彼ら彼女達へ伝えたのである。


この偉業を成し遂げた事を、誰もが深く深く感謝し、リスペクトしていた。


長きにわたり苦しめられたドラゴンどもを、従士達のフォローがあったとはいえ、

リオネルとヒルデガルドがたったふたりであっさりと倒し、

全くのノーダメージで帰還したからだ。


ベルンハルド、アルヴァーに導かれたリオネルとヒルデガルドは、

闘技場フィールドに設けられたアクィラ王国国王ヨルゲンが待つ、

『特別席』へ歩いて行ったのである。

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