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第518話「いよいよ明日だ!」

改めて気を引き締めたリオネルは、地下146階層の探索を続けた。


フォルミーカ迷宮へ入り、ここまで……数多の経験を重ね……

リオネルはこの謎めいた巨大な迷宮が、遥か古き時代に構築された、

不可思議な魔法古代都市だという仮説を立てていた。


その秘密へ向け、自分は確実に近づいているという確信を持ち、

リオネルは進んで行く。


所在こそ異なるものの、同じようなデザインの、ストーンサークル付の古代遺跡は、

おびただしく点在しており……

そのいくつかには、アールヴの魔法使い、イェレミアス・エテラヴオリが使役するゴーレム達の活動した痕跡が残っていた。


やはり、農場たる地下121階層から149階層において、ゴーレム達は生産活動を行っている。

リオネルが目撃したのは果実の収穫のみであるが、それ以外に狩猟、

木材など、資材の調達も行っているやもしれない。


自身が立てた仮説の確信を深めながら、襲って来る数多のドラゴン族、巨人族を退け、リオネルは更に進み、146階層をクリア、147階層へ。


戦闘や、遺跡確認等、わずかな時間の足止めこそされるものの……

進むリオネルを全くの行動不能にするものは皆無である。


階下への階段を発見、確認。


147階層をクリアし、148階層へ、戦い探索し、更に149階層へ……

最終目的の最奥300階層までやっと半分、という状況ではあるが、

ひとつの区切りを迎える事は間違いない。


ここでまたリオネルのレベルが上がった。

『レベル45』となった!!


中間目標のレベル50まで、あと5つ。


そして、これもいつもの事。

リオネルは時間の確認を行う。


今日の探索を開始してから……どれくらい時間が経ったのだろう?と、

リオネルは、改めて愛用の魔導懐中時計を見た。


時計の針を確認すれば、時間は午後4時過ぎ。

いつもの探索終了時刻まで、あと1時間である。


ちなみに、第150階層へ降りる階段は、既に確認済み。


普通の冒険者ならば、気持ちが大いにはやり、一気に第150階層へ突入!

するところだ。


しかし、リオネルの行動ペースは変わらない。


いくら向かうところ敵なし。

無双無敵の状態でも、決して無理はしない。


何度も述べているが、リオネルは石橋を叩いて渡る……否、渡らない性格。

ケースバイケースで思い切りが良すぎる場合もあるのだが、

このような時には、ひどく慎重なのである。


「時間が中途半端だ。う~ん……そうだなあ、当初の148階層到着の予定よりは順調に進んだし、少し早めだが、今日はこれで終了とするか。150階層は明日のお楽しみだ」


リオネルは自問自答すると、魔獣オルトロス以下の仲間達へ念話で連絡。

キャンプ地の場所、その周囲の再確認終了後に、

本日の探索を終了させる事を報せたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


すぐ突入とせず、目前の149階層で、敢えて探索を終わらせたリオネル。


食事を摂った後、オルトロス達を休憩に入らせ、

代わって、ケルベロス、ファイアドレイク、ジズ、ジャン、アスプ達を呼び寄せた。


交代組たる彼らに食事をさせながら、リオネルはじっくりと考える。


長かった121階層から149階層……『地下庭園』の探索もようやく終わると思うと感慨深い。


地下150階層はまた迷宮の仕様が変わる。


冒険者ギルドの地図、及び資料によれば、

元の通りになるというのか、迷宮らしい景色へ戻るというのか、


地下120階層までと同じく、石壁が続く通路と部屋という殺風景な趣きへ、

ガラリと変わるのだ。


そして不可思議な事に、敵は出現しないらしい……


リオネルは改めて、ケルベロス達へ、地下150階層の仕様を説明する。

またこの150階層のどこかで、イェレミアスが自分を待っているはずでもある。


果たしてイェレミアスは、地下150階層のどこで、どのように待っているのか?


どのような人物なのだろうか?


そして、この迷宮の秘密をどこまで知っているのか?


それを教えてくれるのか?


さてさて!


敵が出現しないイコール、地下150階層は安全地帯という意識に冒険者はなりがちだ。


だが、前述の通り、リオネルは慎重かつ用心深い。


地図や資料には記載がないが、敵は出現せずとも、

罠などの仕掛けが皆無であるとは言い切れない。


臆病とか、細かすぎると揶揄されても構わない。


『皆、よ~く聞いてくれ。明日降りる、地下150階層だが……』


リオネルは自分の懸念を仲間達へ伝え、充分に注意するよう、徹底した。


『敵は出現しないというが、俺達にとっては150階層は本当に未知の場所だ。どんな罠や仕掛けがあるやもしれない。151階層へのルートも隠されている。イェレミアスさんとの会見の際も含め、充分に注意してくれ』


真剣な表情で告げるリオネルの言葉を聞き、


反論する者、茶化す者も、ふざける者もなく、

ケルベロス以下、仲間達はまじめに、じっと聞き入っていた。


そんな仲間の様子を見ながら、


いよいよ明日だ!


と、リオネルは迷宮探索の半分に達する事をしっかりと実感していたのである。

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