表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

503/761

第503話「おのおのがた! ……初めてお目にかかる!」

「持った感じ、いつも使ってるスクラマサクスとは全然バランスが違うな……少しずつ慣らして行こう」


リオネルはつぶやくと、ひゅお!ひゅお!ひゅお!と軽く3回ほど振った。


使い勝手は悪くはない。


刀身が大気を切り裂く音が心地よい。


『なあ、ムラマサ』


『うむ』


『お前が居た世界の事は良く分からないが、この世界は剣と魔法の世界、そして俺は魔法剣士だ。剣の刀身へ魔力を込め戦う。お前の刀身へ属性魔法を込めて構わないか?』


『ふむ、属性と言うと、地・水・風・火の四大元素か? 天なる声に教授されたが、この世界では確か、それぞれの属性に、ノーム、ウンディーネ、シルフ、サラマンダーという精霊が存在するはずだ』


ムラマサは即座に答えた。


インテリジェンスソードだけあって、相当な知識があるらしい。


『ああ、ムラマサ。その通りだ。実は俺、全ての属性魔法が行使可能な全属性魔法使用者(オールラウンダー)なんだ。相手により弱点の属性魔法を使い分け、付呪(エンチャント)し、攻撃する。ダメージを増大させ、斬り捨てる為だ』


淡々と告げるリオネルに、ムラマサは驚いたようである。


『うむむ、我の居た世界では、基本的に術者ひとりに各ひとつの属性が、才ある上級者でも、せいぜい、ふたつ……精霊が加護を与えておった。この世界でも、ほぼ同じだと、天なる声から教授されたぞ』


『ああ、こちらの世界もほぼ同じだ。でも俺は、地・水・風・火の四大元素、全ての属性魔法が行使可能だ』


『成る程!! 全ての属性魔法が行使可能な……全属性魔法使用者(オールラウンダー)か!! ……う~む。リオネル、やはりお前は我が見込んだ通り、凄い奴だったのだな』


『いや……話はまだ終わらないぞ。支援や破邪葬送の魔法を付呪(エンチャント)する場合も良くある。4大属性とともに、お前に魔力を込める事に、問題はないのか?』


『ふふふふふ……』


『ん? 何が可笑しい?』


『うむ、わくわくしておるのだ!』


『わくわく?』


『うむ! 凄まじい力を持つお前と旅をするのがな。我を導いた天なる声によれば、我の居た世界より、この世界の方が魔族や魔物は多いらしい。質も量も圧倒的に上だと聞いた』


『そうなのか?』


『ああ! 不死の悪魔も居るというし、お前が倒した竜、巨人など強敵だらけ、我がヤマト皇国で散々斬った鬼など中、下級の魔族にすぎぬ。我はお前と共に戦うのが楽しみでたまらぬわ!』


『そうか。で、お前へ魔力を込める方は大丈夫か?』


『ああ、多分大丈夫だ。我には破邪の魔力が元々備わっておる! そしてな! 我は天からの(いかずち)をまとい、鬼を斬り倒した事がある! それに業火の中で焼かれても、全く平気であったぞ!』


熱く語るムラマサ。


その話によれば……ムラマサは雷撃剣としての経験があるらしい。

そして火には耐性があるという。


魔力を込めた魔法剣は何とか、行けそうだ。


『そうか! じゃあ、ムラマサには大いに期待しよう!』


『うむ、善は急げだ。早速魔力を込めてくれ! お前の懸念を解消するのだ! 敵も居ないようだしな!』


モチベーションアップのムラマサはひどく積極的である。


リオネルはまず地を、そして風、水を、火を、各属性の魔力を、

ムラマサの刀身へ込めた。


当然、最初から100%ではない。

30%……3割程度しか、負荷をかけてはいない。


『うむ、問題ない! 力がみなぎるぞ!』


リオネルは引き続き、地を、風、水を、火を、各属性の魔力を、

50~60%の力で、ムラマサの刀身へ込めた。


『全然平気だ! まだまだいける!』


一気にほぼ倍の魔力となったが、ムラマサは問題がないようだ。


多分これなら80%、約8割くらいの魔力でも問題ない。


リオネルはその後、属性魔法以外、貫通撃、葬送魔法当も同じ加減で試し、

『安全運転』を確認したのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


古代遺跡を探索していたはずのリオネルが、

巨大な波動を発する何者かと一緒に居る。


しかし、その波動に敵意は全くなく、リオネルを(あるじ)として、

忠実に付き従う!と申し立てている。


一方のリオネルも、心を縛られたり、怖れて、助けを求めている様子は全くない。


やがてリオネルは、一緒に居るその何者かへ、様々な魔力を込め始めた。

一緒に居るのは一体、何者?

特殊な杖か何か、魔法行使を補助する発動体なのか?


という、判断をしていた、ケルベルスの弟魔獣オルトロス、ミニマム竜に擬態したフロストドレイク、魔獣アスプ20体の仲間達。


探索を継続していたが、リオネルから参集要請がかかった。


『了解!』


と返事をし、リオネルの現在地とある『古代遺跡』前へ駆けつける。


オルトロス以下、仲間全員が揃ったところで、リオネルは腰から提げた剣の黒さやをぽんぽんと叩く。


その見慣れない形の剣がどうした?


と、いぶかしげな反応の仲間達……


リオネルは声を張り上げる。


とはいっても、ここは心と心の会話、念話を使う。


『皆、紹介しよう! 目の前のこの古代遺跡で出会った! 新しい仲間だ!』


『????????』

『????????』


『彼は俺と約束した! お前達にも改めて徹底しておくぞ』


『……………………』

『……………………』


『彼は俺の指示に従い、約束を守る。仲間たる精霊、妖精、魔物とは争わず、相手を尊重して礼を尽くし、力を合わせ助け合い、仲良くする。俺とかかわり、絆を結んだ者を種族を問わず、守る……以上』


『……………………』

『……………………』


『今の約束を厳守すると誓った彼が、異世界ヤマト皇国より、この世界へやって来たインテリジェンスソード、太刀のムラマサだ。さあ! ムラマサ! 仲間達へあいさつしてくれ!』


リオネルから促され、


『おのおのがた! ……初めてお目にかかる! 我はヤマト皇国より、この世界へやって来た太刀のムラマサだ。先ほどの約束を厳守し、リオネルへ付き従うと誓いを立てた! 今後とも宜しく頼む!』


気合の入ったムラマサは、はきはきとあいさつをしたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《紙版、電子版、ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス)

※第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

《紙版、電子版》

何卒宜しくお願い致します。

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。

今後とも宜しくお願い致します。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》

⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのあ

る王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》

⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』《完結》

も何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ