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第479話「ひたすら戦い、レベルと熟練度アップで、主の実力は相当なものとなるぞ」

一瞬のうちに!


横たわった霜の巨人ヨートゥンは凄まじい魔法炎に巻き込まれ、

復活不可能な塵となっていた。


やはり、アンデッドに絶大な効果を発揮する『破魂貫通撃』が、

ヨートゥンの恐るべき再生能力をほぼ封じているのだ。


生身の肉体を武器とする自分の格闘技は、巨人ヨートゥンにも通用した。


否、通用するどころではない。


圧倒的な破壊力を示した。

特別な魔力を加えたとはいえ、たった2発で、ヨートゥンを絶命させたのだから。


オーガの王たるオーガキングを倒し、格闘技の威力に自信をつけたリオネルだが、

それが確信へと変わったのである。


そして爆炎の制御(コントロール)も完璧に行った!


と、いう事で、まずは1体目討伐!


課題をもろもろクリア!


仲間5体のうち、2体をケルベロス、オルトロスの魔獣兄弟に、もう1体をリオネルに倒され、残りは2体。


憤怒状態のヨートゥン2体であったが、既にリオネルの『破魂貫通撃』を喰らっている。


再生能力は働かない。


しかし、そんな事に思いが及び、冷静に計算、対処出来るほど、ヨートゥンに余裕はない。

仲間を倒され、完全に理性を失っており、

リオネルを捕まえて握り潰すか、巨大な足で踏み潰す事しか考えていない。


ヨートゥンの動きはメチャクチャ、隙だらけ。

加えて、念話から派生したリオネルの読心能力『サトリ』で、意図、考えは全て見透かされていた。


そんなヨートゥンどもの攻撃が、リオネルへ命中するわけもない。


リオネルは、体術、飛翔魔法、そして転移魔法を使い、楽々と避けていた。


本当は身のこなしのみで、攻撃を避けられる。

だがリオネルは体術だけでなく、飛翔魔法、転移魔法の練習をもしていたのだ。


やっぱり、こんな奴の攻撃では、敏捷性や魔法の訓練にはならない。

リオネルは苦笑。


でも、収穫はあった。

巨人族の癖、身体の動きは完全に見切ったからだ。


さあ!

次は2体目、3体目「まとめて」だ!!


至近距離で物理攻撃の次は、同じく!

至近距離で魔法攻撃だ!


ふっと笑うリオネル。


転移(トランジション)!』


言霊を念じるのと同時に、リオネルは2体目のヨートゥンから、

たった3mの位置に居た。


約15mのヨートゥンの正面に浮かぶ形だ。


いきなり目の前に現れたリオネルに、驚愕するヨートゥン。


しかしリオネルは、平然と魔法を行使。


『貫通撃!!! 風弾!!!』


どむしゅっ!!! どむしゅっ!!! どむしゅっ!!!


どぼわっ!!! どぼわっ!!! どぼわっ!!!


大気の重く硬い塊が3発、狙いすましたヨートゥンの急所を、あっさりと撃ち抜いた。


瞬間、またも消えるリオネル。


隣に立つ、3体目のヨートゥンの正面に浮かぶ。


ヨートゥンは慌ててリオネルを捕まえようとするが、間に合わない。


『貫通撃!!! 風弾!!!』


どむしゅっ!!! どむしゅっ!!! どむしゅっ!!!


どぼわっ!!! どぼわっ!!! どぼわっ!!!


再び、大気の重く硬い塊が3発、

3体目のヨートゥンの急所も、的確に撃ち抜いたのである。


再生能力を喪失したヨートゥンなど、文字通りただのでくの坊。


リオネルが、急所を撃ち抜いた2体目、3体目も即死していた。


命を失ったヨートゥンの巨体は、がくっと膝をつき、またはゆっくりと前のめりに、


どどどどどどど~~~~んんんんん!!!!!

どどどどどどど~~~~んんんんん!!!!!


朽木の如く、(たお)れたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


息絶え(たお)れた2体のヨートゥンへの処理は先ほどと全く同じ。


リオネルは有効範囲を絞った爆炎を行使。


どごおおおわあああああんんんんんんん!!!!!!!!!!

どごおおおわあああああんんんんんんん!!!!!!!!!!


横たわった霜の巨人ヨートゥンは凄まじい魔法炎に巻き込まれ、


あっという間に復活不可能な塵となっていた。


「ふう~」


軽く息を吐くリオネル。


と、そこへ、ケルベロス、オルトロスの魔獣兄弟。

火の精霊サラマンダーに擬態したファイアドレイク、

1mの鷹に擬態したジズ、そして20体のアスプが戻って来た。


リオネルの戦いを離れた場所から見守っていたのだ。


ケルベロスが言う。


(あるじ)! まだ戦っていない敵も居るが、ヨートゥンを倒した事で149階層までは、順調に踏破出来そうだな』


そしてオルトロスも、


『兄貴の言う通りだ。油断さえしなければ、この先、しばらくは全く問題ない。ひたすら戦い、レベルと熟練度アップで、主の実力は相当なものとなるぞ』


『!!!!!!!!』


『!!!!!!!!』


ファイアドレイク、ジズも『この調子で行こう!』とエールを送って来た。


微笑んだリオネルは、その後も地下122階層の探索を順調に続け、

午後5時には123階層へおりたのである。

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