表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

468/761

第468話「意思を持つといわれる『ゼバオトの指輪』が、リオネルを認めつつあるのだろう」

丸一日かけて、地下121階層を探索したリオネル。


獣頭の巨人フォモール、ノーマルタイプのドラゴン、

南方の動物ワニのようなタラスクス、

ドラゴンが不死(アンデッド)化した、ドラゴンスケルトンにドラゴンゾンビ。

オーガの上位種オーガキング、妖精の成れの果てと言われるトロルなどと戦った。


……時間は既に午後5時となっている。


いつもの探索ペースなら、リオネルは、さっさと先へ先へ進む。

だが、本日は自重した。


……まあ、これは予定通りだともいえる。


様々な地形に慣れる為、121階層の探索にたっぷり時間をかけた事もあり、

122階層へは下りず、このままキャンプをする事に決めたのである。


今夜は、どこでキャンプを張ろうか。

リオネルは少し迷う。


当初考えていたのは、様々な地形の中にぽつぽつとある、

迷宮の『小ホール』のような少し広めで平坦な『空き地』である。


リオネルは探索中、キャンプ候補として、

これは! と思う『空き地』のいくつかには、

照明魔法の応用で『帰還マーキング』を施してあった。


そもそも、リオネルの記億力は抜群であるし、

たとえマーキングしなくても、押さえておいた候補地はすぐに見つかるだろう。


しかし、リオネルは、用心深く用意周到である。


『帰還マーキング』を施してあれば、呼び出している魔導光球が、

マーキングした場所へ、一目散へ飛んで行って位置知らせてくれるのだ。


それを踏まえた上で、リオネルは、もう少し考える。


本日探索した様々な地形を思い浮かべる。


大木がうっそうと生い茂った深い密林……

川や沼、湿地のそば……

峡谷のような岩場……

荒涼な砂漠……


リオネルは苦笑し、首を横へ振った。


う~ん。

キャンプ地に、完璧にアジャストする場所がないなあ。


キャンプ設営の難度と、敵襲からの守りを考えると、どこもかしこも一長一短。

メリットデメリットが混在していた。


迷って、少しだけ考えたが……


結局、リオネルは『小ホール』のような『空き地』に決めた。


ただ、いったん決めれば、行動は早い。


すでに122階層への出入り口――階段は、確認済み。

『帰還マーキング』ではない、目印も立ててある。


転移魔法があるので、キャンプ地は、階段から距離があっても問題ない。


発動すれば、瞬時に仲間ともども移動出来る。


仲間を促したリオネル、転移魔法を発動する。


『さあ! 皆、行くぞ! 転移(トランジション)!』


探索の結果、発見したいくつかの候補の中から、

これはと目をつけていた第一候補の『空き地』へ跳んだのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


……手早くキャンプの支度を終え、

自分と仲間の食事の支度をしながら、リオネルは告げる。


『いつものように役割分担だ。巡回組と待機組に分かれてくれ。巡回組は索敵と防衛、迎撃を。待機組はメシの支度が出来たら、どんどん食べてくれ。食べたら巡回組と随時交代だぞ』


ケルベロス達は、個々に指示を出さずとも、リオネルの意を汲み、自ら動く。

それがまた、絶妙と言いきって良いくらい適材適所なのだ。


やがて食事が終わり……


妖精ピクシーのジャンを肩に乗せたリオネルは、仲間達とミーティングへと入る。


この打ち合せは、自身と仲間の慰労も兼ねている。


……先ほど、ケルベロス、ファイアドレイク、アスプ10体が戻って来て、

食事を終えていた。


入れ替わりの巡回組、オルトロス、フロストドレイク、別のアスプ10体は、

現在、索敵と防衛、迎撃を行っている。


行われているミーティングの内容は、昨夜とほぼ同じだが、

実際に戦った魔物との感想、意見が交わされていた。


誰もが、リオネルの意を汲み、感想は勿論、

忌憚のない意見を告げて来る。


人間的な視点、価値観と全く異なるものも多く、

リオネルは戸惑うとともに、良き学びの機会だと前向きにもなる。


以前から、仲間の意思を読み取り、理解出来るようになったリオネルだが、

最近は、手に取るが如く、意思疎通が可能となった。


これらのコミュニケーション円滑化は、

至宝『ゼバオトの指輪』が持つ絶大な力の一環かもしれない。


意思を持つといわれる『ゼバオトの指輪』が、リオネルを認めつつあるのだろう。


なんやかんやでミーティングが終わり……


珍しくケルベロスが軽口を叩く。


(あるじ)


『ん? 何だい、ケルベロス』


『しばらくは、夜、暗闇がない世界が続く。明るくて眠れるのか?』


もっともな質問である。

暗くしないと眠れないという冒険者は多いという。


対してリオネルは微笑む。

全然問題なしという表情である。


『大丈夫、俺は明るい場所で眠る訓練をしたし、これもある』


リオネルが、ディバッグから取り出したのは、

睡眠の魔法が付呪(エンチャント)された、

目覚ましタイマー付きの特製アイマスクだったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《紙版、電子版、ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス)

※第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

《紙版、電子版》

何卒宜しくお願い致します。

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。

今後とも宜しくお願い致します。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》

⛤『絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚』

⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』


も何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ