表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

354/759

第354話「リオを怒らせたら、あんた瞬殺されるから、マジで! 覚悟して!」

『はい、ワーム達が輪切りにされ、燃やされるイメージを見せました』


リオネルはそう言うと、呆然とするティエラへ対し、にっこりと笑った。


しばしの間、呆然としていたティエラであったが……やがて柔らかく微笑み、


『うふふふふ♡ あははははははははっっ!!』


更に含み笑いし、終いには大笑いしてしまった。


そして、いたずらっぽくも笑う。


『さすがね、リオ♡ 私のリクエストに最高の形で応えてくれたわ。そして改めて感じた。リオは学習能力が高いだけでなく、応用能力にも優れているって』


『いやいや、ティエラ様。ほめすぎですよ』


『ううん! リオは天性のセンスがあるって! 今、ワームに使った白昼夢だって、もっと強烈なイメージ……例えば、冥界の責め苦みたいにシビアに見せれば、相手にはとんでもないダメージを与えられるよお』


『ああ、そうですね。勉強になります、ありがとうございます』


可憐で愛くるしい上に、表情が豊かな方だ……母性も感じ、温かく柔らかい。

凛とした気高き美少女、クールビューティなオリエンス様とは対照的だなあ……


と思いながら、リオネルは言う。


『じゃあ、気絶したワーム達をそろそろ目覚めさせましょうか』


『うふふ♡ 宜しくう♡』


『了解です』


リオネルは、特異スキル『リブート』……再起動、レベル補正プラス40を行使する。


気絶していたワーム達は、ぴくぴくっと身体を震わせると、徐々に身体を動かし始める。


『うふふ♡ リオったら、アフターケアもばっちりね♡』


動き出したワーム達を満足そうな表情で見つめていたティエラ。

更に言う。


『直接気絶させられたワーム達は勿論だけど、この件はすぐ知れ渡るから、他の地の眷属達もリオに一目二目どころか、お父様や私に準ずるくらい、畏怖する事になるわ』


『畏怖するって……俺、そんなに怖いですかね?』


『うん! 怖いと思う』


『いや、怖いと思うって……』 


『リオはまだ本気で怒った事がないものね』


『そうですか』


『ええ、そう。本気で怒った時は相当怖いと思うよ』


『あはは、じゃあ怒り過ぎて暴走しないよう気を付けますよ』


『うふふ♡ 大丈夫よ、リオならね』


ティエラは満足そうに言い、頷くと、


『私の期待に、いえ、期待以上に見事応えたリオにご褒美をあげる♡』


『ご褒美……ですか?』


『ええ! オリエンス様に負けてはいられないからね!』


『ええっと……』


そんなに張り合わなくともと思ったリオネルであったが、

余計な事は言わぬ方が良いと感じた。


「オリエンス様に負けてはいられない」と言い放ったティエラは、

いかにも嬉しそうに笑っていたからだ。


『私からもリオへ、新たな従士を授けるわ。地の眷属の精鋭たる者をね!』


ティエラはきっぱり言い放つと、すっと右手を挙げた。


すると!

目の前の空間が不可思議に割れて行く……


『地の最上級精霊ティエラの名において命ずる! 出でよ! 双頭の魔獣オルトロスよ!』


ぐっはああああああああ!!!


ティエラに(いざな)われ、重低音の咆哮とともに現れたのは……

体長10mをゆうに超えた漆黒の巨体にふたつの首を持ち、

たてがみの全てと尾が蛇という、たくましい魔獣オルトロスである。


オルトロスは実力、見た目とも怖ろしい魔獣であるが、

従士ケルベロスの本体を見た事のあるリオネルは、何とか臆さずに済んだ。


ティエラはリオネルを指し示し、声を張り上げる。


『地の眷属たるオルトロスよ! 彼がお前の新たな主人、リオネル・ロートレックよ。兄ともども忠実に! 心して仕えなさい!』


そう!

魔獣オルトロスは、リオネルの従士ケルこと魔獣ケルベロスの弟なのである。


ぐっはああああああああ!!!


(あるじ)ティエラの命令を聞き、『御意!』とばかりに、オルトロスは咆哮したのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 


リオネルに仕える事を受け入れたオルトロスを見て、

ティエラは満足そうに微笑む。


そしてピン!

と、鋭く指を鳴らせば、

オルトロスはケルベロス同様、みるみるうちに灰色狼へ擬態した姿となった。

ちなみに大きさはケルベロス同様、体長2m体高1mほど。


但し、ケルベロスがグレーと黒が混在した毛並みなのに対し、

本体同様、漆黒の毛並みである。


オルトロスは、早速、念話で話しかけて来る。

リオネルを値踏みするような目つきである。


『おう! あんたが、リオネル・ロートレック様かい。ティエラ様のご命令だから、仕方なく従うぜ。今後とも宜しくな』


『ああ、こちらこそ、宜しく』


教師然とし、礼儀正しいケルベロスと比べ、

言葉遣い、態度など、こちらは少し『やんちゃ系』らしい。


そんなリオネルの気持ちを見抜いてか、オルトロスは、言い放つ。


『おい、リオネル様よ! 兄貴には絶対に負けないからな! えこひいきはしないでくれ!』


『分かった』


ここで口をはさんだのがティエラである。

腕組みをし、キッと鋭い視線でオルトロスをにらむ。


『こら、オルトロス! あんた生意気! 態度最悪! 私がさっき、忠実に! 心して仕えなさい! と言ったのを忘れたの?』


びしびしと叱責するティエラ。

オルトロスは、鼻を鳴らし、平身低頭状態となる。


『は、ははっ!』


『ワーム達は手加減して貰ったけど、リオを怒らせたら、あんた瞬殺されるから、マジで! 覚悟して!』


『はいいっ!!』


『あんた達兄弟が命令違反や粗相をしたら、他の界王や精霊達にお父様や私まで侮られるのよ!』


『ははは~~っっ!!』


ケルベロスの弟にして、冥界の魔獣も形無し。

ティエラの貫録は、半端なものではなかったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス刊

宜しければ、第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。

HJノベルス様公式サイトでは試し読みが可能です。

お気軽にどうぞ!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス刊)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。


またこちらの「Gファンタジー」様公式HP内にも特設サイトがあります。

コミカライズ版第1話の試し読みが出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版がご愛読可能です!

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、他作品のご紹介を。


新作を公開しました。!


⛤『異世界ゲーム転生! モブ転生した俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』


そして下記の作品も宜しくお願い致します。


⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》


⛤『気が付いたら下僕!隙あらば支配!追放大歓迎!実は脱出!マウントポジション大好きな悪役令嬢よ、さようなら!の俺が幸せになるまでの大冒険物語!』《完結》


⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》


他の作品もありますので、何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ