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第311話「村民達が感じる幸せを、己自身の幸せのように」

正門を左右の出入り口同様、地属性魔法の岩壁でふさぎ、

砦の出入り口全てを完全に封鎖したリオネル。


ふさぐのに生成した岩壁は硬めに仕上げてある。

地の最上級精霊ティエラの加護もあるせいか、発動はスムーズであった。


これで、この砦が魔物に不法占拠されるリスクは大幅に減るはずだ。


自警団団長曰はく、今後は時たまパトロールし、異常がないか、

確認するという。


正門を完全にふさぐと、リオネルとジェローム、村長達4人は馬車に乗り込み、

ケルベロスに先行させながら、オークに荒らされた農地へ移動した。


時刻は、午前6時30分近くとなっている。


移動中、リオネルは、

作業をしている間、農地の周辺に魔物や肉食獣が近づかないよう、

ケルベロスに巡回を命じていた。


砦から30分弱で、農地に到着。


村民達は既に、無残な姿となり果てた農地へ集合していた。


馬車から降りた村長が、砦におけるオーク討伐の完遂確認報告をし、

大きな声を張り上げる。


「もう大丈夫だぁ! 脅威は去ったぞぉ!」と伝えたら、


村民達からは


「「「「「お~~~~!!!!」」」」」


と、大歓声が上がった。


大きく手を打ち振り、飛び上がって喜んでいる者も数多居る。


「めでたしめでたし」という事で、興奮が収まると、

早速、全員で農作業にとりかかる事に。


まずリオネルは、村長に頼み、村民達を一旦農地から出して貰う。


次にゴーレム全20体を出し、耕作用のアタッチメントをつけ、フル稼働!

パワー全開で、荒らされた農地を一気に整地。


更に(うね)まで、あっという間に作ってしまった。


作物こそ植わっていないが、みるみるうちに、

文字通り整然として綺麗になった農地。


「「「「「お~~~~!!!!」」」」」


と、村民達からは、再び大きな歓声が上がった。


村長以下、村民達は勿論、

ジェロームもゴーレムの手際の良さとパワーにびっくりしたのだ。


「さあさあ! 単に驚いているだけじゃ、作物は実らないぞ! 割り振りした役目通りに作業するのだ!」


「村長の言う通りだ。もしも不明の点があれば、遠慮なく尋ねてくれ!」


驚く村民達に対し、大きく声を張り上げる村長と助役。

農地の作付け等の差配は、村長、助役の役目なのである。


「「「「「お~~~~!!!!」」」」」


対して、またまた同じく大きく声で応える村民達。


その様子を見ていたリオネルとジェローム。


「よし! ジェローム、俺達も農作業を手伝おう。村長さん、助役さんに具体的な指示を仰ごうぜ」


「お、おう!」


リオネルは、村長と助役に指示を貰い、農作業を手伝い始めた。

ジェロームにも手取り足取り、いろいろ教え、農作業をして貰う。


やがて、時間が経つにつれ……

スタミナ抜群で全然ばてないジェロームが、

農作業のコツを飲み込み、スムーズに作業。

一緒に作業をする村民と仲良く笑顔で話すようになる。


「頃合いだ」と思ったリオネルはことわって、農作業からフェードアウト。

残っていた仕事を行う。


……残っていた仕事、つまり農地の四方へ移動し、地属性魔法を行使、

防護用の岩壁を出現させたのである。


……当然、魔法杖で行使するふりをしていたのは言うまでもない。


ちなみに防護壁への最終仕上げは、建築用アタッチメントを装着し直した、

『石工仕様のゴーレム』に整えさせるつもりだ。


農作業中の村民達は、いきなり現れた大きな岩壁に驚いたが……


ここで村長と助役がフォロー。


大きく「ぶんぶん!」と手を打ち振り、


「お~い!! リオネル様が!! 地の魔法を使い!! 魔物、獣が入って来れない頑丈な防護壁を造ってくださるぞぉ!!」


「皆の者ぉぉ!! これからは!! 安心して農作業が出来るぞぉ!!」


と喜びの声を張り上げた。


「「「「「お~~~~!!!!」」」」」


村長と助役の言葉を聞いた村民達は何度も何度も大きな歓声をあげ、

更に張り切り、農作業を続けたのだ。


一方、ジェロームは、リオネルの魔法を見て「さすがだな!」と思いながら……

……昨夜思い描いた通り、喜びあふれる村民達の晴れやかな笑顔に囲まれ、

楽しく農作業を続けた。


そんなこんなで、農作業は万事が万事上手く行き……

整地され、畝が作られた農地には作物の植え付けが完了。

リオネルとゴーレムにより、農地を囲む頑丈な防護壁も完成していた。


その後、リオネルが作業を手伝った灌漑設備(かんがいせつび)も順調に稼働。


作業は夕方までかかったが、それでも通常よりは、とんでもなく早く終了した。


明日から、村民達はこの農地で働く事が出来る。


「お疲れ様あ!」

「お疲れさん!」

「お疲れっす!」

「お疲れ様でしたあ!」


村民達と(いた)わりの声を掛け合う、リオネルとジェローム。


農作業は何度も経験のあるリオネルは勿論、

ジェロームは初めて味わう達成感に心身を満たしていた。


オークの討伐から得た達成感とはまた違う喜びである。


村長と助役は、その夜、オーク討伐と、農地復興&農作業成功を祝し、

事前に用意していた、村民総出の宴……祝勝会を催してくれた。


大きくたかれた『かがり火』の周囲で、飲み食い歌い踊り……

リオネルとジェロームは歓喜の渦に巻き込まれ、

村民達が感じる幸せを、己自身の幸せのように感じたのである。

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