表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

310/759

第310話「オーク討伐の依頼は見事に完遂された」

元騎士のジェロームが、村民とともに働く農作業を楽しみにしていると分かり、

リオネルは、とても嬉しくなり、自分もすぐ眠りへ入った。


……翌朝、まだ真っ暗な午前3時に起床したリオネルとジェローム。


起きてすぐ、本日行動する内容のすり合わせを行った。


今日はまず、オークを討伐した砦へ向かい、村長達立ち合いのもと、依頼完遂の確認を行う。


その後、オークに荒らされた村の農地へ移動し、待機している村民達と合流。

全員で、大規模な農作業をする予定となっている。


リオネルとジェロームは冷たい井戸水で顔を洗い、くしで髪を整え、

愛用の防具、革兜を被り、革鎧に身を固め、同じく愛用の武器を装備。

トータル30分かからずに身支度を完了した。


「おはようございます!」

「おはようございます!」


やがて村長、助役、自警団団長、副団長が、宿舎へやって来て、

朝の挨拶が飛び交い、6人は、リオネルがワレバットでレンタルして、村まで乗って来た馬車に乗り込んだ。


御者役は、リオネルが務める。


御者台にリオネルが座り、その傍らにジェロームが座り、

村長達は馬車の荷台へ乗った。


そうこうしているうちに、少しずつ夜が明けて来て、空が明るくなって来た。


遠くから、起き出した鳥や獣の声が聞こえるが、

今までのようにオークどもに怯えた声ではない。

夜明けを歓迎した元気な声だ。


リオネルは馬に当てず、鞭を鳴らし、音だけで合図。


馬車はゆっくりと村内を走り、村長の指示で、門番に正門を開けて貰い、

村道へ……


召喚(サモン)


ここでリオネルは、召喚魔法でケルベロスを呼び出した。


わお~ん!!


殺気のない、咆哮とともに、

体長2m、体高1mの灰色狼風ケルベロスが、魔方陣から勢い良く出現!

巨体が躍り、とんでもない速度で走り出して行く。


以前、ケルベロスを『使い魔』として、見せた事。

本日砦へ赴く際、索敵、敵の排除を命じたと、昨日の食事の際、告げた事もあって、

馬車に同乗した村長達は、ケルベロスに驚いたり、動揺はしない。


否、まだ薄暗く、周囲をうっそうとした森に囲まれた村道を走るのに、

却って、心強く頼もしく感じているようだ。


村長達の期待通り、ケルベロスが周囲を、威嚇しながら走った事もあって、何も起こらない。


馬車は、妨害もなく順調に走り、進んで行く。


昨日リオネル達は、馬車が通りやすいように、

けもの道の石をどけたり、草刈りをしておいたので、走行はスムーズだ。


しかし、オークに占拠されていた砦に近づくにつれ、村長達は緊張して来た。

少し身体が強張っているようだ。


村は長年オークどもの脅威に散々さらされていたので、

心身に恐怖がしみついているかららしい。


40分ほど走り……馬車は砦前の森に到着した。


ここでケルベロスが、リオネル達の下へ戻って来た。


少し離れた場所に見える、旧き砦は静まり返っている。


ケルベロスに先導させ、リオネル以下、6人は用心しつつ、砦へ近づいた。


そのまま砦の周囲をざっと1周する。

村長達は、おっかなびっくりという感じ。


リオネルにより、3か所全ての出入り口はふさいであった。


出発してからず~っと索敵を行っており、オークの気配は当然ない。

昨日の今日だし、オークが全て倒されてから、新たな侵入者も居ないはず……


しかし、慎重なリオネルは、索敵を最強最大レベルにして、改めて探った。


結果、やはり異常はない。


リオネルは収納の腕輪から鋼鉄製ゴーレムを10体出し、起動した。


ゴーレムにより、正門の岩と土をどかし、砦の中へ入る事に。


村長達は緊張がMAXに達している。


無理もないと思ったリオネルは念の為、回復魔法『全快』を全員へ行使。


「おおお! これはあ!」


村長達はリオネルの回復魔法に驚愕しつつ、大喜びした。

恐怖感は完全に無くなるわけではないが、体力が回復し、気持ちも前向きとなったからだ。


リオネルは、ケルベロスとゴーレムへは、リスク回避の為、万全を期して、

護衛として6人を先導する事を命じた。


準備万端の上で、砦内へ入ってみれば……

内部の様子は全く変わっていない。


依頼完遂確認用の、討伐されたオークの死骸10体余りも、

そのまま片隅に積み上げられてあった。


リオネルとジェロームは安堵した。


一方、おぞましさに顔をしかめながらも……村長達4人はオークの死骸を確かめる。


「うっわ! こんな奴ら、良く倒せましたねえ……」


オークの死骸は、ノーマルタイプよりもやや大型の上位種が多い。

凶悪な顔を、間近で見る事が少なく、オークに慣れない一般人には迫力満点だ。


やがて確認は終わり……オークの死骸は葬送魔法『鎮魂歌(レクイエム)』で塵にされた。


無詠唱、神速、円滑。

リオネルが葬送魔法を使う手際は、3拍子揃い、極めて鮮やかだ。


結果、積み上げられていたオークどもの死骸が完全な塵となり、跡形もなく消失。


村長達がホッと安堵したのは言うまでもない。


次は、建物内へ入っての確認となる。

討伐すべきオークが残っていないか、見届けるのだ。


はっきり言って、オープンな野外より、

オークが巣食っていた荒れ果てた屋内へ入る恐怖は、けた違いに大きい。


「うう、お、怖ろしい。仕事じゃなきゃ、ぜ、絶対に入るのは無理だよ……」


村長達は、ガタガタ震え、相当びびっていた。


だが、役目上仕方がない。

オークが全滅した事を見届けて貰わねばならないからだ。


ゴーレムを残し、6人とケルベロスは砦本館を始め、各所の内部を回った。

リオネルは照度が高い魔導光球を呼び出し、建物内を照らしたので、

村長達の恐怖は(やわ)らいだようである。


当然オークどもの姿はなく、1時間余りかけ、村長達の確認は無事終了。


「も、問題ありません。リオネル様、ジェローム様、本当にありがとうございました」


こうして……

リオネルとジェロームが受諾した、オーク討伐の依頼は見事に完遂されたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス刊

宜しければ、第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。

HJノベルス様公式サイトでは試し読みが可能です。

お気軽にどうぞ!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス刊)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。


またこちらの「Gファンタジー」様公式HP内にも特設サイトがあります。

コミカライズ版第1話の試し読みが出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版がご愛読可能です!

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、他作品のご紹介を。


新作を公開しました。!


⛤『異世界ゲーム転生! モブ転生した俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』


そして下記の作品も宜しくお願い致します。


⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》


⛤『気が付いたら下僕!隙あらば支配!追放大歓迎!実は脱出!マウントポジション大好きな悪役令嬢よ、さようなら!の俺が幸せになるまでの大冒険物語!』《完結》


⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》


他の作品もありますので、何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ