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第247話「朝のひと時」

英雄の迷宮を探索し、依頼を完遂。

ブレーズとゴーチェも無事に送り届けたリオネル達。


打ち上げパーティー後、良い気分で就寝。


ちなみに全員へ支払われる分金貨635枚はとりあえず共用の金としてキープ。

改めて、使い道を考える事となった。


さてさて!

久々に自宅でぐっすり眠ったリオネル。


ひとりだけ、午前5時前に起き、朝食の下ごしらえをした後、

自室で、明日からの予定をいろいろ考えた。


やりたい事がたくさん、ありすぎる。


嬉しい悲鳴といえる。

困ったものである。


正直、すぐに王都の街中で転移魔法を試してみたいのが本音だ。


だが、今後の事もあり、

俯瞰的(ふかんてき)に考える。


フォルミーカ迷宮へ行く事を前提にすれば、

まずは習得した魔法、スキル、武技等の熟練度を高めながら、

更なる上達を目指す為、冒険者ギルド総本部の上級講座も受講しようと考える。


何故ならば、リオネルが習得した数多の技法は、

『エヴォリューシオ』等のスキルにより、

直接『心』に刻まれるという特殊なケースが多い。


その上で、敵との実戦を積みながら、知識のある技能はそれを活かして、

未知の技能は我流の自己判断で、上達して行くというパターンである。


対して、冒険者ギルド総本部の上級講座は全てにおいて、王道的に教授する。

正統にと、言い換えても良い。


もしも訓練に行き詰った際、一旦立ち止まり、正しい方法を模索する為、

第三者たるプロフェッショナルの指導は知識を蓄える事も含め、

必須だと、リオネルは考えたのである。


だが、当然ながら、講義受講に明け暮れてばかりでもいけない。


仕事をしながら、人目のない郊外で思う存分実戦が積めるのは、

……うん! あの仕事しかない。

皆を誘ってみて、駄目なら他の方法を考えよう。


と、思いながら……

受講する講義の科目を考える。


冷静な判断以外に、己の好みが入るのは致し方ないと、

リオネルは苦笑した。


つらつらと考えているうちに考えはまとまった。


……やがて、モーリス達が起きて来た。


「おはよう! リオ君、いつも早いな」


「おはよう! リオさん! お腹空いた!」

「リオさん、おはようっす! 腹減ったっすう!」


モーリスは普通に挨拶、ミリアンとカミーユは「空腹」を訴える。


姉弟は自分達でも朝食を作るのだが、

料理上手のリオネルに甘えているのは明白である。


微笑んだリオネルは考えるのを中断。

厨房へ入り、支度をし、ささっと、朝食を作った。


昨日買っておいた、香ばしいライ麦パンを魔導トースターで温めながら、

野菜がたっぷり入ったコンソメスープを煮込み、

肉汁たっぷりのウインナーソーセージを茹で、

新鮮な卵でスクランブルエッグを作る。


飲み物は温かい紅茶。


朝食が出来上がり、4人はテーブルへ。


元司祭のモーリスが創世神へ感謝の祈りをささげ、朝食は始まった。


依頼を完遂し、打ち上げパーティーを行ったばかりで、のんびりモード。

話すのは他愛もない内容だ。


ミリアンが話しかけて来る。


「リオさん」


「何だい、ミリアン」


「私たちにさ、あれだけ多額の討伐報奨金を払うって、不思議じゃない?」


ミリアンの問いかけに対し、リオネルは同意する。


「ああ、確かに不思議だな」


ふたりの言う不思議とは……

冒険者ギルドが魔物討伐報奨金を支払う趣旨である。


魔物討伐報奨金を支払うのは、人々が野外で魔物から害を受けるのを減らす為だ。


迷宮の奥深くに不可思議に「湧く」魔物は、こちらからわざわざ出向かない限り、

人間などに害を与える事はないからだ。


「まあ、他の冒険者からの受け売りもあるし、俺の推測だけど……」


と、リオネルは前置きしながら言う。


「しばらく前に導入された自動討伐カウンターは凄く便利で優秀な魔導システムだ」


「うん! 確かに」


「いちいち魔物の部位など、討伐の証拠を持ち込まないでも、倒したら、所属登録証へ自動的に記録してくれる。昨日の確認で分かる通り、精算も簡単だ」


「だね!」


「しかし普通の野外、迷宮と細かく区別すると、更に仕組みが複雑となり、システムを動かすのが大変になる。加えて、トラブルも発生するかもしれない。そう聞いた事がある」


「成る程ねぇ」


「それと、英雄の迷宮に関しては、観光的な意味もあると思うよ」


「え? 観光的?」


「ああ、アリスティド様がかつて修行した、いわれのある歴史的な迷宮、もしかしたら、凄いお宝が眠っているかもしれないという期待が持てる……という大きな魅力が、あの英雄の迷宮にはあるからだ」


「確かに!」


「迷宮の内部もそうだし、それ以上に迷宮真上にある『ヘーロースの町』は、大賑(にぎ)わいさ。それなのに、苦労して迷宮の魔物を討伐しても、安い報奨金しか得られないんじゃ、町へ来る人数は間違いなく減る」


「だよねぇ」


「ああ、『ヘーロースの町』を来訪する冒険者や観光客が使うお金で、既定の報奨金を出しても、しっかりペイ出来る。一番多く人が居る浅い層の魔物は倒しても、報奨金が安いし、そんなに金銭的ダメージはない」


「うん! 納得!」


リオネルとミリアンの会話を、モーリスとカミーユも笑顔で頷きながら、

朝食を美味そうに食べている。


頃合いだと考え、リオネルは今後の予定に関し、提案をした。


結果、提案は好意的に受け止められ、

全員でリオネルの予定に沿って、動く事となったのである。

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