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第232話「リオネル君はちゃんとしてる! そういう事ですよ」

「お~い!!」


リオネルは大声を出し、手を打ち振った。


「わああああんん!!」

「わあおおおおお!!」


号泣しながら、駆け寄ったミリアンとカミーユは、

がっし!と、リオネルへ思い切り抱き着いた。


「リオさんが生きてたよぉぉぉ!!! わああああんん!!」


「リオさあんん! 生きていたっすぅぅ!! 本当に良かったっすぅぅ!!」


モーリスは双子姉弟の後に続き、リオネルの下へ駆け付けた。

抱き合う3人を見つめ、何度も頷いている。


「うむ、うむ! リオ君がけがもなく無事で、本当に良かった!」


ブレーズはモーリスの後に駆け付け、


「ははは、やはり無事でしたか?」


とクールに笑いながらも本当に嬉しそうだ。


最後に走って来たゴーチェも、


「ま、リオネル君が死ぬなど、俺は毛ほども思っていなかったがな! がははははははは!」


と、豪快に笑った。


……ひととおり落ち着いたところで、ブレーズがリオネルへ言う。

相変わらず笑っているが、悪戯っぽい笑みに変わっている。


「リオネル君」


「はい」


「君、途中まで気配を消して、我々へ接近しましたね? 隠形と忍び足のスキルを使いましたか?」


「はあ、少し……」


「ふふふ、試しましたね? 自分の能力がどこまで通用するのか、特に私へ……しっかりしていますねえ、スキルの実践トレーニングですか?」


「はあ、すんません」


やはりというか、ブレーズに、リオネルの意図は見抜かれていた。


次にモーリスが問う。


「リオ君!」


「はい」


「一体今まで、どこに居たんだ?」


「はあ……地下9階層フロアへ飛ばされていました」


「おお、この下にか!」


「はあ、幸い無傷でしたので、魔力感知と地図を併用し、ここ8階層への階段を探し、見つけ、上がって来たという次第です」


「おお! そうだったか! ケガがなく無事で、本当に良かった! 敵は出なかったのかい?」


「はい、ぼちぼち出ました。戦ったり、やり過ごしたりしてクリアしました。ついでに地下9階層の探索と公式地図の確認を全て終了しました」


「おお! ついでに!? そりゃ、凄いぞ! 良くやった、リオ君! では後、私たちは最下層10階層へ行くだけだな! それで依頼は完遂だ!」


「はい、ですね、モーリスさん。ところで地下8階層の探索と確認はどうなっています?」


「うむ! ブレーズ様、ゴーチェ様のご尽力もあり、先ほど終了した。リオ君を捜しながら探索していたのだ。今、まさに地下9階層へ降りようと話していたところだよ」


「あはは、じゃあ、本当にちょうど良かったです。ジャストタイミングですね」


傍らで聞いていたゴーチェが呆れていた。

苦笑している。


「はあ? 生きて戻っただけじゃなく、リオネル君は、9階層の地図確認までして来たのか? ジャストタイミング? 何じゃ、そりゃ!」


リオネルとモーリスのやりとり、そしてゴーチェの呆れ顔を見て聞いて、

ブレーズは面白そうに笑う。


「ははははは、リオネル君はちゃんとしてる! そういう事ですよ、ゴーチェ」


そして、号泣していたカミーユは、泣き止むと、

心配そうにリオネルを見つめ、


「本当にリオさんっすよね! まさか、亡霊とかじゃないっすよね?」


などと言い出した。


リオネルは柔らかく微笑み、言う。


「ならばカミーユ、俺に破邪聖煌拳の奥義『破魂拳』を撃ってみろよ」


対してカミーユは大きく頷き、


「分かったっす! リオさんが不死者(アンデッド)じゃないか、確認させて貰うっす!」


と、『破魂拳』をリオネルへ撃った。


破邪の魔力がリオネルを貫いた。


魔法使いではない、カミーユだが、

体内魔力を使って放つ破邪聖煌拳の奥義『破魂拳』を習得している。

この奥義を使い、英雄の迷宮において何度も、不死者(アンデッド)と戦った。


しかし、『破魂拳』は通常、生者には何も影響を及ぼさない。


当然リオネルには何の変化もなく、平気であった。


「もう! カミーユはシーフの癖に、リオさんが無事だって事も見抜けないの? 馬鹿ね!」


と、姉ミリアンは苦笑していた。


ここで、リオネルが愛用の懐中魔導時計を取り出し、時間を見た。

午後1時30分を超えたところである。


「提案です。まだ時間は早いし、今すぐ地下10階層へ行きたいのはやまやまですが、今日はいろいろあったし、一旦、5階層へ戻り、休んで明日の朝、出直しませんか?」


リオネルの申し入れに対して、モーリスは大きく頷く。


「たっぷり期日も残っているし、リオ君が地下9階層の探索も終わらせてくれた。私も賛成だし、今日に関してはリオ君を(いた)わり、メンバー全員を休ませたい」


とリオネルに同意し、ブレーズとゴーチェへ、


「いかがでしょう? ブレーズ様、ゴーチェ様……そういえば、いつまでにおふたりをワレバットへ帰還させるとタイムリミットをお聞きしていませんでしたな。公式地図確認依頼の終了優先で考えていましたが」


対してブレーズは、


「はい、あくまでも私たちのワレバット帰還依頼は、本件に付随するオプション依頼、まずはギルド総本部公式地図の確認依頼優先で構いません」


と、にっこり微笑んだ。


ローランドと同じく超が付く多忙なブレーズではある。

だが……リオネルの能力を見極め、

貴族家婿入りを説得するのが最優先課題なのであろう。


当然、ゴーチェも主に従う。


「自分も、ブレーズ様と同じですっ!」


と、びしっと直立不動で敬礼した。


と、いう事で……

リオネル達一行は、帰路も敵を倒しつつ進み……

無事、地下5階層へ戻ったのである。

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