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第230話「『ぼっち』の単独行動継続!」

英雄の迷宮、地下9階層……

謎めいた宝箱に仕掛けられたテレポーターの罠により、

たったひとり8階層から飛ばされたリオネル。


ミノタウロス、オーガ、ゴーレムを倒しながら、立てた課題を次々にクリア。


魔力感知――索敵で事前に敵を捕捉した上で、

『隠形』『忍び足』のシーフ職スキルも最大限に駆使。


敵から『存在』を悟られない効能効果の確認……


つまり「敵との戦いを避け、やりすごす」という課題をしっかりとクリアしながら、

公式地図と付け合わせし、9階層の仕様確認も併せて行っていた。


しかし……

さすがのリオネルも、ほんのわずかな体臭だけは消す事が出来なかったようだ。


念の為、リオネルは風呂ギライではない。


地上では毎日風呂に入り、迷宮内5階層の宿でも帰還の度にシャワー。

もしくは濡れタオルで身体を丹念に拭く。


その上で、外敵に察知されないよう、

無臭の魔導消臭ポーションを使用していた。


しかし!

それでもリオネルの存在を嗅覚で察知した敵が居た。


そう半人半獣の魔物、ウェアウルフである。


補足しよう。


ウェアウルフとは、いわゆる『人狼』である。

ライカンスロープとも言うが、いずれも人、狼の合成語だ。


抜きん出た身体能力、鋭い爪と牙を持つウェアウルフは、

人間を襲い、喰らう人外の捕食者である。


満月の夜、最大限、能力を発揮。

噛まれると、被害者も同族化、ウェアウルフ化するとも言われている。


ウェアウルフは一般的に、夜間人間から、狼に変身するのだが……


この世界のウェアウルフは、恒久的に狼の姿をした、

二足歩行の人型魔物(ヒューマノイド)なのである。


さてさて!

話を戻そう。


リオネルは、『隠形』と『忍び足』でやりすごそうとしたのだが……

ウェアウルフは狼か、それ以上の嗅覚を持つらしく、すぐリオネルに気付いた。


通路の端っこを通ろうとした、リオネルを真っすぐに、にらみつけ、

低い唸り声をあげた。


リオネルが見たところ、ウェアウルフのレベルは45。

自分と同じ、たった1体のみなので、さほど強敵ではない。


また破邪霊鎧(はじゃれいがい)の効果には、人狼化防止も含まれている。


破邪霊鎧(はじゃれいがい)の能力がそのまま発揮されるのならば、

ウェアウルフの攻撃による人狼化はないはずだ。


毒、石化は敢えて敵の攻撃を受けたのだが……

リオネルは、人狼化を試すのはまっぴらごめん。


わざとウェアウルフの爪で切り裂かれ、

牙でかみ砕かれるような『お人好し』ではない。


加えて、現在のリオネルは『ぼっち』の単独行動だ。


課題をクリアするのも大事だが、リスクを考えず、無謀な行為に走る気もない。


安全第一。

リスクは極力回避。


表向き、たまに無謀な行為もするが、実はほとんどが安全策。


念話の波動で行動を読み切り、飛びかかろうとした瞬間に、

スキル『フリーズハイ』レベル補正プラス40を放つ。


リオネルはいつも、スキルの効果がない場合も考え、

相手の動きを見極め、すぐに対応する事を心がけていた。


念話で『サトリ』、先読み能力を得てからは、尚更である。


しかし、スキル『フリーズハイ』レベル補正プラス40は効果を発揮した。


リオネルは、ここまで頻度の少なかった地の魔法、

次の課題ともいえる拳大の『岩弾』を生成、

必殺『貫通撃!!』の魔力を込め、3発を撃ち出した。


ぼっしゅっ! ぼっしゅっ! ぼっしゅっ!


風を切り、超高速で進んだ岩弾3発は、

スキル『フリーズハイ』で、

迷宮の床へ倒れ伏した、ウェアウルフの脳天と身体の2か所を撃ち抜き、

あっさりと倒したのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ウェアウルフを倒したリオネル。


その後も、地下9階層の探索を続け、9割がた確認を完了。

予想通り、数か所の破損をチェック、地図に記載し、


残りの1割、8階層への階段を含むエリアの確認に入る。


当然、最下層地下10階層への階段も確認済み。


「降りてみたい」とは思ったが……

「メンバー全員で降りるのが筋だ」と、やめておく。


リオネルはそのようなところが、愚直なまでに義理堅いのだ。


8階層の手前で、合成獣マンティコアの気配をキャッチした。


補足しよう。


マンティコアは、人間の顔、獅子の胴体、サソリの尾を持つ合成獣である。

人喰いという名の由来の通り、人間の肉を好み、襲う捕食者だ。


ウェアウルフ同様、抜きん出た身体能力を持ち、特に跳躍力は優秀である。


現れたマンティコアのレベルは50。

体長は約10m。


マンティコアは、この英雄の迷宮における『最強の魔物』と言って、過言ではない。


先ほど、ウェアウルフは攻撃魔法で仕留めた。

なので、マンティコアとは『ヒットアンドアウェイ』の接近戦で戦うと決めた。


尾のさそりから放たれる毒、そして、牙と爪にも要注意だ。


当然念話による『サトリ』の能力もフル活用する。


ぐはあああああああああああああ!!!


マンティコアが咆哮する。


威嚇し、リオネルの出方を探っているようである。


そんなマンティコアをリオネルは、ひとさし指を「くいっ」と曲げ、挑発した。


ぐはあああっ!!!!


バカにされたと感じたのであろう、マンティコアは一直線に突っ込んで来た。


途中からジャンプ!


資料で読んだ通り、跳躍力は素晴らしい。


リオネルとマンティコアの距離は30mほど離れていたが、一気に詰めて来た。


しかし!

リオネルはマンティコアの『動き』を完全に読み切っていた。


すっと、あっさりかわし、


たあおっ!


と、気合一閃。


マンティコアの首と胴体を一刀両断!!!


更に!

左手に装着した強化ミスリル製の小型盾を発動体にして、

強力な水属性の冷気を放射。


首と胴体が泣き別れした、マンティコアを、

『氷結』の魔法で、瞬時に凍結させたのである。

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