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第21話「目標クリア! 次のステップへ!」

翌日早朝、リオネルは張り切って宿を出て、王都から出発した。

昨日は出撃せず、冒険者ギルドで、ひたすら充電且つインプットした。

なので体力も、魔力も、やる気も、満々である。


現在リオネルのレベルは『9』

レベル『5』の底辺のまま、ずっと暗い気持ちでいたのが、嘘のように思える。


目的地は、一昨日(おととい)も戦った、ゴブリン渓谷手前にある『狩場』だ。

ターゲットを経験値1のスライムから経験値2のゴブリンへ変え、

一気に目標とした人並『レベル10』を目指す。


狩場に隣接するゴブリンの本拠地、約1万体が生息するという『ゴブリン渓谷』へ単身乗り込み……

思う存分、探索と討伐を行いたいという気持ちはある。


しかしリオネルはボッチ、つまりソロプレーヤー。

万が一何かあった時、他者による助けはない。

敗北イコール死。

やはり勝算のない無謀な戦いは禁物……なのだ。


と、いうことで戦法は一昨日と一緒である。

退路が確保された安全な樹上、15mの高さの繁みの中、気配を消して潜む。


眼下にゴブリンどもが来たら、特異スキル『フリーズハイ』で動きを止め、

風の魔法で遠距離攻撃。

一定数減らした上で、木から一気に降下し、剣、シールドバッシュ、格闘技で殲滅する。

その繰り返しだ。


と、そこへ!

リオネルの索敵が敵を捉えた。

ゴブリンの群れらしき気配である。


やがて……


ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!


人間の嘲笑に似た奇怪な鳴き声が聞こえて来た。


そしてリオネルのビルドアップした視力も捉えていた。

ゴブリンの群れがやって来るのが見える。


数は……50体は居るだろう。

この先の街道へ出て、どこか人間の里へ向かい、危害を加える事でも考えているのか……

彼らの放つ魔力は凶悪な破壊と非情な蹂躙の本能に満ちていた。


さて、どうするか……

さすがに、一度に相手にする既定の数を超えている。


一昨日のリオネルなら、安全優先。

気配を消したまま、スルーする選択である。


しかし、魔法武技ともにパワーアップ。

スキルも習得した今のリオネルにとって……

眼下のゴブリン50体は、経験値1,000。

そして銅貨250枚、つまり金貨2枚&銀貨5枚に過ぎない。


一昨日の攻撃で死骸を破損しないようキープ出来る加減は分かっていた。

完全に破壊したらギルドに買い取っては貰えない。


リオネルはまず特異スキルフリーズハイを3連発放つ。

更に3連発、更に3連発、3連発、3連発!!

全ての個体の動きを止めなくても構わない。

かく乱で十分!


見ろ!

奴らは仲間が動けなくなったのを見て、大混乱している。


そして、


どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!

どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!


どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!

どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ!


連射!連射!連射!連射!連射ああっ!!!


リオネルは威力が増した必殺の風弾を、混乱するゴブリンの群れへ向かい、容赦なくガンガン撃ち込んだのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


スキル『フリーズハイ』でかく乱し、風弾でゴブリン50体の7割強を倒したリオネル。


更に15mの高さの樹上から、難なく降下。

右手で剣を抜き、左手に装着した盾を押し立て、大混乱する群れの中へ躍り込んだ。


「うおおおおおおおお!!!!!」


吠え猛るリオネル。


かっては父から蔑まれ、兄達から罵倒され、同級生からは無視されて……

目に涙を浮かべ、無言でずっとうつむいていた。

とても気弱だった線の細い少年リオネルはもう居ない。


心身とも、たくましく強くならなければ、俺は生き抜けない。

コイツらは敵だ!

人間を襲い、喰い殺す恐ろしい敵なんだ!!


容赦なく、剣を振るいながら、シールドバッシュの連打。

時たま重い蹴り技も使う魔法剣士リオネルはまさに鬼神である。

猪の突進力、狼の剛毅さ、どう猛さがはっきりと表れていた。


リオネルの眼下に現れてから、約10分と少し……

ゴブリン50体はあっという間に全滅していた。


しかし、熱い鬼神と化したリオネルは戦いの中でも己を見失わない。

極めて謙虚、冷静沈着でもある。


「ふう! よ~し全部倒したぞ。経験値は少なくとも……1,000。でも目標のレベル10には、まだまだ全然だ。……敵はと……近くには居ないか。今のうちに、死骸を回収しておこう」


リオネルは、倒したゴブリンの死骸を収納の腕輪へ放り込んでいく。


回収が終わった瞬間。

索敵に敵を捉えた。


「お! またゴブリンが来たか……おお、今度は100体を超えているのか?」


リオネルは再び樹上に戻って、気配を殺し潜む。


またゴブリンどもがやって来た。


戦う。

更に戦う。

ひたすら……リオネルはゴブリンどもと戦った。


そして、午後遅く、遂に!!


チャララララ、パッパー!!!


リオネルの心の中で、あの独特のランクアップファンファーレが鳴り響き、内なる声が淡々と告げて来る。


リオネル・ロートレックは、レベル10に到達しました。

チートスキル『エヴォリューシオ』の効果により、

身体能力、五感が全般的に大幅アップしました。

体内魔力が大幅に増量しました。

魔力回復力が大幅にアップしました。

魔法攻撃力が大幅にアップしました。

魔法防御力が大幅にアップしました。


ゴブリンを1,000体倒しました。

チートスキル『エヴォリューシオ』の効果により、

ギフトスキル『ゴブリンハンター』の称号を得ました。

ゴブリンへの物理及び魔法の攻撃力が50%アップします。

ゴブリンからの物理攻撃が無効化します。


「おお、やったあ!! 遂にっ!! 第一次目標のレベル10へ到達だあ!! まだ家を追い出されて10日しか経ってないのにい!! 良くやった、俺!! 頑張ったぞ自分!! そしてギフトスキルのハンター称号か! スライムの次はゴブリンに無双、無敵状態! す、すげぇぇ!! という事は!! 次はいよいよゴブリン渓谷攻略だあ!!!」


早くも次のステップへ!

リオネルは、戦いの時同様、心身共に凄まじい気合に満ちあふれていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


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