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第197話「究極奥義習得!!」

リオネルは「ふう」と息を吐き、クランメンバー4人へ、

声を張り上げ、敵襲を告げる。


「全員! 聞いてくれ! 敵襲だ!」


「!!!!!!」


敵襲と聞き、全員へ緊張が走る。


「敵は、このフロアでは最強の上位種オークカーネル! 体長3m、体重は300㎏を楽々超える巨体を持つ、オークの上位種だ……距離は約400m先で、奴のレベルは36。それと他に上位種のオークオフィサーが2体、オークソルジャーが3体に、ノーマルタイプのオークも30体居る。……戦闘準備した上で、スタンバイしておいてくれ!」


リオネルの敵襲通告を聞き、ミリアンとカミーユが不安を見せる。


「ええええっ!? 超格上のオークカーネルにオークオフィサーに、オークソルジャー、そしてノーマルオークも30体なんて!? いきなり超・嫌な大当たり引いちゃったあ!!」


「うっわ!! でっけえオークカーネルレベル36っすか!! レベルまで当てるとはさっすがリオさんっすけど、レベルが自分より倍以上で、めちゃ強敵っす!! 超、不安っすう!」


そして、モーリスとゴーチェも、


「リオ君、結構な強敵だ! 私も前へ出る! それと! 万全を期して、ケルへ加勢を頼もう!」


「おう! リオネル君、早速、俺の出番かい? 前衛へ出張って盾役(タンク)をやろうか?」


と、助力を申し出た。


しかし、リオネルは何と!


「……ケルの力は借りません。おふたりの助力もありがたいですが、とりあえず大丈夫です。……奴らは俺、ひとりで討伐します」


オークカーネル率いる30体上オークどもの『単独討伐』を申し出たのである。

……先ほど、ケルベロスとやりとりした通りに。


対して、そんなやりとりを全く知らないミリアンとカミーユは、


「ええっ!? リ、リオさあん!! ひとりでなんて! む、無茶よぉ!!」


「そ、そうっす!! さすがのリオさんでも、ひとりじゃあ、超きついっすよぉ!!」


そしてゴーチェも。


「おいおい、ひとりで戦う? それはさすがに無茶だろう?」


と懸念を見せるが……


モーリスだけは、


「うむ! リオ君は日々進化しているし、戦い方に関し、何か考えがあるのだろう」


と、大きく頷き、


「よし! やってみなさい。もしも挑んでみて、ダメだったら、私とゴーチェ様が、すぐに加勢しよう。ミリアンとカミーユは、下がっていなさい」


と、リオネルを信頼して言い切った。


「モーリスさん、ありがとうございます。では引き続き、戦闘準備して、スタンバってください!」


こうなったら、もうリオネルに「任せる」しかない。


まずミリアンとカミーユは、モーリスとゴーチェの後へ移動……


そして、リオネルの背後で、4人は気合を入れ直して身構えたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


やがて……

オークカーネルをリーダーとするオークの群れ30体余りが現れた。


今更だが、念の為、補足しよう。


オークとは、エルフことアールヴ族が堕落し、知性と理性を失い、

魔物化した存在である。


つまり妖精族が人喰いの外道となった者どもだ。


破壊の欲望に忠実であり、全ての他種族に対し、

憎悪と殺意の凄まじい感情を持っている。


ちなみに、繁殖の欲望も強く、特に『人間族の女子』には目がない。


ごはああああああああああっっっ!!!!


さてさて!

現れたオークカーネル以下のオークどもは、リオネル達を見て、

凄まじい声で、咆哮した。


リオネル達男を憎悪の燃えた眼差しでにらむととともに、

紅一点のミリアンへ舌なめずりしながら、欲望に濁り染まった眼差しも向ける。


モーリスとゴーチェの背後で、カミーユに護られたミリアンが、

欲望の視線を感じ、身体を硬くする。


既に体内魔力を上げたリオネルは、軽く息を吐き、

特異スキル『フリーズハイ』レベル補正プラス40を発動する。


リオネルは、現在『レベル17』、

『レベル56』の魔物まで有効である。


一見、リオネルが魔法を発動したという雰囲気はない。

スキルは魔力を消費せず、言霊、呪文の詠唱も不要だからだ。


しかし、『フリーズハイ』レベル補正プラス40は存分に威力を発揮。


オークカーネルの周囲のオーク……

オークオフィサーが、オークソルジャーが、

そしてノーマルオークも皆、次々と身体をこわばらせ、

迷宮の床へ、ばたりばたりと倒れ伏して行く……


くわおおおおおおおおおおっっっっ!!!???


そんな中、配下が次々と伏して行く状況が理解出来ず、

オークカーネルは驚愕し、悲痛な咆哮をあげた。


ここで疑問に思う方が居るに違いない。

オークカーネルのレベルは『36』

特異スキル『フリーズハイ』レベル補正プラス40は、充分通用するはずである。


そう……リオネルは敢えてオークカーネルのみ、スキルを使わなかった。

その理由とは、先ほど話題に上がった、

リオネルが設定した『課題』のひとつから来るものだ。


気になる課題とは……

身体強化魔法と度重なるレベルアップで、

膂力がとんでもないパワーにビルドアップしたリオネルが、

『フルパワー』で放った拳が、どれくらい『強敵相手』に通用するかという、

『確認』である!


出現したオークカーネル・レベル36は、『確認』には格好の相手であった。


そのオークカーネルの視界の先には、

配下達を戦闘不能にした、

殺しても飽き足らない憎き人間のオス――リオネルが立っている。


ごっはあああああああああああああああああっっっっっ!!!!!


殺意を300%込めた咆哮を放ったオークカーネルは、

迷宮の床を蹴り、ダッシュ!!


まっすぐリオネルへ向かって駆けて来た。


「ふっ」


軽く笑ったリオネルもダ~ッシュ!!


両者は「あっという間」に接近し、交錯する。


オークカーネルは、リオネルを捕まえて、巨大な手で握り殺そうとした。


しかし、心の波動を読むリオネルは、伸びて来るオークカーネルの両手を、

身体をわずかに動かして、あっさりと(かわ)し……


相手の腹へ、渾身の力を込め、撃つべしっ!!と

カウンター気味に深々と『右の拳』を打ち込んだあっ!!


どっごおおおおおおおおおおんんんんん!!!!!!

ぐはああああああああ~~~っっっっっ!!!!


瞬間!


鋼鉄の巨大ハンマーで肉を思いっきり叩くような重い重い音と、

オークカーネルの断末魔の絶叫がほぼ同時に響き渡った。


うわおっ!!

と、とんでもなく、手ごたえありっ!!


い、いやっ!

手ごたえなんてもんじゃないだろっ!!

か、確実に致命傷を与えたっぞっ!!


そ、それにっ!!

お、俺の拳がっっ!!

まるでっ、剣みたいにっ!!

オークカーネルの身体をっ!!

つ、貫いたぞぉっっ!!


渾身の一撃を放ったリオネルは、完全に勝利を確信した!


そう!

リオネルへ伸ばした手を(かわ)された、

体長3m、体重は300㎏を楽々超える巨体を持つ、

オークの上位種オークカーネルは……


どてっぱら深く、リオネルの『右の拳』をまともに受け、

凄まじい衝撃とともに、遥か後方へ吹っ飛んでいたのだ。


瞬間!


チャララララ、パッパー!!!


リオネル・ロートレックは、

チートスキル『エヴォリューシオ』の効果と、

習得した破邪聖煌拳(はじゃせいこうけん)との『派生』により……

『クリティカルヒット!!』そして『貫通撃!!』を100%習得しました。


いつものように……

リオネルの心の中で、あの独特のランクアップファンファーレが鳴り響き、

『内なる声』が淡々と告げていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


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