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第194話「双子姉弟VSゴブリンシャーマン」

新作を公開しました。!

⛤『騎士をやめて花嫁修業しろと言われた私は、公爵家お嬢さま御付きの騎士メイドとなりました!』

何卒宜しくお願い致します。

翌朝……

リオネル達は、午前6時に起床。

手早く支度をし、朝食を食べ、宿を出発した。

今夜もう1泊する予定なので、チェックアウトはしない。


……今日は予定通り、地下4階層の未踏破部分の探索を行う。


ちなみに、昨夜の話に関して、カミーユの懸念は当たらず、杞憂に終わった。

『待ち伏せ』しているゴーチェの姿は、なかったのだ。


結果、ミリアンは「どうだ」と勝ち誇り、カミーユは苦い顔である。


そんなこんなで、リオネル達は、階上へ昇る階段で、目的の地下4階層へ入った。


しばし歩き、周囲に人影がないのを確かめると、

リオネルは、魔獣ケルベロスを召喚、先導させる。


という事で、フォーメーションは、昨日後半同様、

魔獣ケルベロスが先導し、ミリアンとカミーユが前衛、リオネルが中段、

最後方がモーリスである。


さてさて!

今日のミリアンとカミーユにとって最大の課題は、

ゴブリンシャーマンとの対戦である。


補足しよう。

ゴブリンシャーマンは、ゴブリンの最上位種だ。

物理的な攻撃力は殆どないが、統率力に優れ、ゴブリンどもを率いる事が出来る。


魔法は地の初級魔法『石弾』を放ち、

死んだゴブリンをゾンビ化する死霊術を使いこなす。

また同じく死霊術を使い、死んだゴブリンの魂を亡霊化させ、

敵に向かわせる事も得意だ。


今まで、ミリアンとカミーユは、魔法を行使する敵と戦った事がない。

ふたりの現在の実力からすれば、格好の相手である。


昨日はゴブリンシャーマンと遭遇しなかった。

だが……

今日はいきなりしょっぱな遭遇した。


リオネルの索敵でフォロー。

早めに敵を補足し、迎え撃ったのである。


遭遇した敵の構成は、ノーマルゴブリンが20体、ゴブリンカーネル、

ゴブリンサージ、ゴブリンソルジャーが各1体ずつ、

そして最後方に守られるような形で、ゴブリンシャーマンが控えていた。


作戦は昨日とほぼ同じである。


ゴブリンシャーマンが魔法や死霊術を使う前に、ミリアンの冷気魔法で、

敵全体の動きを鈍らせ、カミーユが突撃し、数を減らし、

ミリアンも追随するという形だ。


「よっし! 先手必勝! ビナー、ゲブラー、冷気!」


びしびしびしびしびしっ!!


まずはミリアンから放たれた魔法の冷気が、ゴブリンどもの体温を奪い、行動を鈍らせる。


しかし今回は、リオネルのアドバイスで、

カミーユとミリアンは、

リオネルが込めた風の攻撃魔法『風矢』の魔法杖を有効に使う。


「姉さん、ナイッす! ゴブリンシャーマンが魔法や死霊術を使う前に、相手全体の動きが鈍ったっす! 俺、行くっすよう!」


ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ!


カミーユは、魔法杖で『風矢』を放ち、ゴブリン数体を打倒すと、

もはや得意技となった、シールドバッシュ。


「バッシュ! バッシュ! バッシュっすう!」


どが! がん! ばしっ! どっ!


ゴブリンどもを数体弾き飛ばし、ゴブリンの群れ真っ只中へ躍り込む。


シールドバッシュに、破邪聖煌拳はじゃせいこうけんを織り交ぜ、

敵をどんどん倒して行く。


それもただ躍り込むだけじゃなく、ゴブリンシャーマンを護るゴブリンどもを、

狙い倒して行くのだ。


怒り心頭のゴブリンシャーマン。


「きえ~っ! きえ~っ!」


と『奇声』を発すると、死霊術が発動。


むくり、むくりと、カミーユの目の前で、

既に倒したゴブリンがゾンビ化して、起き上がった。


「わお! キリがないっす! でも大丈夫っす! 破魂拳!」


しゅ! しゅ! しゅ!


と、拳を繰り出したカミーユ。

葬送魔法と同じ効果で、甦ったゴブリンゾンビどもは塵となり、浄化されて行く……


更にカミーユは魔法杖で『風矢』を乱射。

ゴブリンシャーマンを護っていたノーマルゴブリンどもを打ち倒した。


ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ!


ここで、ミリアンもゴブリンへ突入。


「姉さん! 護衛は倒したっす! 美味しいところをプレゼントっすう! ゴブリンシャーマンを倒すっすう!」


カミーユの言う通り、

ゴブリンシャーマンを護るノーマルゴブリンどもは殆ど倒されていた。


護るのは、上位種のゴブリンカーネル、

ゴブリンサージとゴブリンソルジャーの3体のみ。


昨日戦って自信をつけた。

ゴブリン上位種、都合4体もミリアンの敵ではない。


「カミーユう! サンキュー!」


ふっと、笑ったミリアンは、魔法杖を振りかざし、


ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ!

ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ! ひょおっ!


と、これまた『風矢』を乱射し、

残った護衛役、ゴブリンカーネル、

ゴブリンサージとゴブリンソルジャー3体を一気に倒した。


そして、最後の敵ゴブリンシャーマンが死霊術を使う間もなく、


ダッシュしてジャ~ンプ!


ずごん!!


と、容赦なく顔面から頭蓋(ずがい)を打ち抜き、

一撃で「とどめを刺していた」のである。

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