第113話「帰りも、容赦なく鍛錬だ!」
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時間の問題もあり、下見の時は一切放置だったが……
依頼を完遂をする際、そうはいかない。
何かといえば……
そう、洞窟内に散らばっているゴブリンどものおびただしい死骸である。
腐敗して、悪臭を放つから迷惑という至極真っ当な理由も確かにある。
しかし、この世界では死骸が、不死者化し、害を為す場合がある。
不死者は、人間を襲うのだ。
人間でも魔物でも、倒された死骸が不死者化するのは、様々な理由があるという。
死にきれない者の現世への恨みつらみとか、
邪悪な死霊術師が、いたずらに亡き者の魂をもてあそぶとか……
でも、現在の論点はそこではない。
問題は、この洞窟がゴブリンが不死者化した外道どもの巣窟になってはマズイという事だ。
というわけで、リオネルはモーリスとともに、葬送魔法『鎮魂歌』を使い、転がっている死骸をどんどん塵にしていく。
一方、さすがモーリスは「昔取った杵柄」葬送魔法は大が付く得意である。
リオネルが行使する『鎮魂歌』の上位にあたる、
高位葬送魔法『昇天』を完璧に使いこなしたのだ。
リオネルはこれまでに学んだ知識で……
モーリスが使う『昇天』は、ゾンビだけでなく、
亡霊や吸血鬼などの不死者だけでなく、
屍食鬼と呼ばれる低級悪魔グールにも効果がある事を知っていた。
使い勝手の良い『昇天』をぜひ習得したいと願い、
習得済みの『鎮魂歌』をガンガン使い、葬送魔法の経験値を積み、モーリスの発動も、じっくりと見学した。
今回、リオネルが塵にしたのはゴブリン400体余。
昨日から経験値が累積していたのだろう。
洞窟から出て、入り口をモーリスの魔法『岩壁』でふさいだ上、リオネルの葬送魔法『聖印』で、封印し……
「さあ、撤収しよう。パトリス達が大喜びするぞ」
モーリスの『締め』で身支度をして、全員が歩き出した時である。
チャララララ、パッパー!!!
リオネルの心の中で、あの独特のランクアップファンファーレが鳴り響き、内なる声が淡々と告げて来る。
リオネル・ロートレックは、既定値を満たしたので、
『レベル15』に到達しました。
チートスキル『エヴォリューシオ』の効果により、
身体能力、五感が全般的に大幅アップしました。
体内魔力が大幅に増量しました。
魔力回復力が大幅にアップしました。
魔法攻撃力が大幅にアップしました。
物理攻撃力が大幅にアップしました。
対魔法防御力が大幅にアップしました。
対物理防御力が大幅にアップしました。
そして更に……内なる声は告げて来る。
チートスキル『見よう見まね』、チートスキル『エヴォリューシオ』の効果により、
葬送魔法『鎮魂歌』が進化し、
高位葬送魔法『昇天』を別途、習得しました。
おおおお!!
『レベル15』になったあ!!
全ての能力が大幅アップしたぞお!!
モーリスさんが使う『昇天』も習得したあ!!
やったぞお!
これで、不死者戦がだいぶ有利になったあ!
『心の内なる声』は自分にしか聞こえない。
リオネルが、つい『ほくほく顔』でいると……
傍らを歩く、これまた上機嫌のカミーユが話しかけて来る。
「リオさん、どうしたっすか? そんなに嬉しそうにして」
「あはは、いろいろ上手く行ったからな。負傷者も居ないし」
リオネルは、自分からレベルアップしたとか、スキル習得を吹聴するタイプではない。
加えて、覚醒してからのリオネルには習得したスキル等、厳秘にする要因が多い。
なので、差しさわりのない話をするしかない。
「そうっすよね! 万事が上手く行ったっす! リオさんのお陰っすよ!」
「あはは、そんな事はないよ。全員で力を合わせて頑張ったからさ」
……カミーユは、リオネルと出会い、いろいろとあった。
口喧嘩をし、本音もぶつけ合った。
そしてかつてのリオネルのように、腹をくくり、ふっきれたのだろう。
放つ魔力の波動から、彼の著しい成長を感じる。
と思ったら、カミーユが言う。
「リオさん、さっき俺、心の内なる声が教えてくれました」
「へえ、心の内なる声が、カミーユへ何を教えてくれたんだい?」
「聞いてください、レベルアップしました、俺! すっごく嬉しいっす!」
「おお、レベルアップかあ、良かったじゃないか」
つい「俺もレベルアップしたぞ」と言いかけ、リオネルは口をつぐんだ。
一方、カミーユは正直に申告する。
「はいっす! おかげさまで、俺『レベル15』になりましたあ!」
「え!? …………」
3歳年下、弟分のカミーユがレベルアップして自分と同じ『15』、
同じ……『レベル15』
カミーユは更に得意満面。
しかし、ここまでは良かった。
『弟』だって、『兄』よりも優れていたって構わない。
兄よりも優れた弟が存在しても全然あり!
末弟だったリオネルはそう考えたし、努力し、レベルアップしたカミーユを、
素直に「良かったなあ、頑張って偉いぞ」と称えたい。
そう思ったからだ。
しかし、カミーユが続けて告げた言葉が、以前キャナール村の司祭パトリスが発したのと同様『とんでもなくバッドな禁句』であった。
「あはは、『レベル15』は、自分でも上出来だと思うっすよお! まあ、『魔法学校の秀才なみ』っすよねえ!」
魔法学校の秀才なみ……片や俺は、超劣等生……
リオネルの心に『暗黒歴史』の記憶が鮮やかに甦る。
とんでもない衝撃のメンタルダメージと共に……
「……………」
「あれえ? リオさん? どうしたんすかあ?」
「……………」
「身体が強張り、かちかちに固まって、ゾンビみたいにふらふら歩いていますけど、一体どうしたんすかあ? 石化の呪いでもかけられたっすかあ!」
「い、いや……何でもない。だ、大丈夫だ……」
カミーユの言葉通り、よろよろと歩きながら、かろうじてリオネルは答えた。
しかし、カミーユの話は終わらない。
「ちなみに、姉さんは……」
カミーユが言いかけると、ミリアンが乱入。
「自分で言うって、カミーユ! しっかり聞いて、リオさん! 私『レベル18』になっちゃったあ! リオさんは、レベルいくつう? まさかさあ、私やカミーユと同じとか、下って事はないよねえ!」
……いや、その『まさか』です……
「う!」
「うむうむ、ミリアン。絶対にそんなわけはないだろう? リオ君は鬼神の如き強さなのだから、ちなみに私は現在レベル40だが、リオ君の年齢の頃はレベル20あったぞ!」
いや、『絶対にそんなわけ』……あるんです、よ。
……これが……
「う、あ……」
更にモーリスまで入り……
リオネルは帰途、無自覚な3人から、
容赦ない鍛錬『メンタルトレーニング』を施されたのである。
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