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カフェへ

レンゾ様と改めてお顔を合わせるとお互いふっと微笑みあいました。

「レンゾ様、素敵なカフェに連れてきて頂き、ありがとうございます。」

そう言ってまわりを見渡すと重厚感のあるアンティークな品が飾ってあり落ち着いた雰囲気。

「今日は勇気を出して、アンリ嬢を誘おうと思っておりました。」

「まぁ、お誘いいただき嬉しいですわ。


あの頂いた羽のペンも愛用しておりますよ。フワフワがとても可愛らしくて使いやすいので気に入っております。御礼を申し上げます。」

少し頭を下げてから顔をあげると、レンゾ様が嬉しそうにされているのが分かりました。

「気にいって頂けたのならば嬉しいです。貴女に似合うと思いました。」


「そんな風に思い出していただいたのですね。とても嬉しいです。」


「ですが今日はとても雰囲気が違うのでまた違ったものが似合いそうですね。」


「えぇ、今日のわたくしは・・・大事なお姉さまの婚約者に近づく女性とお話をするために・・・自分を鼓舞する衣装を身に着けましたの。」


「お姉さんが大事なのですね。その女性とお話はできましたか。」

ふっと微笑み、

「はい!」また扇で口元を隠します。今日は最後までこの衣装に似合うわたくしでいたいのです。前世でいうコスプレ気分でしょうか。


「うまくいったのですね。・・・貴女は優しい人だ。

実は前からお誘いしようと思っていたのですが、少し前から貴女がどんどん変わっていく気がして」


「わたくしに執着するものが増えたからだと思います。だから、自分に戻れたのだと思います。」

噛みしめるようにそうお話すると、レンゾ様が

「それは人・・・ですか?」

(あら、そんな眉を下げて聞かれますと・・・可愛いですわ。貴方も歌いますか?あの世界で見た映像の中でとっても可愛い男性ばかりが歌って踊っていましたがセンターを狙えると思いますの。)


「歌えますか?踊れますか?」

「あのぉ、、、それはどういうことですか。ダンスは授業で選択しておりますが、歌はあまり・・・」


「そうですか。一度試してみてもいいかもしれませんね?その気になりましたら、あの事務所までご連絡くださいな。」


「?????」


(はっ・・・。妄想の世界に浸っておりました。)


「あ、あの、、レンゾ様は好きなものはございますか?」


「私は馬に乗って駆けるのが好きですね。」


「そうなんですの。馬に乗って駆ける、どんな風なんでしょうね。」

(馬に乗るというのは前世の自転車みたいな感じでしょうか。動物園的なものがないのでこの世界ではまだ見たことがありませんが。)


にっこりと笑ったレンゾ様が

「お休みの日に一緒に馬に乗ってみませんか。お教えしますよ。」


「よろしいですの?」


「えぇ、どうぞいらしてください。我が家には妹もおりますので喜ぶと思います。」


(まぁあまぁあ、とってもスマートな誘い方ですね。レンゾ様もしかして恋愛に慣れてらっしゃる?)

「お時間が合えばよろしくお願いしますわ。」


「時間がたつのははやいですね。もう時期暮れますからお送りします。」


「楽しかったですわ。」

そういってカフェを後にしました。

帰りの馬車でも穏やかなゆったりとした時間が流れて、心地よい会話のテンポが穏やかな気持ちにさせてくれます。

(レンゾ様、とっても穏やかで癒され男子かもしれません。)


邸宅に戻り、レンゾ様に御礼を申し上げたら自室に戻ります。

(今日はとても有意義でしたが疲れました。やはりヒロインが仕事をしないと強制力が働いてしまったのでしょうか。まさかわたくしを模してあのようなことをする女性が現れるなんて。

でも、殿下は連れていくわたくしをお責めになられませんでした。あまりあの女性に心を移したりしていないようですね。)



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