悠斗side 4
30分程して、再び俺のスマホが震えた。
『遅くなっちゃって、ごめんなさい 今から向かいます』
美桜ちゃんから連絡が入った。
『じゃあ、行くぞ~ 何処行けばいいの?』
俺より嬉しそうだし、はしゃいでねーか?
『大輝 見るだけだぞ わかってる?』
確認する俺。
『わかってるって。ちらっと見て、ちょっこと喋ってサラッと告るだけだし・・』
って言う大輝、本気とも冗談とも取れるコイツは謎だ。
『あっ、悠斗 あの子?』
聞いてる大輝は、ニヤニヤしながら俺を見てきた。
美桜ちゃんが1人恥ずかしそうに、こちらに歩いてくる。
『美桜ちゃん お疲れ様 頑張ってきた?』
『遅くなっちゃってごめんなさい。 悠斗先輩いきなり拉致されて、5曲も弾かされたんだよぉ』
美桜ちゃんが、怒っている。怒っていても可愛い!!!
『大丈夫だよ。それよりごめんね コイツすぐに帰るから気にしなくていいよ』
大輝、もう見ただろ。帰ってくれよ。と睨んでたら
『あの・・悠斗先輩のお友達さんですか? 藤堂美桜です。よろしくお願いします』
可愛い挨拶が聞こえてきた。
『美桜ちゃん、俺ねぇ、大輝。宜しくな ちょっとオレの事呼んでみてくれない?』
おい!! 美桜ちゃん困ってんだろ。文句を言ってやろうと思っていたら
『大輝先輩』
可愛い美桜ちゃんの声が聞こえた。
『うお~~~~美桜 さあ、おいで~~』
両手を広げて叫ぶ大輝
『えっ?』
ドン引きな美桜ちゃん。コイツは放って置いて美桜ちゃんと過ごしたい。
『じゃあ、大輝 またな』
ドン引きな美桜ちゃんを連れ出した。優しい美桜ちゃんは
『大輝先輩 さようなら』
美桜ちゃんは可愛く挨拶。 呆気にとられる大輝
広げた両腕が、情けないが知ったことではない。