悠斗side 3
『悠斗 帰りどっか行く?』
幼馴染の大輝が聞いてくる。 早く美桜ちゃんのところ行きたいんだけど・・。
どーすっかなぁ? 参ったなぁ。
『なぁ、悠斗 何かあるの? ノリ悪いじゃん』
大輝がグイグイ攻めてくる。ヤバイなぁ。
まぁ、仕方ない。正直に言うか。
『あっ、悪いな。今日、用事ができたんだぁ』
軽く流す俺。
『あぁ? 用事って何? 何があるの?』
大輝、しつこいなぁ・・察してくれよ。
俺が女は面倒だって思ってるの知ってるし、バレたら こえーな。
『美桜ちゃんと冬まつり行くだけだよ』
サラッと流したいが、そうも行かないだろうなぁ。面倒臭いなぁ。
『何? 女? ってか美桜って誰?』
おいおい、呼び捨てにすんなよ!!
俺だってまだ呼んでねーんだから。不貞腐れ気味な俺。
『俺行くわ 待たせるの嫌だし』
逃げるようにこの場を去ろうとした時、ポケットに入れておいたスマホが震えた。
美桜ちゃんからで、音楽室に連れて行かれてピアノ数曲弾くから遅れちゃう。と連絡あり。
美桜ちゃん、ピアノ上手いからなぁ。音楽教師より抜群に上手いから仕方なねーな。
その間にコイツを何とかしないと。
『なぁ、美桜って誰? 俺も行く』
嫌なことを言い出した大輝。
『はぁ・・無理 また今度な』
『じゃあ、見るだけ それじゃ~行こう』
美桜ちゃんに逢う気満々な大輝。 やべぇ。コイツ俺も良い? とか言いかねない。
『残念だったな大輝。美桜ちゃんから、少し遅れるって連絡あったんだ。だからまた今度な!』
と言った俺に 大輝が
『じゃあ、一緒に待っててやるよ』
あり得ない返事をする大輝。