幸也side 1
全校合唱コンクールの伴奏者の 神矢が怪我で、無伴奏・・。
どうするんだ!! と思っていた時だった。
珍しく、池田先生が連絡事項の後に、悠斗と蓮に話を振った。
蓮が伴奏の件、謝ってきた。 その次に悠斗が話し始める。
他学年から、伴奏者を借りるってことなのか?
そんな事、出来ないでしょ・・・。取り敢えず、話を聞こう。
1年? えっ? どういうこと?
池田先生、悠斗に蓮が、かなり推してたなぁ。そんなに良いのか?
『一度聴いてみたいんですけど』
池田先生に、意見として言ってみたら すんなり通った。
1年7組から連れてくるそうだ・・・。
池田先生に連れてこられた美桜は少し緊張していたね。
このパーティー化した教室に驚いているのだろう。なかなか入ってこれない美桜。
俺は、今までに感じたことがない感覚を感じた気がした。
練習が進むにつれて、俺に心を開いてくれるようになった美桜。
数学のプリントをきっかけに、テスト前など一緒に勉強するようになった。
でも、美桜の天然無自覚がとっても気になる。 そんな美桜は、俺のクラスで人気が高い。
女子からも人気があるので、安心はするが俺の手元になかなか戻ってこないのが欠点である。
美桜が、他クラスの女子に囲まれ文句を言われていた時には本気で心配した。
先輩に囲まれ文句を言われていた時、美桜がどんなに怖い思いをしていたかと思うと何故、俺が一番に気付いて守ってやれなかったのか、情けない。
池田先生の腕の中にいた美桜を見つけた時は、マジで焦ったし心配した。
暫くして、俺の腕の中へきた美桜。愛しくて仕方がない。
これからは俺が、美桜の辛い時、気付いてあげられる守ってやれる存在になりたい。
美桜は、俺等クラスのために頑張ってくれた。
金賞という素晴らしい賞をもらえたのは、美桜の頑張る姿に先輩として 格好良い所を見せたいと、2年7組全体を頑張らせた美桜の力だと思っている。