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日常の「漂流転移」  作者: 通りすがりの野良猫
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意外な訪問者

豊中駐屯地跡に自衛隊車両が

豊中駐屯地跡に突然、戦車を積んだトレーラー到着。

「豊中駐屯地はここでいいんですよね?」

たまたま来ていた、臨時豊中事務所の2等陸曹はびっくり。

確かに、来たのは陸上自衛隊隊員だし、積んだ戦車も61式だからだ。

でもね、今は2017年、今日は10月19日。

だのに、何で「現役」の61式戦車なの!

しかも、隊員は旧式の懐かしいOD色の作業服だし。

「すまんが、なんか書類はあるか?」と聞いて、ひったくるようにして見れば、やはりね。

「昭和63年10月19日」に「豊中駐屯地」経由「富士学校」へ輸送になっている。

「すまんが、落ち着いて聞いて欲しい。君らは、違う時代の流れに導かれて、君らは違う時代の豊中駐屯地に来てしまった」 「えっ、まさか?あの戦国自衛隊みたいに?」

「かも知れん。今は約30年後の世界だよ」

「戻れないんですか?」

「それはわからん。」

「とりあえず、来たときの話をしてくれ。」

「はい、我々は千僧駐屯地にこいつを運んで、その帰りに豊中駐屯地により、少し休憩と時間調整するつもりでした」

「そして移動する途中、激しい雨、そしてその後霧に見舞われ、先導のジープを見失いました。ただ自分は大阪の出身で、この辺りは承知してますから、ゆっくり霧のなかを走ってきた次第です。」

ふとトレーラー上を見て、驚いた。

砲身が違うのだ。

61式の古風な、T型の排煙器ではなく、砲身途中が盛り上がっているタイプである。

「秘密に関わることなら、詳しいことはいいが、こいつは61式に105ミリ積んだやつだ、そうだな?」

「おっしゃった通り、74式の数を補うため、61式を強化してます」

どうやら、中部方面総監あたりに見せたりする目的で持って来たらしい。

「ひょっとして、その霧が癖もんかもな。霧のなかをゆっくり、富士学校を目指したら原隊復帰できるかも知れんぞ 。

もし帰った富士学校が貴様らが知らないような場所、だったらまたすぐ連絡してこい。」

これで不安な彼らも少しは落ち着いて、すぐ出発となった。

「気をつけてな」

「ありがとうございました。」車長の年若い3曹は、敬礼して 出ていった。

その翌日、念のため、富士学校に連絡するが当該するトレーラーはついてなかった。

また、防衛省技術研究本部に61式改良型の話を聞いてみたが、古い話できちんと記録がないらしく詳細不明であった。

彼らは無事帰れたのだろうか?私は彼らの名前を知っている。調べるなら簡単なことだ。

しかし私は怖い。

もしかしたら、彼らは今も違う時代の霧のなかを走っているかも知れないのである。

それは明日にも我が身に起きるかもしれないからだ


彼らは無事だろうか

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