聖女の護衛①
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よろしくお願いします。
多くの人は平穏を求める者だ。
いつもと変わらない日常に、ちょっとした事で幸せを感じ、ちょっとした事で不幸を感じる。
そんな何気ない日々に、ちょっとした刺激を求める事もあるだろう。
だが、それはあくまで、「ちょっとした」刺激であり、大きな刺激なんて物は、想像するだけで、実際に起こって欲しいと思う者なんてそうそういないだろう。
そんな俺はというと、もちろん前者である。
この世界に来るまでの俺の人生は、世界中から見ると、なんともない、何処にでもある人生であった。
だが、あくまで幸せか不幸かで分類するとなれば、間違いなく不幸に分けられる人生だ。
そんな俺だが、やっぱり大きな刺激なんて物は、実際は求めてはいなかった。
ただ、憧れはあった。
勇者となって、仲間と共に剣を振るい、魔法を放ち、魔王を討ち果たし、可愛いお姫様と結ばれる。
なんてことはない、所謂、ファンタジーの王道と言われる願いだ。
だからあの日、こんな腐った世界から逃げたくて、今まで幾度と無く願った願いを、あの日、あの社で、俺は願った。
そして、俺が思っていたのとはだいぶ違ったが、結果としては、俺はずっと願っていた世界へと来ることができた。
そして、次々に起こる出会いや争い等々、退屈する暇すらない慌ただしい日々が過ぎ去り、そして、俺には絶対に無理だと思っていた、結婚なんてする事も出来た。しかも、まさに二次元が飛び出したと言ってもいい程の超絶美少女を二人も嫁にしてだ。だが、領主としての仕事も山積みとなり、禄に新婚旅行も楽しめなかった俺は、いい加減に穏やかに日々を過ごしたいと切実に願っていた矢先、俺はまた、一通の手紙から、新たな騒動に巻き込まれる事が確定し、心のそこから大きな溜息をついた。
手紙を読むなり、俺は即座にもう何度訪れたか分からない、王の私室へと向かう。
部屋には既に、席に着いた王が、後ろに控えているメイドが入れた紅茶に口を付けていた。
それがまるで、俺がこのタイミングで来る事を見透かしているようで、若干イラッとしてしまう。
「それで、今回はどんなようだ?」
俺が椅子の前まで行くと、控えていたメイドが椅子を引き、俺が座るのをサポートする。
そして、もう一人のメイドが紅茶を注ぐ。
何十回と行われたこの一連の流れにも、今ではすっかり慣れてしまった。
「聖女の護衛だ」
王は、口に付けていたティーカップを置くと、今回の任務を簡潔に答える。
こいつの言葉はいつも簡潔だ。
だが、簡潔すぎていつも大事な事がすっぽり抜けてしまっている。
それにしても、今回は輪にかけて簡潔すぎるだろうに。
「……、せい、じょ?」
俺の頭はすっかりフリーズしてしまい、禄な返事を返す事ができなかった。
「ちょっとまて、今聖女っつったか?」
俺は右手を広げて、若干前のめりになりながら、王に突き出す。
「そうだ。エルフの大陸『グレリア大陸』のアステール教の巫女の一人が、1ヶ月前に聖人認定された」
王は、事もなさげに言うものなので、一人だけ頭の中でぐるぐると思考を回すのが馬鹿らしくなったので、とりえあえず、一つづつ答えを聞いていく事にする。
「聖人ってのは、たしか、部位欠損を治せる回復魔法を使える者のことだよな」
「そうだ」
「最初に聖女っつたけど、聖人が女だから聖女って呼んでるってことでおk?」
「そうだ」
「部位欠損の回復位、俺とアリス、エメラだってできるんだが?」
「そうだな」
「俺は、アリスを聖女と仕立て上げて、フィリアの信仰に一役買ってもらうつもりだったんだが?」
「知っている」
「……、今すぐにでもアリスを聖女にしてもいい?」
「却下だ」
「…………」
「…………」
幾つもの受け答えの後、長い沈黙が室内を包み込む。
「なんで駄目なんだよ!つーか、なんでこのタイミングで聖女なんて出てくるんだよ!ここ数百年、聖人はいなかったんじゃなかったのかよ!?」
俺は勢い良く立ち上がると、メイドも慣れた動作ですぐに椅子を引き、他のメイドは机の上に置かれた紅茶を取るのと同時に、俺は机を強く叩く。
「私とてこのタイミングで聖女が出て来る事は読めていなかった。後83年は後だと予想していたのだが、
このタイミングで出してくるとなると、理由はお前だろう」
王の冷ややかな視線を受けつつ、俺はこいつですら読めなかった自体という事に若干驚愕と共に、やっぱりこいつも人間なんだったんだなと、少し安心感を覚えてしまった。
「……、とりあえずその83年の根拠は?」
俺は顔を顰めながら、席に着く。
それと同時に、紅茶もテーブルに置かれる。
「今回の聖人に選ばれたのは、17歳のエルフの巫女だ。
長寿のエルフは、100歳にて成人となる。
だが、17歳のエルフは、エルフ族にとっても赤子も同然の存在だ。前々から聖人の資格を持つエルフの巫女がいるという情報は得ていたが、まさか成人する前に、聖人認定してくるとは予想していなかった」
王の言葉に、俺はエルフ族についてスキルを使って軽く調べる。
エルフ族は、長寿と言われているが、平均寿命は2000歳、部族にもよるが、大半は100歳にて成人となる。
身体の成長の方は、人族と同じ様に20歳程まで育ち、その後は、長い年月を掛けて年老いていく。
簡単に調べた結果から言うと、エルフ族の17歳といえど、体躯は人族の17歳程と変わらないということがわかった。
そして、エルフ族にとっては、赤子程度の年齢でもあるということだ。
だが、幾ら聖人の資格があるからと言って、そんな赤子を成人するよりも先に聖人認定したのかが疑問だ。
俺が、その疑問を口にするよりも先に、俺の問を予想していたとばかりに、王が俺の疑問の答えを述べていく。
「今回の聖女の件に関しては、アステール教のイリーフィオス・ガレリア・ヒューストン枢機卿の男が発端だ。資料によると、アステール教の中でも過激派らしく、他宗教を下に見ており、アステール教の為なら、時には行き過ぎた行為をもするそうだ」
俺はメイドから受け取った資料に目を通しながら、王の話を聞く。
資料を見る限り、確かに幾度か他宗教との衝突が有ったり等するが、別段、悪人と言ったわけでは無さそうだ。
てっきり、他宗教の邪魔な者の暗殺等しているとか考えていたけど、ごめんね。
一通り資料に目を通すと、俺は王に疑問を投げかける。
「過激派って言ってる割には、他宗教の演説の邪魔をしたりする位で、たいした事をしてないじゃん」
王もその質問が来ることが分かっていたようで、すぐに答える。
「そうだな。元々エルフ族という者は、所謂、野蛮や粗野を嫌う種族だ。その為、他宗教の演説の邪魔をする位でも、過激派と言われる」
なんだか随分とぬるい奴等だなぁ~、なんて思っている俺に、王は言葉を続ける。
「ただ、そんな中にも、拉致監禁、暗殺等も平気で行う集団もある」
前言撤回。全然ぬるく無いです。
「話が逸れたが、今回の『聖人』の件には、貴様が絡んでいる。理由は……」
「魔法が得意なエルフを差し置いて、二代揃ってウィザードが人族になった事で、人族の宗教『アウレス教』の勢力が強まるから、予定を繰り上げて、『聖人認定』した。だろ?」
さすがにここまで説明を受ければ、俺だって理解できる。
結局は、当人の事を差し置いて、己が信仰する宗教の為に『聖人』を利用しようという事なのだろう。
俺の考えは正しかったようで、王はコクリと頷くと、ティーカップに口をつける。
「だが、本来は成人してからの予定だろ?幾ら枢機卿たって、たった一人の枢機卿の力でよく『聖人認定』なんて出来たな?」
俺も若干冷めた紅茶を一息で飲み干すと、さらなる疑問を口にする。
ティーカップが空になると、すぐさまメイドがティーカップを下げると、新たに熱い紅茶を注ぎ、砂糖を一匙入れて混ぜてから、俺の前に出す。
ちなみに、このティーポットは、保温機能付きであるが、残念ながら俺が特許を申請するよりも先に作られた物だった。
なんだか、俺が色んな道具を作って特許を申請しまくり、公爵の権力を使って、優先的に申請を通していたら、他の魔道具製作者達も、俺の作った道具に感化され、様々な道具を作り始めたので、最近は多少自重して、物作りは他の人達に任せることにしている。
まぁ、そういった意味も含めて、目の敵にされているのかも知れないな。
「今回の事は、別段こいつだけでは無く、他の者達の賛同も多数あったようだ。もちろん根回しをしての話だが。それに、『聖人』は世界も求めている存在だ。まだ国民達は知らぬが、国と教会の重鎮達は魔族の存命を把握しているので、新たなウィザードの誕生に続いて、『聖人』を出すことにしたのだろう」
なるほど、『ウィザード』も『聖人』も、所謂、『英雄』みたいなものだし、何が有っても大丈夫ってアピールなのかな?
「そういえば、お前は『聖人』の条件を満たしている存在を事前に知っていたみたいだが、なんでだ?」
『聖人』となれば、何かあったら大変だろうし、箱入りの箱入り、マトリョーシカ並に大切に隠していると思っていたのだが……。
「そんなもの、アステール教に侵入している諜報員からに決まっているだろう」
「……そんなのいんの?」
いや、当たり前と言えば当たり前なんだが、よくそんな極秘情報まで得ることができる優秀な諜報員がいたな……。
「当然だ。諜報員なんぞ何処にでもいる。もちろんこちらにも各国等からの諜報員もいるがな」
「……俺が一人一人見て、調べてやろうか?」
多少時間はかかるだろうが、鑑定スキルを使えば、諜報員なんざ簡単に判別できる。
だが、そんな俺の好意を王はそっけなく返す。
「いらん。誰が諜報員かくらい、こちらも大半は把握している」
あぁ、そうか、こいつって、人の本質を見抜く能力があるから、その力の一端と今までの経験で大体解るのか。
「諜報員がいることを承知しているって事は、やっぱり、本当の情報の中に、偽の情報を混ぜたりしたりしてるのか?」
「そうだ」
おぉ、よく漫画やゲームでやってるような事を、実際にしていると知ると、少々興奮してしまうな。
「そろそろ本題に戻すぞ」
「ん、あぁ、そういえば聖女の護衛だっけ?護衛任務なら何度も受けたけど、こういうのって普通、自分の所で用意してるもんじゃない?特に他の宗教の者の護衛なんざ怖いだけだろう?」
俺は今までに、王の命令で国の重鎮の護衛等や様々な依頼をこなしていたが、さすがに『聖人』の様な、
大事な大事な人物を、他の国の者に任せるとは考えられない。
「それには色々と複雑な事情があってな。まず、今回の聖女の訪問は公式な物だ。そして、こちらが招くのではなく、あちら側から自主的に『聖人』であるという事を証明しに訪問しに来るのだが、それだけの人物が来るとなれば、こちらの最上級の護衛を付けなければならない。そうでなければ、もしこの国で聖女に何かあれば、国際問題並びに宗教問題になるからな。その為、『ウィザード』であるお前に出てもらう必要があるのだが……」
「だが?」
王が言葉を途切らせると、口の端を少々歪める。
そして、俺はこいつがこういう顔をする時は、何か悪巧みを考えている事だということを、よ~く知っている。
「お前は遠見の魔法でも一度でも視界に入れば、例え大陸の裏側からでも瞬時に護衛対象の危機を排除できるな」
「あぁ。お望みとあらば、敵の方も即座に瞬殺してやるよ」
あー、こいつが何がしたいか大体読めてきた。
「ならば、今回は、少々釣りでもしようと思う」
「釣り……ねぇ……」
どうやら俺の予想は的中したみたいだ。
「今回の聖女訪問の一件は、グレリア大陸並びにアステール教、さらに、このアメリア国の地位を貶める絶好の機会でもある。もし、ウィザードのお前が護衛している聖女が、この国で害される事があれば両国共に大ダメージであり、お前の『ウィザード』としての価値が下がる。そうなれば、色々な者達が得をするだろう」
「聖女はともかく、『ウィザード』の価値はそう下がらんと思うけど?」
「たわけ。もし護衛を一度でも失敗すれば、それ以降も失敗する可能性があると考えられ、襲撃される回数が増えるに決まってるであろうが」
「むぅ」
自分の浅はかな考えを一蹴され、思わず唇を尖らせてしまう。
「まぁ、結局お前が言いたいのは、聖女を囮にして、ノコノコやってきたお馬鹿さん達をとっ捕まえて、そいつ等から背後に隠れてるやつを吐かせて、それを盾に色々やるんだろ?」
「概ねそうだ。その為に、各所に聖女がこの国に来日する日と時間を噂程度で巻いている」
なるほど、既に根回しはしているわけね。
「でもさ、単純に考えて、『ウィザード』が護衛しているのに、襲う連中っているのか?今までの護衛だって最初の数回あった位で、それ以降はさっぱりだったじゃん」
俺は『ウィザード』になってからの、過去の護衛の事を思い出しながら言う。
「あぁ、だから今回はお前は出さない」
「はっ?」
王の思わぬ一言に、俺は思わず呆けた声を出す。
「…………、あぁ、なるほど。把握」
俺は少々、思慮をめぐらすと、王の言いたい事を理解する。
「最初の出迎えの時に、『ウィザード』は馬車にでもいるとかでも言って、空港内で隙を作るわけだな。そして、その間に、聖女が攫われたり、襲撃されたら、フィーッシュ!だな」
そう言いつつ、俺は釣り竿を引くマネをする。
王はそんな俺を、冷ややかな目で見ながら、口を開く。
「もし、空港内で襲撃される事がなければ、次は馬車での移動中に襲撃をされるのを待つだけだ。
だが、十中八九、貴様がいない空港内に相手は行動を移すだろう。いや、移すように仕向ける」
「んで、聖女様が見える範囲に俺は隠れて、万が一に備えつつ、攫われれるなりなんなりするのを見守ると」
攫われるのを見守るってなんか変なかんじだな。
「そうだ。可能ならば、複製させた神器で正体を隠した貴様が、聖女を救い、適当な相手側からしたら狙撃し易い位置のカフェに等入り、貴様がそれを補足し、別働隊に指示を出し、そいつらを捕まえる」
なんか簡単そうに言ってくれるけど、なかなか面倒くさい事を平然と言うよな、こいつ。
まぁ、未来視を使って事前に弾道を見切って、防いで、弾道の方向と魔力から場所の特定をすればいいだけなんだけど、あの広い範囲で、どれだけの数が来るか分からないのを相手にするのは中々面倒くさい。
「そうなると、瞬時に指定の場所に移動できるやつが必要だから、エメラを連れ出す必要があるな。
あとは、即座に捕縛する力量を持った者達も必要だし、とりま、うちから幾らか見繕うか」
俺は頭の中で、泣き顔になっているエメラを思い浮かべながら、今回の作戦に使えるやつらを見繕う。
「では、後の事はお前に任せる」
「え?」
俺が考え込んでいると、王は席を立つと、俺に任せるとだけ言って、部屋を出ていった。
「……、まじかよ」
俺は、俺用のメイドを残して、部屋を出て言った王に、全部放り投げやがったと、恨めし顔で閉じた扉をしばらく見つめると、
「はぁ~……」
深い溜息をついた。
それから、しばらく、メイドさんに王への愚痴を聞いて貰いながら紅茶を飲むと、俺は自分の屋敷へと戻った。
書斎に戻るなり、俺の顔を見たソニーが、色々と察したらしつつも、一応何が有ったか聞いてくる。
「とりあえず、おかりなさいませ、ツキヒト様。それで、今回はなんだったんですか?」
そんなソニーに、俺は死んだ魚の様な目で、こう答えた。
「聖女を囮にしての釣り」
「………」
俺の言葉を理解できないのか、それとも、理解して言葉を無くしているのか、書斎にいる誰も言葉を発する事が無かった。
「つまるところ、聖女様を護衛しつつ、囮として、掛かった獲物を捕まえるのですね?」
「概ねその通り」
あれからしばらく立ったあと、俺は詳しく王との話を皆に説明した。
「でも、聖女様を囮なんて大胆な事を考えるよね、お父さん」
「そうですね、ですが、それも旦那様の力を認めているからこそですよ」
ミラとアリスもそれぞれの感想を述べる。
「ですが、聖女ですか……。これは、また一人増えそうな予感ですね」
「え?何が?」
ソニーの一言に、俺は首を傾げるが、女性陣は一斉に目を光らせる。
「確かにそうですね。ですが、聖女という肩書があるのなら、旦那様の妻として十分務まると思います」
「そうだねー、どうせツキヒト君の事だから、なんやかんやで惚れさせちゃうんだろうね」
「私は、ご主人様なら当然の事だと思います」
「一人増えたら……順番変わる……、回数減るの……いや……」
女性陣は思い思いに言葉を口に出すが、要するに、俺が聖女を惚れさせて嫁にするとでも思っているらしい。
失敬な、まだ見もしていない相手を嫁にするつもり等無い!
だが、聖女という肩書は捨てがたい、現状、アリスを聖女と仕立て上げられなくなってしまった以上、聖女をこちらに取り込むのは信仰回復に約立つだろう。
なにせ、『ウィザード』に『聖人』がいる宗教だからな。
話題になるし、信者となる者も増えるだろう。
現状、奴隷達を助けては、信者にするというだけでも限界があるし、もうそろそろ本格的に動き初めたいしな。
「時に、フラウラさん。膝の上でお尻をグリグリ動かすのを止めて貰えませんかねぇ?」
聖女の話が出るなり、俺の膝の上に乗ってきたフラウラは、先程からずっと腰を動かしている。
「将来的に……回数減る。だから……今のうち、やっとく?」
「……」
誰だよ、フラウラをこんな子にしたのは。
確かに色々仕込んだのは俺ですけど!?それ以上に、この子は何処からか知識を得て、色々と試したがるんで、少々困ってるんです。
「……、そうですね。今晩は、全員で旦那様のお相手をする事にしましょう」
「えっ!?全員で!?それはさすがに恥ずかしいよ!」
「分かりました。他の子達にも伝えてきますね」
アリスがおかしな事を言い出すと、ミラは過去にした時のアリスとの百合百合プレイを思い出したのか、顔を赤くしている。
そして、勢い良く書斎を出ていったエメラダ、お前にはまだ手を出してないだろう。
てか、絶対抱かれる気満々じゃないか!確かに前にお願い事でそんなこと言われたけれど!
「はぁ……」
「…………」
俺は再び、深い溜息をつくと、こちらをジト目で見てくるソニーと目が合う。
「なんですか、ソニーさん」
「……すけこまし」
……、返す言葉もありません。
俺は、聖女の護衛の件の事を考えながら、今晩は魔法を全力で使って、朝までコースだなぁ~と、殆どの者なら、羨ましいと言う行為を、これが大勢を嫁に持つということなのか……と、何か悟った目で、空を見つめる。




