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フィリアの信仰  作者: 緑茶おいしい
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よろしくお願いします。

11月の前半、もう十分冬と言える程の寒さになり、街行く人々の格好は、冬物と変わる中、胸を主張するミニスカメイド服と黒のニーソを着けたメイド達が、チラシ配りに精を出していた。


街の人々は、彼女達を見るたびに驚き、女性達は、メイド服に付いている家紋を見、男性陣は、チラチラと胸やスカートとニーソの間を見たりとしながらも、メイド達から渡されるチラシを見て、ピソールの住人達は、納得する。


(あぁ、アキヤマ様の所か……)と。


---------------------------------------------------------------------------------------


「アン、メリー、チラシ配りの方はどう?」


姉妹が二人で、談笑しているところに、ヴィリーナが声をかける。


「あ、ヴィリーナ。こっちはさっき終わったとろこよ。そっちは?」

「こっちも少し前に終わったわ。それにしても、500枚も有ったのに、すぐに無くなっちゃたわ」


空になった木箱の中を二人に見せると、ヴィリーナは肩を竦める。


「昔は、男共の視線は嬉しかったのだけど、今は嫌に感じるわね」

「そうなの?」


3人は空の木箱を抱えながら、2週間後にオープンする道具屋「月の明かり」に向かいながら、喋る。


「そうね、私って昔、街一番の美少女って言われてて、結構男達からチヤホヤされて、それが嬉しかったんだけど、奴隷と売られて、ご主人様と出会ってから、街の男達が急に子供や体目当ての助平野郎にしか

見えなくなってね。やっぱり、環境は人を変えるものね。それに、アリス様を見てしまったら、自分が井の中の蛙だったって事を理解してしまったし」


同じ奴隷として買われた、友人の言葉に、メリーは納得をする。


「そうね。私も、元貴族として、礼儀作用や美容には常々気を配ってきたけれど、あのお方を見ると、自身が無くなってしまうわ」

「確かに、アリス様はとっても綺麗ですね」


大人二人の会話に、メリーのまだ12歳の妹のアンが答える。


「そうね。アリス様が美の女神と言われても、私納得してしまうわ」

「分かるわ。私も、最初買われた時は、てっきり夜の相手をさせられると思っていたのだけれど、アリス様がいるのなら、相手にされないのは理解できるけど、やっぱり女としては、悔しいわね」


ヴィリーナの言葉に、メリーが少し驚いた顔をする。


「あら、ヴィリーナは、ご主人様と夜を一緒にされたいの?」


メリーの言葉に、ヴィリーナは少し考えながら答える。


「う~ん、どうかしら。確かにご主人様は、素晴らしいお人だけど、単純な好みでいうと、違うのよね。

ご主人様には申し訳無いけれど、私、メンクイだし」


今の言葉を、もし、アリスにでも聞かれたら、長々とツキヒトの良さを語られてしまうため、決して、屋敷内では言えない事を、今は大丈夫と、正直に話すヴィリーナ。


「そうだったの?でも、顔だけが良ければ良いってわけじゃないんでしょう?」

「まぁ、そうだけど……、まぁ、私は、あの方達の中に入っていく程の度胸も無いし、ご主人様も、相手が望まない限りは、特に私達に手を出すつもりは無いみたいだから、どこかで良い男と出会ったら、結婚しちゃうかも」


ヴィリーナの言葉に、アンとメリーは口と目を開けて、驚く。


「それって、使用人を辞めるってこと?」


結婚と言ったら、将来的には子供もできるだろうし、家を守らなくてもいけない。

そうなれば、今の屋敷で働き続けることは難しいだろう。


「う~ん、できればそれは無いかなぁ~。あそこ以上に高待遇の場所なんて、王宮くらいしか思いつかなし、もし結婚したとしても、あの領内で暮らして、屋敷に通う事になると思うわ」

「……そう」


ヴィリーナの言葉に、メリーは胸を撫で下ろす。

元とは言え、貴族であるメリーとアンや他の元貴族達は、最初は高飛車だったり平民や奴隷との差で少なからず見下していた所もあったが、今では共に働く職場の仲間や友人として、親しく接しているんので、

その友人が結婚していなくなるとなると、やはり寂しく感じてしまう。


「王宮よりも、ご主人様の屋敷のほうが安全で高待遇だと思いますよ?」


一番小さなアンの言葉に、二人はそれもそうか、と、納得する。


「そうよね~。給金も申し分ないし、部屋も成人なら一人一室、しかも、ふかふかのベッドに、クローゼに大きな姿見、それに、最高級の化粧品に大きなお風呂も毎日入れるし、ご飯も美味しい、なにより、ご主人様の作る、魔道具の恩恵は素晴らしいわね」

「そうね、特にエアコンが素晴らしいわね。夏は涼しく、冬は暖かく、少し前に作られた、加湿器も素晴らしかったわね。この時期は乾燥するから、好きでは無かったのだけれど、あれのお陰で、部屋では適度に潤いがあるから、肌も乾燥することもないし」

「この魔道具だって、ご主人様作った物ですよね」


アンが首に着けた、ネックレス型のアクセサリーを手に持つ。


「そうね。こんな寒い中でも、これを着けてるだけで、いつでも少し涼しいかな?くらいでいられるし」

「本当に、うちのご主人様は、凄いわね。ってことで、例え結婚したとしても、絶対に屋敷の使用人を辞めるつもりは無いから、安心してね」


ヴィリーナが、先程心配そうにしていた、親友に、ウィンクをして答える。


「えぇ、でも、私はどうしようかしら。年齢的にもそろそろ結婚しないと、行き遅れになってしまうし……」


この世界の女性は、15歳で成人を迎え20歳までには結婚するのが普通となっており、それを超えると、行き遅れになってしまう。なので、お互いに18の二人は、少々焦っているのである。


「それなら、ご主人様の側室にでもなればいいんじゃないかしら?小耳に挟んだんだけれど、アリス様は、ご主人様は、歴史の中でも一番素晴らしいお方だから、それに相応しいだけの妻がいるのが当然。

と、言っていたらしいわよ?」


使用人達の中では、アリスのご主人様好きは、常識を逸していると常々言われているが、その中でも、この発言は、今までのより、郡を抜いていると、思っているのだ。

決して、本人の前では言うことは、できないが。


「そんなこと、おっしゃってられたの?」


目を見開いて驚くメリーに、ヴィリーナは言葉を続ける。


「えぇ、だけど、一番だけは譲らないみたいよ。来月ミラ様とアリス様がご結婚なさるけど、公式的には、正妻は王女であるミラ様になるのだけれど、一番は譲らないと、おっしゃったって、昨日の宴会の時に、酔ったミラ様が零されていたわ」


ミラは酔うと、質問に簡単に答えてしまう事を、大人のメイド達は知っているため、ミラがお酒を飲むと、すぐに女性陣達はアリスを引き止める役とミラから情報を引き出す役とに別れるのが、暗黙の了解となっているのだ。


エメラは、立場上は止めないといけないのだが、やはり、色々と気になるらしく、ミラの側に行くことは無いが、アリスの側についている事が多い。


「そう、まぁ、アリス様に敵うとは思っていないから、別に構わないけれど、本当にどうしようかしら?」


世界最強のウィザードであり、1代限りとは言え、公爵な上、様々な道具や魔道具の作成を行い、このまま

いけば、恐らく、1代限りという条件も無くなって、しまいそうな程、王宮に功績を残している自らの主人に、自分は釣り合うのかと考える者が、実はメイド達の中には多い。


「私はご主人様とできるならずっと一緒にいたいです」


妹の答えに、メリーは驚く。


「それって、ご主人様と結婚したいってこと?」

「はい。別に側室でも構いませんけど、子供達のほとんどはそういってますよ?」


子供達とは、ミリス達のような幼い子達のことを言っているのだろうが、彼女達は意味を分かっていっているのだろうか?

アン自体は、貴族であり、年も12なので、十分に意味を理解しているはずなのだが……。


「そう……。でも、フェルちゃんは10歳なのに、ご主人様と婚約の予定もあるし、年齢は関係無いのかしら?」


自らの主人のストライクゾーンの疑問に、首を傾げていると、いつの間にか道具屋の前に着いていた。


「おかえりなさい」

「おかえりなさいませ」


店の前には、道具の実演の準備をしている、ラクリスとファラリスがいた。


「「「ただいま」」」


道具の実演をしたほうが売れ行きが良いと、ご主人様が言うので、昼食を取った後に、実演をアンとメリーが今日は行う予定だ。


「先ほどご主人様とアリス様が、おいでになされてましたよ」


ラクリスの言葉に、ヴィリーナ達は、一瞬ドキッとする。

三人は顔を合わせて、もしかして、話を聞かれたのかと心配しているが、どうやら杞憂だったようだ。


「なんでも、サニースの昔お世話になった宿屋の子に、新しい道具ができたら持って行く。といって、道具を持ってゲートで、つい先程出て行かれましたよ。」


話を聞かれていなかったと分かり、ホッと胸を撫で下ろすが、宿屋の子という言葉に、女の気配を感じる女性陣。


「年は聞きませんでしたが、聞く限り、子供らしいので、大丈夫だと思いますよ?」


何が大丈夫か、とはあえて言わないラクリス。


「それよりも、皆さん喜んで下さい。今日の昼食は、ご主人様が作られたパスタとスープです」

「本当!やったー!」

「それはとても嬉しいわ!」

「早く食べたいです!」


今日の昼食が、自らの主人が作った物としって、女性陣は大喜びする。

何故なら、現在調理を担当している、ユーラやアムには悪いが、自らの主人が作った食事のほうが、ずっと美味しいのであるからだ。


昨日は、ご主人様がアクアドラゴンを釣り上げたということで、久しぶりに、ご主人様自らが、ユーラ達と一緒に調理を初めたので、皆大喜びだった。

ユーラは、まだ自らの主人に及ばない事に悔しそうにしていたが、アムとエメラ等は、さすがはご主人様です!まだまだ頑張ります!と意気込んでいた。


そんな、ご主人様の手料理と聞いて、既にお腹は、ご飯を食べる準備万端と、音を立てだした。


「ふふ、気持ちは分かりますが、もうそろそろ、マークさんが帰って来るので、それから皆さんで一緒にいただきましょう」


お腹の音を立ててしまって、恥ずかしそうに顔を赤くする3人を見て、ラクリスは微笑む。


「アルさんとローソは?」

「地下で、在庫の確認と、書類仕事をしていますよ」


男組の事を確認すると、そう。とだけ、返す。


「お姉ちゃん、これどこに置いたらいいの?」

「店の扉の横でいいわよ」


腕をぷるぷるさせながら、小さめの木箱に入れられた、野菜を持った、ファラリスを見て、ヴィリーナとメリーがすぐに動く。


「ちょっと、そういうのは私達がやるわ。ファラリスちゃんには重いでしょ」

「そうそう、そういうのはお姉さん達に任せなさい」


ヴィリーナが素早く、ファラリスから木箱を取り上げると、店の扉の横に置く。


「ありがとうございます」


礼儀正しく、頭を下げるファラリスに、ヴィリーナが優しく頭を撫でる。


「いいのいいの、こういうのは大人の仕事よ。ラクリス、まだあるのかしら?」


振り返り、ラクリスに聞くと、まだ4つほどあるらしいので、メリーと一緒に地下の倉庫から運び出しに向かう。


「それじゃあ、アンちゃんはファラリスと一緒に、アルさんから今日の実演販売に必要な道具をもらってきて頂戴」

「わかりました」

「わかったー」


二人が奥に向かうのを見送ってから、ラクリスは、「世界最強の魔法使い「ウィザード」の道具屋『月の明かり』16日オープン!と書かれたのぼりを、店先に置いた机の隣に設置すると、店の中へと戻る。


すると、丁度、マークが戻ってきたので、ラクリスは、休憩室と更衣室のある2階に向かい、休憩室にある、コンロで、料理を温め直し、皆の食事を準備を初め、全員が揃ったところで、昼食を始めるのであった。


-------------------------------------------------------------------------------------


サニースには、冒険者ギルドにいる、とある受付嬢がおすすめする宿屋がある。

その宿屋は、木造の2階建ててあり、看板娘のミミという少女と、両親が経営している。

そこに、二人の男女が扉を開き、中へと入ってる。


「いらっしゃいま……あー!ツキヒトさん!アリスさん!」


少女は、昔、この宿屋を利用していた、珍しい二人組みをしっかりと覚えていたようだ。


「久しぶり、ミミちゃん」

「お久しぶりです、ミミ様」


少女は受付から、出てくると、二人の前に行き、嬉しそうに返事を返す。


「お久しぶりです!ツキヒトさん、ウィザードになったって聞いたんですけど、本当なんですか!?」


ミミの大きな声に、どうしたのかと、母親が顔を出すので、軽く会釈をしておく。


「そうだけど、もうこっちにも話が来ているんだね」


俺が肯定するのを聞いて、ミミは興奮しだす。


「はい!少し前に領主様から、街全体に、布告されましたよ!それと、アリスさんと婚約したって書いてましたよ!おめでとうございます!」

「ありがとう」

「ありがとうございます」


王都からピソールまででも、飛空艇で1ヶ月かかるのに、もうすでに伝わっていると言うことは、転移魔道具で大陸中に知らせてるのか。


「あぁ、どうしよう!ツキヒトさんはもう貴族だから、こんな喋り方じゃ駄目ですよね!えっと、その」


貴族相手に、言葉遣いば悪いと、不敬罪となる恐れがあるので、ミミが慌てだす。


「別に今まで通りでいいよ。俺はそういうの気にしないし、今までと同じように接してくれた方が嬉しいから」

「そ、そうですか?」

「うん」


俺の言葉に、胸をホッと撫で下ろすのを見て、そろそろ本題を切り出す。


「ところで、今日はプレゼントしたい物があって、持ってきたんだよ」

「プレゼントですか?」


不思議そうに首を傾げるミミに、少し受付を借りるね、といい、机の上に、今度販売し始める、ピーラーやらスライサー、クリップ等をを置いていく。


「これは、今度、ピソールで開く店で売りだす物なんだけど、ミミちゃんに上げよう思ってね」


そういいながら、道具を一つづつ説明していこうと思ったが、ミミだけでは全部覚えれるか不安だったのもあるし、保護者にも説明しといたほうが良いと判断し、奥さんを呼んできてもらう。


それから、一通り道具の説明と説明書を渡し、他にも化粧品類等や、エアコン等一通りをプレゼントして置いた。

魔道具に関しては、とても高価な物なので、「こんな高価な物、もらえません!」と、言われたが、まだ販売していないので、モニターとして、使用してくれと言って、各部屋につけて行く。


「こんなにたくさん、ありがとうございました」


一通り、渡し終え、設置も完了等したので、そろそろ帰ると言うと、ミミと奥さんが頭を下げる。


「いえいえ、前にお世話になったお返しですよ。あぁ、あと、良かったらこれを使って下さい」


俺が渡したのは、うちの家紋が刺繍された旗だ。

これだけの高級な魔道具を取り付けた宿屋は、恐らくこの大陸ではこの店くらいだろうから、盗難防止ようにも色々仕掛けたり、盗まれても場所が分かったりはするのだが、万が一を考え、公爵家+ウィザードのうちの家紋が入った旗を付けた、宿屋でおいたを働く連中は、いないだろうと考えてのことだ。


「わー、ありがとうございます!」


ミミちゃんは、よく意味が分からなかったみたいだが、奥さんの方は理解しているみたいなので、感謝をしていた。


一応、お姉さんの方にも伝えておくか。と、二人に別れをつげ、冒険者ギルドへと向かった。


「ツキヒトさん、また来てくださいねー!」

「うん、ミミちゃんも元気でね」

「ミミ様もお元気で」


それから、冒険者ギルドに行くと、初めて冒険者ギルドに入った時と同じように、ミミの姉であるリリスが、受付に座っていたので、そちらに足を向ける。


「お久しぶりです、リリアさん」

「えっ、……えー!?」


俺とアリスを見るなり、急に大声を上げて、椅子から立ち上がるので、俺達どころか、周りにいる職員や、冒険者達までが、こちらに視線が集まる。


「あ、あの?どうかしました?」


何故叫ばれたのか分からず、思わず戸惑ってしまう。


「あ、あの、アキヤマ様ですよね?」


未だに立ち上がったままのリリスが、確認するように聞いてくるのだが、何か変なのだろうか?


「はい、昔お世話になった、ツキヒト・アキヤマです」


俺が名乗ると、リリスが、受付台に額をぶつける程の勢いで、頭を下げる。


「あの時はすみませんでした!」

「え?」


突然の謝罪で、全然意味が分からないので、取り合えず理由を聞くと、自分のうちの宿屋に勧めた事に、

対してらしい。

別に商売として、何も悪くないし、サービスが悪いといった事が無かったうえ、オススメのシチューも美味しかったので、不服な所など一切無かったのだが、もしかしてと思って、謝罪したらしい。


「いえいえ、あの時は、あそこを勧めてくれた事に感謝してますよ。ミミちゃんはいい子ですし、夫妻も良い方で、オススメのシチューも美味しかったです」

「そ、そうですか……。それなら何よりです……」


こちらが貴族なため、非常に緊張してしまっているので、鎮静効果のある、香のペンダントをプレゼントして、着けさせる。


数分して、落ち着いたらしく、やっとまともに話す事ができるようになった。

といっても、話し自体は簡単な物なので、すぐに終わるのだが。


「ということで、うちの家紋が入った旗を渡して置いたので、よければ、冒険者の方に進める場合、うちの名前を使っても構いませんので」

「そ、それは、うちとしても大変ありがたいことなのですが、良いのですか?」


公爵家+ウィザードのお墨付きの宿屋なんてなれば、物珍しさや、安全性、等がついてくるので、女性冒険者や、新米等には、お薦めの店になるだろう。


「はい、逆になんか、問題がある場合は、外してもらっても全然構いませんので」

「そ、そうですか……」


一度渡した家紋を、飾った上で、問題があったら外していい、なんて、普通の貴族は絶対に言わないだろう。

むしろ、家紋の旗を渡すこと自体が、感謝されて当然の事であり、それを外すなんて不敬罪とも取れる行為と、みなす輩も多いので、俺の言ってることが信じられないと言った様子だ。


「本当に、構いませんから。俺なんて、最近貴族になったばっかしの成り上がりですし、位が高いだけの庶民ですから」


そういうと、リリスは引きつった笑顔で、なんとか、「わかりました」とだけ、返事をした。


「あぁ、そういえば、『ウォールの騎士』の方々はいますか?」

「え、あ、はい。今日も早くから、クエストで森に向かいましたので、夕方には戻ってくると思いますが……」

「そうですか、それなら申し訳ありませんが、今夜7時に、こちらで会いたいと伝えておいて貰えませんか?」

「分かりました」


さて、やることも終わったし、次はあそこに行くか……。


-------------------------------------------------------------------------------------


「これはこれは!お久しぶりですアキヤマ様!」

「あぁ、久しぶりだな。相変わらず元気そうでなによりだ」


来たのは、サニースでアリス達を買った奴隷商だ。

店を開くに当たって、大人がほしいと思ったので、ついでと、寄ったのだが……。


「いやー、まさかアキヤマ様がウィザードとなれる程の腕の持ち主とは思ってもいませんでしたよ!

それに……、まさにしてやられたという感じですね」


アリスをチラッとみて、答えるピーンは、笑顔だが、心の中では、やってくれたなこのやろう。といった感じがビンビン伝わる。


「ははは、どうせ俺しか治せる人がいないのだから、俺が買わなかったら、未だに奴隷商の不良在庫か、

捨てられてるかのどちらかだっただろ?」


昔ならいざしらず、今の俺に、何か仕出かす事等、絶対にできないので、堂々としていられるのは実に気持ちが良い。


「確かにそうですね……。それで、本日はどのようなご用件で?」


さすが商人、多少不満などはあるが、すぐに切り替える。


「奴隷を全部見せてくれ」

「分かりました」


それから、子供から大人を含めて、特に犯罪者と言った物もいなかったので、今回は、顔や、処女の有無等関係無しで全員購入をした。

拾い物としては、アリスのいた最奥の部屋に、800万リアの目麗しい深窓の令嬢といった16の女性だろう。

元貴族なので、礼儀作法、読み書き、計算もばっちしで、容姿も良いので、何かと使えるだろう。

教師役にしてもいいな……。

正確は非常に温厚そうなので、問題は起こさないだろう。

問題が起こしそうなやつらは、ガラド達に任せれば、1週間もあれば、素直な使いっ走りになるので、問題ない。


「アキヤマ様、ありがとうございました!是非ともまたお越しください!」

「こちらも助かった。また時間が出来たら来ることにする」


全商品が売れたので、ピーンの顔は、ホクホク顔だ。

店を出ると、ゲートですぐに屋敷に戻り、既に待っていたエメラダ達に丸投げする。

次は、ピソールだな、と思いつつ、最近エメラダ達も良くやってるので、何か欲しいものがあるか?と聞いたら、エメラダに側室にしてくださいと言われてしまった。


さて、どうしたものやら……。

アリスはともかく、他3人は特に不満が無いみたいなので、やはり妻か側室として、迎える必要がありそうだ。

このままでは、本当にアリスの、俺の歴史上一のハーレム計画が実現されそうで、少し怖い。

昔はハーレムに憧れてたが、今では4人でも手一杯といった感じなんだけどな……。


ピソールでも、奴隷を全買いし、またエメラダに丸投げをする。

最近気づいたのだが、うちの古くからいる使用人達は、俺に命令されるのを嬉しがっている様に見える。

もしかして、Mなのだろうか?


そして、約束の7時の少し前にギルドに行くと、『ウォールの騎士』の面々がいた。


-----------------------------------------------------------------------------------------


「お久しぶりです、皆さん」

「こちらこそ、お久しぶりです。ウィザード様」


そういって、頭を下げるアルマ達。


「そういうのは止めて下さい、俺なんてただの成り上がりですし、そういったのはまだまだ不慣れなので、前と同じように接して下さい」

「いいのですか?」

「はい」


俺が肩を竦めて言うと、アルマ達は、ほっとしたようだ。


「それで、俺達にどういった用件だ?」


とりあえず、酒が運ばれて来たので、乾杯してから、用件を聞いてくるアルマ。


「えぇ、俺が公爵となったのは知ってますよね?」

「あぁ、もちろん」


真剣な目でこちらを見つめるアルマ達は、何を言われるのかと、ドキドキしているのだろう。


「実は、公爵として貰ったうちの領なんですが、南西の辺境でして、開拓しようにも、冒険者ギルドの人員が少なくて困ってるんです。それで、もしよければなんですが、うちの領に来てくれませんか?」


俺のお願いに、アルマ達は腕を組んで考える。


「もちろん、必要な物資や家、装備等も、貸出しますし、皆さんの知っての通り、私は転移魔法が使えます。あと、うちの使用人で、もう一人使い手がいまして、王都や、こちらになどに戻りたい時には、いつでも戻れるのですが、どうでしょう?うちの使用人達も、休日には、王都に買い物に行ったりしますので、一緒に行くことも構いませんし」


王都に買い物。というところで、女性二人がピクリと反応したのが見えた。


「そう、だな……。俺としては、ツキヒトには恩があるので、ぜひともそれを返したいと思うんだが、皆はどうだ?」


アルマが机を囲む仲間達を見る。


「私は行くわ。ツキヒトは命の恩人だしね。その願いを断るなんてできないし、なにより、ミラもいるんでしょ?」


リューが、こちらに目をやるのだが、あれ?この反応って、ミラが王女って知らないのか?


「えぇ、もちろん」

「なら決まりね。アンタ達はどうする?」


リューが他のメンバーに聞くと、本当にいつでも戻れるのか?等や、装備等について色々質問されたあと、行くことが決定した。

だが、今すぐにとはいかないので、1週間後に迎えに来るといい、後は久しぶりの再開として、宴会だ。


さて、次はルーツ達だが、ルーツは結婚して、家もあるから無理かなー?


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「構わんぞ」

「何を今更って感じよ」

「というか、いつ来るのかってずっと待ってたよ?」

「そうそう、町娘ってのも中々良さそうだしな」

「と、いうことだ」


翌日、ルーツ達にうちの領に来ないかと勧誘をかけたら、即OKを貰えた。


「いいのか?特にルーツは、こっちに家があるんだろ?」


俺の一番の懸念はそこだったのだが、ルーツはあっさりと答える。


「お前の領で、今より広い家を貰うから構わん」

「……、そうか、じゃあお前達には、特に広い家を用意させてもらうよ」


ルーツの物言いに、驚きつつ、俺が皆に家を用意すると、皆が大喜びをしていた。


そうして、俺は無事に、自領に冒険者を増やす事ができたのだ。


それと同時に、次の日に、王宮から、戦争の日時が決まったとの、報を受け、王宮に向かう事になった。


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